表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/20

ブルーベリーのお姉さん

「あれ、お母さん? お父さん……?」


 人で賑わっている大型ショッピングモールの中、とある1人の女の子が、親とはぐれてしまったようだ。

 女の子は必死で辺りを見渡しているが、一向に親が見つかる気配はない。


「うっ、うう……」


 きっと知らない人ばかりで不安になってしまったのだろう。女の子が目に涙を浮かべたその時だった。


「おっ、そこの可愛いお嬢ちゃん、このブルーベリーの風船はいるかい?」


「お母さん、どこぉ?」


「おやおや、もしかして君迷子かい? 親御さんとはぐれちゃったのねぇ。どれ、お姉さんが親御さんを探すのを手伝ってあげよう! 君のお名前は?」


「し……知らない人に名前言っちゃダメってお母さんが言ってた」


「いやはや、よく出来たた子どもだねぇ! あっしはそこのブルーベリーのお店の店員だよ。まあとりあえず、この風船と、ついでに飴を受け取りな!」


 店員は女の子にブルーベリーの形をした風船と、紫色の飴を渡した。


「あ、ありがとう……?」


「はっはっは、そこは思いっきり喜ぶ所だよ! ほら、わーーいって!」


「わ、わーい」


 女の子は店員の高すぎるテンションについていけないようだ。店員はそんな女の子の頭をガシガシと撫でた。


「よしよし。そういや親とはどこではぐれちゃったんだい?」


 この人はお店の人らしいし、危ない人ではないのかな。

 女の子は、親しげに接してくれた店員への警戒を解いた。


「えーっと、わたしのなまえは、ユウリです。そこらへんで、足がつかれたからすわってたら、気づいたらはぐれちゃった……」


「お、名乗ってくれてありがと! よーしそーゆーことなら任せとけ!」


 そういうと、店員は大声で叫び始めた。


「親御さああああぁぁぁん! ユウリちゃんはここ! ブルーベリー・スイーツの前ですよおおおおおおお!」


 店員の大声に反応して、あたりの人がこちらを見る。

 しばらく待っているとユウリのお母さんとお父さんが、こちらに走って来た。


「ユウリ、はぐれちゃダメじゃない! もーお母さん達必死で探してたんだから!」


「ごめんなさい、お母さん。疲れてイスですわってたらはぐれちゃった。でも、このおねえさんがふうせんと、あめをくれたんだよ!」


「すみません、ユウリを見つけてくれて。その上風船と飴まで頂いてしまって」


「いえいえ、大丈夫ですよ。あ、お父さんも飴入ります?」


「あっ、では頂きます。ついでにそこのお店で何か買っていきますよ」


「それは本当助かります! 是非、うちの店をご贔屓に!」


「ほら、ユウリ、お姉さんにありがとうして」


「あ、ありがとうございます」


「また迷子になったときはあっしを頼りな!」



 わたしはそういえば、と思っておねえさんがくれたあめを食べる。

 おねえさんがくれたあめは、しつこいブルーベリーのにおいで、でもやさしいあじがした。








 迷子の女の子と、ブルーベリー店のお姉さんのお話。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ