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禁忌

それからは無我夢中で零時君を探し回った。


この広いショッピングモールの中から零時君一人を探すと言うのは至難の技だ。


モール内を一周して映画館前に戻ってきた。零時君は結局見つけることが出来なかった。


さらにそこで私はある異変に気づく。時雨ちゃんと廻君が映画館から出てきたのだ。


「どう言う事・・・」


確かに零時君を探すためにモール内を走り回りそれなりに時間は経過したとは思うが、映画一本を見終わる程の時間は立っていないはずだ。


私はまさかと思い時計を確認する。


「嘘・・・二時間近く経過してる。」


信じられない事だが二人が映画館に入って行ってから二時間近くも時間が経過していたのだ。


これはどう考えてもおかしい異常事態だった。


私は直ぐに零時君を探すために走り出す。


すると偶然にも目の前にとても焦った様子の零時君が姿を現したのだ。


「零時君!時間が!」


「君も気づいたか。と言うことはマスターペンダントを持っている者には作用していないのか・・・?」


「どう言うこと?」


「時間が飛ばされたんだ。こんな事やっちゃいけない事だ。」


「こんな事が出来るんだね・・・」


「そうだね・・・彼なら出来るんだろうね。」


「彼って?」


「時間宗一郎。全てのペンダントを生み出した人間さ。」


「時間宗一郎って・・・あの?」


「そう。でもこの世界では僕らの担任教師をしている様だけどね。」


「でも、まるで姿が違う。」


「そうだね。僕らの世界での時間宗一郎とは似ても似つかない。僕にも何がどうなっているのか分からないけどこんな芸当が出来るのは彼くらいしか・・・とにかくこんな事をしたって事は僕らが何者なのか正体がバレたんだと思う。何をするつもりなのか分からない。急いで探そう。」


私達は時間先生を探すためにモール内を駆け回る。しかし時間先生は全く見つからない。


その時とんかつ屋さんから出てきた時雨ちゃんと廻君を見つけた。二人はショッピングモールの出口の方に向かって歩いていく。


二人に反応して自動ドアが開く。


二人を見ていた私は急に嫌な予感がして零時君に声を掛ける。


「ちょっと気になる事があるから私先に・・・」


しかし零時君は一点を見つめたまま動かない。


その視線の先にいたのはこの一連の出来事の黒幕である時間先生だった。


次の瞬間零時君が声を張り上げる。


「すずかちゃん!二人を!」


私は急いでペンダントを起動しようとするがなぜだか全く反応しない。


「何で・・・」


時間先生が口元をニヤリと歪める。


「僕が・・・やるしかないか・・・」


凄まじい光を放つ零時君のペンダント。その光に包まれながら私の視界は黒に染まった。


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