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専業主夫の夫が私を好きすぎる件について  作者:


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第6話 バレンタイン逆襲

二月。街がチョコの香りで満ちる頃、私は今年こそ健にサプライズを仕掛けようと決意していた。

毎年、健は「僕から先に」と手作りチョコを渡してきて、私の計画を潰すのだ。今年は先手必勝だ。


会社帰りにこっそり材料を買い、夜なべしてガトーショコラを焼いた。隠すため、冷蔵庫の一番奥に入れる。完璧だ。

……のはずだった。


翌朝、冷蔵庫を開けると、中に「おはようチョコ」の札と共に立派なトリュフが鎮座していた。

隣にはガトーショコラ。

……カットされて、きれいに盛り付けられていた。


「味見したよ、美味しかった! 君の努力をみんなにも食べてもらいたくて、職場用にも切っておいた」

――なんてことをしてくれるんだこの人は。


さらに出勤途中、会社の受付に寄ると、同僚から「旦那さんからです」と箱を渡された。中身は私用のチョコと、「午後三時、屋上で待つ」と書かれたカード。

屋上に行くと、バレンタイン仕様のテーブルとティーセット、そして満面の笑みの健。

「君からもらう前に、僕から全部あげたかったんだ」

……負けた。いや、勝てる気がしない。


家に帰ってから聞くと、健は「去年より一日早く仕込んだ」らしい。つまり私の行動パターンは完全に読まれていたわけだ。

来年こそ……と心に誓ったけれど、たぶんまた負ける。

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