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襲い来る歩兵団栗人

オカミと別れたクーゲル達は、宿からとても離れた所にある大木の根元で少し一休みしていた。


「ふーっ…疲れたぁ…」


「オレもだぷにゅ〜…」


「僕も〜…」


のほほんとした空気の中、離れた所の茂みで十五魔将(フィフティデーモナー)のシャプカが4人の部下のモンスターと共に3人をじっと監視していた。


「あれが私達に楯突く邪魔者のドロヒューか…隣の二人は一体誰だ?」


テルカガチがドロヒューの情報しか言わなかった為にシャプカはクーゲル達の事を知らなかったのだ。


「まぁいい…。ドロヒューさえ倒せばお菓子の詰め合わせは私のものか…。フフフ。楽しみだ。」


シャプカはニヤリと笑い、どの部下へ行かせるか悩みだした。


「リーダー・シャプカ。悩まなくともこの私を差し向ければ良いのでは?」


「ダメだデュライダー。お前は強すぎる。…すぐに終わるのはつまらない…それに私の右腕たるお前を行かせば重労働すぎるだろう?」


そう言ってシャプカは部下のモンスターの1体…デュライダーを止め、また悩み始めた。


「それならボクに行かせるぷにゅ。」


そう言って出てきたのは、緑のヘルメットと服を身にまとったモンスターだった。


「お前は、コンバットぷにゅりん…。よし、行ってこい!」


「サー!イエッサーぷにゅ!」


コンバットぷにゅりんはほふく前進で茂みの中へ進んでいった。


「シャプカ様、ホントにコンバットぷにゅりんごときで大丈夫ですか?」


包帯巻きのモンスターが不安そうに問いかけると、シャプカはクスクスと笑った。


「心配する事は無い。コンバットぷにゅりんは森の中では無類の強さを発揮する。私達は見ていようじゃないか…。」


離れた茂みでそんな話がされているとは知らず、クーゲル達はのんびり休んでいた。しかし、何処かから近づいてくる殺気を感じ、目を光らせた。


「…どうしたぷにゅ?」


「何かがこっちに近づいてくる。姿は見えないけど、確かにこっちに近づいてきてる。」


クーゲルは軽くキョロキョロと見回し、直感で見た方の茂みに向けて武器で薙ぎ払った。


「そこかっ!」


その時、ほふく前進していたコンバットぷにゅりんの姿が露わになった。


「げっ…何故わかったぷにゅ。」


「え!?ぷにゅりん!?」


「気をつけるぷにゅ!オレと種族は同じみたいだけど、敵のようぷにゅよ!」


ぷにゅりんはそう叫び、頭の葉を回転させてコンバットぷにゅりんに飛びかかった。


「怪しいやつめ!オレが許さんぷにゅよ〜!」


「チッ。バレたら仕方ねぇぷにゅ。ボクはコンバットぷにゅりん。バレたからにはこれでもくらえ!オラァ!」


「ぷきゅっ!!」


コンバットぷにゅりんは持っていたコンバットナイフでぷにゅりんを斬りつけた。


「ぷにゅりん!」


森林浴でウトウトしていたドロヒューはハッと我に返り、コンバットぷにゅりんを睨み、涙の人魂を作り出した。


「僕の仲間に手を出すな!ヒュードロ夜行!」


「甘いな!クラッシュエイコーン!」


コンバットぷにゅりんは背中の小型大砲からドングリの弾丸を何発も放ち、涙の人魂を全て相殺した。


「森の中でボクと会ったのが運の尽き…軍人は戦場に臨機応変に対応できるんぷにゅよ!」


突然コンバットぷにゅりんは森の木々の中に姿を消した。


「どこに隠れた!?隠れてないで出てこい!」


ドロヒューは手当たり次第にヒュードロ夜行を放つが、どれも当たらず次第に疲弊していった。


「うっ…エネルギーを使いすぎた…」


「隙ありぷにゅー!」


突然木々の間からコンバットぷにゅりんが飛び出し、コンバットナイフでドロヒューを突き刺そうとした瞬間…


「ドロヒューには傷一つ付けさせないよ!」


クーゲルが盾を構えてコンバットぷにゅりんの一撃を防いだ。


そして、盾を構えてタックルをかまし、コンバットぷにゅりんを弾き飛ばした。


「おおっと!」


コンバットぷにゅりんは思わず体勢を崩しかけたものの、素早く動いてまた木々の中へ消えていった。


「へッ!軍人は如何なる戦いでも臨機応変だぷにゅ。森の何処から攻撃が飛んてくるか分かるぷにゅか?」


コンバットぷにゅりんの姿は見えず、声だけ響く森の中でクーゲルは盾を構え、ドロヒューをかばっていた。


「まずいぷにゅ…!クーゲルもいずれジリ貧になっちゃうぷにゅ…!でも…オレにできる事は…そうだ!」


ぷにゅりんは飛び跳ねてクーゲルに近づき、耳打ちした。


「クーゲル…その盾を思いっきりブーメランの要領で投げてみるぷにゅ!」


「でも…そんな事したらドロヒューを守れないよ…」


「それが魔法の盾〔シルトブリッツァー〕だって忘れたぷにゅか!持ち主の元に必ず戻る盾ぷにゅよ!これしか隠れているあいつに攻撃は当たらんぷにゅよ!」


クーゲルは頷き、盾を左腕から外し、思いっきり投げつけた。盾は凄い勢いで回転し、森の木々の中へ消えた。


「盾が戻ってくるまではオレがドロヒューを守るぷにゅ!」


そう言うとぷにゅりんはドロヒューの前に立ち、頭のカサを森の方へ向けた。


「硬度の高いオレのカサならある程度の攻撃は無効化できるぷにゅ!」


「盾を捨てたな?そんなにボクの攻撃をくらいたいかーっ!」


突然コンバットぷにゅりんが木々の間から飛び出し、クーゲルに向かってコンバットナイフを構えた。


「後ろを気にしなくていいの?」


クーゲルがそう言ってコンバットぷにゅりんの後ろに指を差した。


「は?なにが…」


クーゲルの投げた盾が戻り、コンバットぷにゅりんの後頭部に当たった。その衝撃でコンバットぷにゅりんは途中で落下していった。


「ぎゃあっ!痛ぇ!」


そしてクーゲルは戻ってきた盾を素早くキャッチし、また左腕に装着した。


「今がチャンスぷにゅ!ドカンと一発お見舞いしてやるぷっきゅー!」


「うん!いくぞ!コンバットぷにゅりん!」


「チッ!ただではやられんぷにゅよ!」


そう言ってクーゲルとコンバットぷにゅりんは武器を構え、お互いに飛びかかった。


「ライトニングシュナイダー!」


「コンバットアタック!」


クーゲルの武器とコンバットぷにゅりんのコンバットナイフがぶつかり合い、火花を散らす。


「ふぎぎぎぎぎ…!」


「ぷきゅううう…!」


お互いの武器はぶつかり合い、さらに火花を散らす。そして次の瞬間…


パキンッ


「あっ…」


「今だっ!!」


コンバットナイフが折れた一瞬の隙を付いて、クーゲルのライトニングシュナイダーが見事に決まった。


「ぷきゃああああっ!」


コンバットぷにゅりんは断末魔を上げながら地面に倒れ込んだ。クーゲルはコンバットぷにゅりんに近づき、その目を見た。


「あ…ああ…負け…た…ぷにゅ…」


「コンバットぷにゅりん。最後に質問だ。お前は…神魔宝軍(しんまほうぐん)なのか?」


クーゲルがそう言うとコンバットぷにゅりんはニヤリと笑って口を開いた。


「そうだ…。ボクは…神魔宝軍だぷにゅ…シャプカ様の命令で邪魔者を排除するのが…ボクらの役目だった…。」


「シャプカ…?それは神魔宝軍の何だ?」


「へッ…シャプカ様はボクの主人であり…十五魔将(フィフティデーモナー)のNo.15だぷにゅ…。」


それを聞いた途端、疲弊していたドロヒューが目を覚ました。


十五魔将(フィフティデーモナー)だと!?そいつは何処にいる!」


怒りの感情を露わにしながらドロヒューは倒れたコンバットぷにゅりんを問い詰める。


「ぷにゅ…にゅ…シャプカ様に倒されるお前の姿が見れないのがザンネン…だ…。」


そう言い残し、コンバットぷにゅりんは消滅した。


「…」


ドロヒューはふと我に返り、また涙を流した。


「…行こう。ドロヒュー。」


「クーゲルに賛成だぷにゅよ。…まさか同族が神魔宝軍だなんて思わなかったから…早くここから離れたいぷにゅ。」


そう言って3人は再び歩き出した。


一方、離れた茂みにギリギリと牙を食いしばるシャプカが居た。


「森の中では無類の強さを誇るコンバットぷにゅりんがやられた…だと!?あの二人もドロヒューの仲間か…!ええぃ!敵が一気に増えるとは!!」


その時、全身包帯巻きのモンスターが出てきて口を開いた。


「やはりコンバットぷにゅりんごときではダメでしたか。では、今度はこの〔ガグス〕が行くとしましょうか…」


「待て。俺が行く。」


ガグスの言葉の途中で口を挟み、出てきたのはロボットの顔と手足、そしてプラモデルの箱の身体をもつモンスターだった。


「しゃしゃり出るな〔プラモディアス〕。貴方ごときが出る幕ではありません。このガグスが出るのです。」


「黙れ。お前はいつも主人以外を見下しやがって。お前こそ出しゃばるな!」


ガグスとプラモディアスは言い争いはじめ、ついにシャプカの怒りが最高潮に達してしまった。


「どっちでもいいからさっさと決めろ。」


怒りに満ちた声でそう言うと、ガグスとプラモディアスは恐縮してしまった。


「「す…すみません。」」


「…ハァ。デュライダー。右腕のお前に任せるのは少しつまらないが、今の私は機嫌が悪い。軽くねじ伏せてきな…!」


「リーダー・シャプカの仰せのままに。」


そう言ってデュライダーは亡霊馬に跨り、闇の中へ消えていった。クーゲル達に死神の足音が近づいていったのだ…。

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