大王鶉
「…役立たず共が。」
オメガアーマーはイライラしていた。クーゲル達の力を見誤っていた事を認めたくないからである。その為、神魔宝軍のモンスター達に八つ当たりをしていたのだ。
「オメガアーマー様…今日もイライラしてる…」
「思えばデストローム様の頃は凄く居心地が良かったよな。」
廊下ですれ違ったモンスターのそんな言葉を聞き、オメガアーマーは2匹の目の前で壁をヒビが入る威力で殴りつける。
「無駄口を叩く暇があるなら奴らを消し去ってこい!」
そう怒鳴られたモンスター達は慌てて走り去る。その光景を見てオメガアーマーは舌打ちをした。
「チッ…どいつもこいつも使えねぇ…」
遠目から一部始終を伺っていた十五魔将No:2のテルカガチは、ため息をつきながらオメガアーマーに接近する。
「ずいぶんとご立腹だなオメガアーマー。」
「…テルカガチか。貴様も私を嘲笑うか?」
ギロリと睨むオメガアーマーに呆れながらテルカガチは口を開く。
「その短気さ…いずれ誰も従わなくなるぞ。」
「フン…弱い部下をエネルギーに変える貴様に言われたくは無いわ…。」
オメガアーマーに言われた事を気にもせず、テルカガチは再び口を開いた。
「…自ら赴いて一掃すればいいのに、回りくどく部下を捨て駒のように使うのは何故だ?」
テルカガチのその言葉にピクリとしたオメガアーマーは、目にも留まらぬ速さで殴ろうとするも、軽く受け止められる。
「そうやってすぐに手を出す。しかし動きは単調。」
「…チッ。」
腕を引っ込めてテルカガチに背を向けると、オメガアーマーはゆっくりと歩き出した。
「今は私こそが神魔宝軍のトップだ。貴様如きなど十五魔将の地位を下ろしてやってもいいんだぞ?」
「勝手にしろ。地位に興味など無い。それに元々十五魔将とは、デストローム様が実力を認めて選抜したエリートの証ってだけだ。」
テルカガチの言葉にイラっとしつつも、オメガアーマーは鼻を鳴らして去っていった。
「(しかし…神魔宝軍は遅かれ早かれ崩壊するだろうな。)」
テルカガチは心の中でそう呟くと、マントを翻して去っていく。
しばらくして、オメガアーマーは玉座に座り、手を叩いた。
「ダイオウウズラ!ダイオウウズラは居るか!」
「お呼びでしょうか…オメガアーマー様。」
「我ら…ただいま参上しました。」
黒く大きな鳥のモンスターと、白くの翼のない大きな鳥のモンスターが歩いてやってくる。
「命令だ。神魔宝軍に仇なす者を排除してこい。十五魔将のNo:11たるお前達なら簡単だろう?」
「勿論。我らに任せてください。」
「当然。我らの力を見せつけてやります。」
ニヤリと笑うオメガアーマーを前に、2匹のダイオウウズラは素早く動き、去っていった。
一方その頃、クーゲル達は歩いていた。
「この森を抜けた先に街があるみたい。」
「野宿とはおさらばできるぷにゅね!」
クーゲルとぷにゅりんはワイワイと歩くが、ドロヒューはうなだれながら移動している。
「僕…疲れてきたよ〜。」
「案ずるなドロヒュー。我が運んでやろう。」
そんなドロヒューをデストロームはおんぶし、4人は森の中を進んでいく。しかし…
「森に入っていったな。作戦実行の時間だ…」
「我らの完璧な作戦により、仇なす者は朽ち果てるだろうな。」
様子を見ていたダイオウウズラ達が何かを企んでいた。白いダイオウウズラは部下のモンスターを引き連れて素早く森の中に姿を消し、黒いダイオウウズラはその場を後にし、姿を消した。
森の中を進んでいく4人。しかし、クーゲルはある事に気付く。
「…あれ?この道、さっきも通ったような?」
その言葉に3人もハッとする。そこでぷにゅりんが口を開く。
「もしかしてオレら、迷子になったぷにゅか…?」
「僕、空から…あっ!?」
ドロヒューは上空から森を見渡そうとするも、木々の間を抜ける事ができなかった。
「木々が抜けられない…!」
「ふむ…どうやら不思議な力で森から抜け出せなくされているようだな…」
デストロームがそう言った瞬間、鉢植えのモンスターが襲いかかってきた。
「グォォォォ!」
「こんな時にモンスターか…!」
クーゲル達は素早く臨戦態勢になる。鉢植えのモンスターは大きく腕を振りかぶり、クーゲルに殴りかかる。
「させないぷにゅ!」
ぷにゅりんが舌で鉢植えのモンスターの攻撃をキャッチし、背後からデストロームとドロヒューが攻撃を仕掛ける。
「クーゲルに手を出すのは許さない…!」
「今だクーゲル!我達のコンビネーションを見せてやるぞ!」
「ライトニング…!」
クーゲルは稲光を纏った武器を構えると、素早く鉢植えのモンスターに接近する。
「シュナイダーッ!」
光のような斬撃が鉢植えのモンスターを真っ二つにする。
「グォォ…ォ…。」
真っ二つになったモンスターは力無く断末魔をあげて消滅した。
「やった!倒したぞ!」
「おやおや…ハチウェイトを倒した程度で喜ぶなんて…本当に愚かだ。」
突然声がした方向を4人が向くと、そこには白い鳥のモンスターがニヤリと笑っていた。
「お前は誰だ!」
クーゲルの言葉を聞いた白い鳥のモンスターは、小馬鹿にするように笑う。
「この私にお前だなんて…美しさの欠片も無い。私は神魔宝軍の十五魔将No:11たる、〔ダイオウウズラ〕だ。」
「よりによってこんな時に十五魔将か…!」
ドロヒューのその言葉を聞いたダイオウウズラは笑い出す。
「こんな時…だって?フッ…フフフ…アーッハッハッハ!バカだな!仇なす者よ…貴様らは私の手でこの森に迷い込んだのだ!」
ダイオウウズラのその言葉にドロヒューは驚くと、続けてダイオウウズラは喋りだす。
「貴様らがこの森から永遠に抜け出せなくなれば、神魔宝軍に楯突く者は居なくなる!さすれば神魔宝軍の偉大なる目的は達成される!さぞオメガアーマー様も喜ばれる事だろうな!」
「偉大なる目的…!?それは…」
クーゲルの言葉を途中で遮り、ダイオウウズラは睨みつけてくる。
「貴様ら!この森で永遠に彷徨い続けるが良い!フェトルスイープッ!」
ダイオウウズラが突然尻尾を振ると、凄まじい威力の衝撃波が発生する。
「うわぁぁぁっ!」
「ぷにゅぁぁぁぁ!」
「わーっ!?」
「ぬぐぁぁぁぁ!?」
その衝撃波に耐えきれず、4人はバラバラな方向へ吹き飛ばされてしまった。
「これで仇なす者は離れ離れになり、この森から二度と出られない…。そしてこの森に連れてきた私の部下が奴らを倒し、神魔宝軍の天下となる…!」
「上手くいったな。」
ダイオウウズラが振り向くと、黒いダイオウウズラが歩いてくる。
「あぁ。これで作戦は完了だ。そっちも上手くできていたぞ。」
白いダイオウウズラの言葉に黒いダイオウウズラはニヤリと笑い、喋りだす。
「森を全て私の結界で覆い、仇なす者は二度と出られなくする…それに引き換え、我らは自由に出入りできる…まさに完璧な作戦だ。」
森の中で2匹のダイオウウズラの笑い声ともとれる鳴き声が響き渡った。
今回登場したダイオウウズラは難波(No.3)さん(@No3_333333)の応募し、採用されたキャラクターです!




