悪魔鴉&提灯坊
クーゲル達は森の中を走り、遺跡を目指していた。新たに現れた第三勢力、新世代モンスターを倒す為に。
「負傷していたとはいえ、私の部下を一撃で倒したあの二人組…相当な強さだと一発でわかる…。」
「それは同感だけど…何で神魔宝軍で十五魔将の君までついてくるのかな?」
クーゲルが走りながら不思議そうに尋ねると、シャプカは拳を固く握りしめ、口を開いた。
「私の部下の仇を取る為だ!クーゲル!お前達に部下はやられたりもしたが、〔銘菓・亜人の華〕をくれるなら許す!しかし、あの二人組だけはどうしても許せない!だから私はお前達と一時的に組む事にしたのだ!」
シャプカがそう言うと、ぷにゅりんとドロヒューがムスッとした顔をした。
「オレは認めないぷにゅよ。オレとドロヒューを捕らえておきながらよくもそんな事を言えたモノぷにゅ。」
「僕だって認めない…。十五魔将と組むなんてゴメンだ。」
二人はそう言ってそっぽを向いている。すると、ボウナイトとボウショーグンが二人に声をかけた。
「シャプカを許してやれ…とは言わないが、そんな怒っていては疲れてしまうぞ。」
「ソレガシらもシャプカの事は、はっきり言って嫌いだが…今は新世代モンスターとの戦いに向かわねば。」
「…そういえばお前達は誰ぷにゅ?クーゲルと一緒に戦ってたから、悪いモンスターでは無いと思うぷにゅけど…」
ぷにゅりんがそう尋ねると、ボウナイトとボウショーグンは軽い自己紹介をした。
「私はボウナイト。主…クーゲルに従う戦士だ。」
「ソレガシはボウショーグン!同じく主殿に従う戦士なり!」
そう話している内に遺跡が見えてきた。遺跡の中央には、カイザーぷにゅりんとギガン・デーラスの二人組が立っていた。
「待っていたぞ…貴様らに私達、新世代モンスターを倒せるかな?」
カイザーぷにゅりんはクスクスと笑っている。
「我らはそんじょそこらのモンスターとはひと味もふた味も違う。新世代モンスターはお前達…旧世代モンスターより優れ、強いのだ!」
ギガン・デーラスはそう言うと遺跡の扉を開けた。すると、中で待機していた新世代モンスター達12体が現れた。
「さぁお前達新世代モンスターの素晴らしき名前を聞かせてやれ。」
ギガン・デーラスはそう言って12体の新世代モンスターに自己紹介させた。
「オデ、キラーブロック!」
「ワタシハ、ロボアースダ。」
「ゲヘヘ…Mr.アクアリウム!」
「ワシはザ・スコーピオン!毒で溶かしてやろう!」
「アサシンニャーだニャア。」
「デッドリリアちゃんでーす!」
「私はアーメーダーだ!甘くないぜ!」
「ウチ、ビーニーレディや。よろしゅうな。」
「カァーッ!俺はデモンクロウ!」
「オレサマはDE・PAND様よぅ!」
「ランタンボーイッ!」
「…カオスダーク。」
新世代モンスターが各々自己紹介をする。ギガン・デーラスはデモンクロウとランタンボーイを指差し、ニヤリと笑った。
「お前達二人が、最初に戦うのだ。思う存分に暴れるがいい!」
「カァーッ!何という幸せ!」
「ボーイ達に任せてちょ!」
デモンクロウとランタンボーイは喜び、クーゲル達を見つめ、戦闘態勢に入った。
「ここは僕が戦う…!身体を動かしたかったし!」
ドロヒューはそう言って前に出た。すると、ボウショーグンも一緒に前に出た。
「ソレガシも助太刀しよう。流石に2対1では不公平であろう。」
「…ありがとう。」
ドロヒューはボウショーグンにお礼を言うと新世代モンスター二人を睨んだ。すると、デモンクロウが真っ先に動き、左腕のガトリングを放ってきた。
「カァーッ!隙ありー!」
「不意打ちなんて卑怯だよ…!ヒュードロ夜行!」
ドロヒューはガトリングを全て涙の人魂で撃ち落とし、その瞬間にボウショーグンがカタナを振り上げ、デモンクロウを攻撃した。
「秘剣!ハゲタカ落としーッ!」
見事に決まり、デモンクロウの鎧を斬り裂いた…ように見えたが、デモンクロウにダメージはあまり無かった。
「カァーッ!我を倒せるものか!新世代モンスターの実力、見せてくれる!」
そう言うとデモンクロウはランタンボーイに目配せした。すると、ランタンボーイはデモンクロウに向けて炎を吹き出した。
「な…仲間割れ…!?」
「カァーカァー!俺の右腕はエネルギーキャノンになっている!ランタンボーイの炎をこうしてエネルギーに変換すれば…」
そう言ったデモンクロウの右腕は、金色に熱され、とてつもない熱気を放ちだした。
「喰らうが良い!ガルーダキャノン!」
デモンクロウの右腕から炎エネルギーを凝縮した巨大な弾丸が放たれる。ドロヒューは涙の人魂を放つも、一瞬で蒸発してしまう。当たりそうになったその時…
「秘剣!タイマツ両断ーッ!」
ボウショーグンが2本のカタナで炎エネルギーに斬り掛かった。
ズバッ
「な…俺のガルーダキャノンを真っ二つにするだと!?」
「ボーイの炎、斬っちゃうなんて大胆な!」
デモンクロウとランタンボーイは驚き、隙だらけになった。その隙をドロヒューは見逃さなかった。
「今だ!ヒュードロ夜行!」
「カァーッ!」
デモンクロウは鳴き声のような断末魔と共に消滅した。ランタンボーイは驚きながらも素早く回避し、高熱の炎を吹き出した。
「ボーイの炎で燃えちゃって!」
ランタンボーイの炎を素早くカタナでガードするも、高熱には耐えられなかった。
「ぬわーっ!ソレガシの手が燃えるー!」
その衝撃でボウショーグンはカタナを手放してしまった。するとランタンボーイはそのカタナを拾い、お腹のランタンに放り込んでしまった。
「ソ…ソレガシのカタナがっ!」
「ボーイの炎は何でも溶かす灼熱!溶かした金属からエネルギーを得るからボーイはもーと強くなっちゃって!」
そう言うとランタンボーイはランタンに放り込んだカタナを燃やし、吸収してしまった。
「くっ…!ソレガシの武器が…!」
「ランタンチャージッ!ボーイの必殺受けてみるー!?」
ランタンボーイは勢いよく息を吸い込むと、口からとてつもない獄炎を吐き出した!
「熔岩地獄!」
ランタンボーイの熔岩地獄は、ドロヒュー目掛けて放たれたのだ。
「う…うわぁぁぁっ!」
「危ないっ!」
ボウショーグンはドロヒューをかばい、獄炎に身を包まれてしまった。
「ぬ…ぐ…ソレガシが…この…程度の炎に…負けて…たまる…か…」
ボウショーグンはそう言いながら倒れ込んでしまった。
「ボウショーグンッ!」
ドロヒューが倒れたボウショーグンに近づくも、反応が無かった。
「許さない…ランタンボーイ!僕はお前を許さないっ!」
ドロヒューは怒りの涙を流し、ランタンボーイに向かっていった。…何度もランタンボーイを叩きまくるも、ランタンボーイはクスクスと笑った。
「ぬぅ?ボーイにそんな攻撃は痛くも痒くもなーい!」
ランタンボーイは身体を叩くドロヒューの腕を掴み、ニヤリと笑い、ドロヒューの顔を見た。
「あんまりボーイの事傷つけたら怒るよ?」
そう言ってランタンボーイはドロヒューを突き飛ばした。
「うぐっ…」
ドロヒューは突き飛ばされた衝撃で遺跡の壁に叩きつけられてしまった。
「ボーイがトドメを刺しちゃう!燃やして黒焦げメラメラーッ!」
そう言いながらランタンボーイは息を吸い込み、再び獄炎を吐き出そうとしたその時…
「ソレガシの仲間に手を出すな!」
倒れたはずのボウショーグンがランタンボーイの頭を長い棒で叩きつけた。
「そんなの痛くも痒くもな…」
そして素早くランタンボーイの足を棒で払い、転ばせた。
「ボーイがころりーんッ!」
叫びながら地面に倒れ込むランタンボーイを無視して、ボウショーグンはドロヒューの元へ走り出した。
「ドロヒュー殿!大丈夫か!」
「いてて…大丈夫だよ。でも、どうして起き上がれたの?」
ドロヒューがそう聞くと、ボウショーグンはニコッと笑った。
「ソレガシの鎧は東洋の商人から取寄せたモノでな。耐火性に優れていたからソレガシは助かったのだ。…まぁさっきは気絶してしまったがな。」
ドロヒューはホッと安心する。その時、ランタンボーイが立ち上がった。
「ボーイをこんな目に合わせておいて生きられると思いかー!?ボーイが二人を丸焼きにしちゃーね!」
ランタンボーイは怒りに満ちた顔で息を吸い込みだした。
「それはこっちのセリフだ!僕達は負けない…!」
ランタンボーイは大きな口を開けて、獄炎を吐き出した。
「熔岩地獄ーッ!」
ドロヒューは精神を集中させ、大きな水の塊を空に放った。
「ボーイの必殺に当たらなかった!二人は負け!ボーイの勝ちーっ!」
そう言って高笑いしながら熔岩地獄が当たるのを待つランタンボーイ。しかし、突然降り注いだ大雨が熔岩地獄を消してしまった。
「…にょ?ボーイの必殺ないなった?」
それどころか、降り注ぐ雨がランタンボーイにダメージを与えていく。
「ギャー!ボーイは現在、風前の灯火ー!」
「うまくいったみたいだね。僕の新たな必殺技!」
ドロヒューはニヤリと笑い、慌てふためくランタンボーイに言った。
「僕の新しい必殺技…〔悲涙の雨〕はどうかな?」
「ボーイ、ここに敗北ッ!後は頼むでなー!」
ランタンボーイは悔しそうな顔をしながら、消滅した。それと同時に雨が止んだ。
「や…やったー!」
「最初はソレガシらの勝利だーっ!」
二人は勝利に喜ぶものの束の間、カイザーぷにゅりんとギガン・デーラスが拍手をしながら歩いてきた。
「いやーお見事。デモンクロウとランタンボーイを倒すとは中々やるな。」
「だが次の新世代モンスターには勝てるかな?フフフ…」
不敵な笑みを浮かべる2体。次のモンスターは誰が相手になるのだろうか…




