私のヒーロー
「ただいまー!わたる?どこ??」
家に着いてまっすぐにリビングに駆け込むが、わたるがいない。
しまった、アンタンマン今日はやってなかったんだっけ。
「わたるー?あきら帰ってきたよ。」
台所のおやつは食べずに置いたままだ。
・・・が、床が点々と濡れている。
これは、また・・・顔中洪水、かな。
涙の跡を追うと、わたるのおもちゃ部屋にたどりついた。
さて、今日はジャイナマンか。
まず扉を二回ノック。
コン、コン。
・・反応なし。
「えーと、コホン。ジャイナレッドはいらっしゃる??」
(・・・・)
「あの、フレアがただいまもどりました、とお伝えいただきたいのですが。」
カチャリ、と鍵の開く音。
「フレア姫?」
出てきたのはジャイナレッドのマスクを被ったわたる。
「ええ、お兄様。」
「悪魔王ケイーダから逃げてきたの?」
マスクから除いている瞳は潤んだウサギの目。
「ええ、お兄様。」
「レッドのきんきゅうようの電話が助けになった?」
マスクの中は鼻水と涙でべとべとだろうな。
「ええ、お兄様。ジャイナレッドがケイーダを倒してくれたのです。」
「もうさらいに来ない?」
ああ、もう!はやくぎゅってしたい!!
「ええ、お兄様。ケイーダはもう二度と来ないでしょう。これからはずっと、フレアはお兄様と共におります。」
「ふぇっ・・」
あ、泣くっ
「ふぇーんっ あきらっ・・・ぅぐ」
むぎゅっっと。
やーっと捕まえた。
「ただいま。泣き虫レッド。可愛いわたしのわたる。ちゃんとお留守番できたね。あきらをケイーダから守ってくれてありがとうね。」
「&%$#、@:+(おかえり、あきら)」
あ、締めすぎた
「ぷはっ。。あきらー、さらわれなくてよかったよー。」
かわいい私のヒーローは今日も顔ぐしゃぐしゃ