森を抜けると
クーゲル達がトゲオの背に乗って、しばらく森を進んでいると森の外へ出た。
「わぁ…!」
ぷにゅりんは森の外の光景に驚いていた。森を抜けたその先は、砂浜と海が見えたからだ。
『オイラガ乗セテ行ケルノハ、ココマデダ。』
トゲオはそう言って、クーゲル達を背から降ろすと、森の方へ再び身体を向けた。
『皆ノ旅ノ無事ヲ祈ッテイル。マタナ。』
そう言ってトゲオは、森の中へと姿を消していった。クーゲル達は手を振ってトゲオを見送ると、改めて海の方を見つめる。
「森の外は海になってたんだ!ボク、海に来るのは久々だよー!」
「オレは、海の話は聞いたことあったけど、こうして本物を見るのは初めてぷにゅ!」
はしゃぐクーゲルとぷにゅりんをよそに、ドロヒューは不安そうにしていた。
「海ってしょっぱいんでしょ?僕が入ったら除霊されたりしないかな…?」
そんな事を言うドロヒューに、デストロームは口を開いた。
「海の塩は除霊にも使えぬし、料理にもあんまり使えぬモノだから、安心して良いと思うぞ?」
デストロームのその言葉に、ドロヒューはホッとする。そこにクーゲルが入ってくる。
「ドロヒュー!デストローム!早く行ってみようよ!」
楽しそうなクーゲルの表情に、思わず2人は笑顔になり、頷いた後に海に向けて歩き出した。
しばらく歩くと、楽しそうにスキップするモンスターが声をかけてきた。
「そこの道行く旅人さん方!もしかして貴方達、この先の街で開かれている大会に行くのかニャ?」
その言葉に、クーゲルは聞き返す。
「大会?どんな大会なの?」
「気になる?ふっふっふー。この先にマリンシーという街があるニャ。そのマリンシーでは、海の神様に感謝を込めて開かれるバトル大会があるんニャよ。」
クーゲル達は聞き入るように、モンスターの言葉に耳を傾ける。
「そしてニャンと言っても、バトル大会に優勝したらとっても凄いモノが貰えちゃうんだって!」
それを聞いたクーゲル達は優勝賞品が気になり、モンスターにマリンシーの場所を聞いた。
「マリンシーは、どの辺りにあるの?」
「この先に進んだ所にあるニャ。白いレンガの建物が見えたら、もうマリンシーは目の前だニャア。」
モンスターに感謝を言うと、モンスターはニコニコしながら去っていった。
「大会の優勝賞品かぁ…どんな物なんだろうね?」
「気になるぷにゅね!オレ達も早速行ってみようぷにゅ!」
クーゲルとぷにゅりんは、ワイワイとしている中、ドロヒューは少し考え事をしていた。それに気づいたデストロームが声をかける。
「どうしたんだ?ドロヒュー…」
「さっきのモンスター…なーんか怪しい気がするんだよね…。大会のあるマリンシーとは、反対の方向に歩いていったし…。」
そんなドロヒューの言葉に、デストロームは疑問が生じつつも、しばらく考えた後に口を開く。
「我は大丈夫だと思うぞ。もしも何かあったら、我が守ってやる。ドロヒュー達全員をな。」
「デストローム…!」
そんな事をしているウチに、クーゲル達は海の街マリンシーに到着した。大会がある為か街は大いに賑わい、いくつもの露店が並んでいる。
「ここがマリンシー!凄い賑わってるね!」
クーゲルがウキウキしながらそう言うと、ぷにゅりんは舌で前を指した。
「大会にエントリーしに行こうぷにゅ!先に少し見てくるぷにゅ!」
ぷにゅりんはそう言うと、頭の葉を回転させて空を飛んだ。そしてすぐに戻ってきた。
「なんて事ぷにゅ…大会は、ステージⅠとステージⅣは参加できないそうぷにゅ…。」
「なんだって!?それじゃあステージⅢのボクは参加できるけど…ぷにゅりんとドロヒュー、デストロームは無理って事!?」
ぷにゅりんの言葉に驚き、2人が参加できない事を知ると、クーゲルはがっくりと肩を落とす。
「皆で大会に参加したかったんだけどなぁ…」
クーゲルのそんな言葉に、ぷにゅりんもしょんぼりしてしまうが、ぷにゅりんは続けて話し出す。
「しかも…二人一組でチームを組まなきゃいけないそうぷにゅ…。」
その言葉にクーゲル達は悩む。…それを物陰から、フードを被った黒ずくめのモンスターが見ていた。
「大会の事を教えてやったんだから、我らの作戦の成功の為に、さっさと大会に参加するんだニャア…。」
そのモンスターは、ニヤリと笑いながら、何処かへ消えた。
一方、クーゲル達は悩んでいた。その時、ドロヒューが口を開く。
「そういえばデストロームは、もう一つ姿があったよね?」
「あぁ。我の本当の姿の事か。それがどうし…なるほど。」
ドロヒューの言葉にピンと来たデストロームは、瞬く間に姿を変えた。
「…確かに、この姿なら我のステージはⅡとなる。大会参加の基準は満たせるな。しかし、武器が欲しい所だな…よし。」
デストロームはそう言うと、何かを念じ始める。そして片手を上に向けると、何と赤と青の宝石が付けられた黄金の杖が飛んできた!
「神魔宝軍の居城に置いてきていたのを、我の力で引っ張って持ってきた。これならマトモに戦える…。」
一方、神魔宝軍の居城たる黄金の城では…
「な…なんだ!?」
オメガアーマーが、カタカタと震える杖を目撃した。慌てて杖を掴もうとした時、杖は空高く飛んでいってしまった。
「な…なんだったんだ?」
オメガアーマーは困惑するしか無かった。
一方戻って、デストロームは黄金の杖を持ち、クーゲルに向けて口を開く。
「これなら二人一組で戦えるな。エントリーしに行くかクーゲル!」
「ドロヒュー!ぷにゅりん!参加できなかった2人の分も、絶対に勝つからね!」
クーゲルのその言葉に、ぷにゅりんとドロヒューは頷き、2人は観客席への方へ歩き出した。それを見届けてから、クーゲルとデストロームはエントリーに向かった。
「…はい!ステージⅢのクーゲルさんと、ステージⅡのデストロームさんですね!」
クーゲルとデストロームは無事にエントリーを済まし、控室に向かった。
「頑張って勝つよデストローム!」
「いつもの姿での必殺技は使えぬが、勝利を勝ち取るぞクーゲル!」
そんな話をしながらも控室を少し見回すと、強そうなモンスターや、意外なモンスターがトレーニングをしている。その時、アナウンスが流れた。
「まもなく〜、第6回マリンシーバトル大会を開催致します〜。選手の方は〜速やかに戦いの場、バトルホールへお越しください〜。」
アナウンスを聞いたモンスター達は立ち上がり、歩き出す。クーゲルとデストロームも、歩き出した。
バトルホールに到着すると、沢山の観客の歓声に包まれた。その中には、ぷにゅりんとドロヒューも混じっている。
「これより!第6回マリンシーバトル大会を開催致します!バトルは全部で3回戦!屈強なる者達は、勝利を掴むことができるのでしょうか!ここで選手の紹介です!」
アナウンサーはテンション高く、選手達の前に立つ。
「エントリーNo.1!その怪力は鉄をも砕く!ステージⅡ「バードヘッド」とステージⅡ「ポロッケ」のタッグチーム!パワフルズー!」
「続いてエントリーNo.2!相手の運命を握る!?ステージⅡの「スイショーダマ」とステージⅢの「デスティニー」のタッグチーム!シンリーズ!」
「さらに続いてエントリーNo.3!箱の中身は恐怖!?ステージⅢの「レスター」とステージⅡの「ミミック」のタッグチーム!ビックリボックズー!」
「まだまだ居るぜエントリーNo.4!光の力が悪を討つ!ステージⅡの「バルキリー」とステージⅢの「タワーアシ」のタッグチーム!ライトニンズ!」
「どんどん行こうエントリーNo.5!新世代モンスターの二人組!ステージⅢの「デッドリリア」とステージⅢの「カオスダーク」のタッグチーム!シンセダイズー!」
「さてさてエントリーNo.6!勝利の方程式!ステージⅡの「チャップマン」とステージⅡの「フラスコン」のタッグチーム!サイエンズー!」
「さらにさらにエントリーNo.7!何だか不思議な二人組!ステージⅡの「フェイクフレンド」とステージⅢの「シノミラー」のタッグチーム!マキョウズー!」
「最後にエントリーNo.8!騎士と幽霊!まるでお化け屋敷!ステージⅢの「クーゲル」とステージⅡの「デストローム」のタッグチーム!ブルーナイトズー!」
「以上の8組が今回の選手となります!そしてこれより、マッチングを発表致します!1回戦
AブロックはパワフルズVSビックリボックズ!
BブロックはライトニンズVSシンセダイズ!
CブロックはシンリーズVSマキョウズ!
DブロックはブルーナイトズVSサイエンズ!
以上!それでは選手の皆さん!一旦控室にお戻りください!」
アナウンサーの言葉に従い、それぞれが控室に戻っていった。クーゲルとデストロームは、この様々な強敵達から見事勝利を掴みとる事はできるのだろうか…。




