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妄想デート日記

今、オレは恋をしている。

恋と言ってもまだ片想いだ。

いつか両想いにしたいと思っている。

そんなオレの名は小鷹 一郎だ。

この時代に一郎は……。

両親のネーミングセンスを疑う。


「そっか、クリスマスかぁ」


オレはきっと片想いしている小林さんを誘えずに終わるんだろうなぁ。


ちょっとお得意の妄想してみるか……。



ぐへへ……。



クリスマスイブの夜。時間は午後8時。


「寒ッ」


駅前でオレは手袋もなしに手をこすっていた。


「カイロでも持ってくればよかったな」


ふっと駅の時計に目を向けた。

その時、手が暖かくなった気がした。

手のぬくもりのほうへと目を向けると芽衣がいた。


「ごめん、待った?」

「ん、ちょっとね」

「えへへ」


えへへとはにかむ小林 芽衣が非常にかわいかった。

もう昇天するかと思った。

その後も言葉を続ける、芽衣。


「親が門限越えてるのにどこ行くんだってしつこくてさ。

でも、せっかく一郎くんが誘ってくれたクリスマスイブだから

楽しみたくてさ」

「門限厳しいなら断って明日のお昼でもよかったのに、

明日もクリスマスには変わりないし」

「ん?なんで?門限破って大好きな一郎くんとデート、それだけで大満足だよ」

「あとで、芽衣の両親に謝りに一緒に行こう」


ありがと、と言って芽衣は手を差し出して止まっている。

オレはそれに気づかず、1人語っている。


「ここからそう遠くないところに、夜景がすごくキレイなところがあるんだ」

「むー」


やべぇ、ふくれっ面の芽衣もかわいい。


「ん?どうか……」


芽衣がやりたいことに気づき、オレは恥ずかしさで顔を真っ赤にした。

手を繋いで……デート……やべぇ、完全にカップルだろ。


「手繋いでくれないなら、帰るね」

「繋ぐ!!繋ぎたいです!!繋がせてください!!」

「なら、ほら」


手を繋いでオレの知っている隠れスポットまで歩いた。


そこから見えたのは、ビルの電灯が所々光って見える。


「ここ?」


芽衣は不思議そうにオレを見る。


「ここの上!!」

「上?」


上と言われて二人で見上げた夜空には満点の星空が見えた。


「わぁ、キレイ」

「芽衣、目つぶってくれない?」


そっと、オレと芽衣は唇を重ねた。


「好きだよ、芽衣」


……ぐへへ。


本来は今日は12月24日、クリスマスイブで、学校が終わる終業式のはずだった。

しかし、今年は11月にインフルエンザが大流行して学校閉鎖があったので、

急遽、3時間目まで授業してから終業式となっていた。


テストも終わっているのに何のために……。


気が付けば3時間目の数学が終わりかけていた。

後、10分は授業だ。

さっきまでは妄想で意識は現実にあったけど、

どちらかというと、数学のノート取るふりして、

数学のノートにさっきの妄想を文字起こししていたのだ。


さて、ここからは、夢の中で、小林さんに癒してもらうか。

いや、小林さんはクラスメートだからな!?

実在するからな!?


まぁ、簡単に言えば、今から残り10分は授業無視して寝るということだ。

いわゆる睡眠学習……?

いや、夢の中で小林さんに癒してもらうなら、睡眠リフレ……?


そんなことを考えているうちにオレはしっかり寝てしまった。


「小鷹くーん、おーい」


寝顔かわいいなぁ、と頬をツンツンとされて目が覚めそうになった。

夢か……?


「小鷹くん?起きた?」

「起きたよ、芽衣」

「えっ!?小鷹くんって私のこと芽衣って呼んでたっけ……?」


ハッと我に返ると横でオレの頬をぷにぷにしていたのは、小林さんだった。

慌てて机の上を見る。

セーフ、セーフ。

さっきのというか今日まで数学の時間にだけしていた

小林さんとの妄想デート日記はカバンに直していた。


「急がないと、終業式遅れるよ」


小林さんが後ろで手を組んで何か企んでいるかのように人差し指を口の前に置いていた。


「少し遅刻していこっか」


おう、と言って、ほんの少し雑談をしていた。


「もうそろそろ終業式向かわないと怒られるね」

「遅刻してる時点で怒られるけどね」


そだね、と言って小林さんが先に教室を出た。


オレはぐっと拳を握って決めた。


「好きだよ、芽衣……か。いつか実際に言える日は来るといいな」

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