小学校からの生成AIについてのプリントを読んでハッとする機械音痴の親
無関係かと思ってたけど、こんなに身近なものになるのね。
アナログスキーにはついていけねぇわ(´-ω-)
我が息子、小学校三年生が夏休みに突入。
最近は流行り病も落ち着き、学校の行事も徐々に復活。
うっかり学年役員というものになった自分は、数年ぶりに行われる学校行事にビクビクしているところである。
小学生三回目の夏休み。
色々と増えたやること、やれることに息子は大はりきりだった。
とりあえず、束で渡された国語と算数の宿題を片付けて、読書感想文、絵画、自主学習…………と予定を立てている。
先日、夏休みに入るにあたり、息子が学校からたくさんのお便りのプリントをランドセルから出してきた。
夏休みのプールの予定、夏休みの過ごし方、夏休みの健康維持やらの子供の生活に関する事だった。
まぁ、概ね昨年とだいたい同じ。違うのは今年は解放されるプールの使用くらいだと思った。
しかし、その中の一枚。
明らかに昨年にはなかった、あるお知らせが目に付いた。
“家で勉強するときや夏休みの宿題をする時に気をつけること(生成AIについて)”
最近はよくニュースで聞いていた言葉が、うちの息子に関わるプリントに記されている。
プリントの内容は簡単に話すとこうだ。
(ちょっと文章は変えてます)
①利用のルールを守りましょう
・小学生のほとんどは、親の同意なしでは使ってはいけません。子供だけで勝手に使うのはやめよう。
②自分のためになるのかを考えましょう
・感想文や作文などを生成AIで作って、自分の作品としてコンクールに応募したり、先生に提出することはいけないことになる場合があります。
・生成AIに頼るだけでは、本当の勉強にならず、自分のためにもなりません。
…………なるほどと思った。
昨今、AIによる小説や絵画などが発表されている。
それがコンクールに出されて、物議を醸したニュースも見かけた気がする。
それらは、まだ完璧とはいえなくとも、今後は人間にとって変わるのでは? とも報道されていた。
つまり、小学生の宿題など簡単にできてしまうのである。
はぁああ……時代やなぁ。
こんなお知らせまで来るなんて。
自分は心底感心した。
夏休みの宿題とは、ある意味“生徒の正当な行動”を前提に出されている。
自分で問題を解き
自分で課題を探しそれをまとめ
自分で創意工夫をして作り上げ
毎日毎日の努力を休むことなく続けていく
それを学校ではない自由な空間にいる時、約40日の間に試されている。
子供たちはその40日間で計画を立て、自分を律して継続しなければならない。
その中で“勝手に宿題をやってくれる機械”などという、昔の子供たちがSFで夢見た未来の道具が目の前に存在するのだ。
今の子供たちが誘惑に駆られてしまうのも、想像にかたくないだろう。
自分の子供の頃は、読書感想文を本文を読まずに巻末の後書きを参考に書いて提出し、先生にバレてこっぴどく怒られる愚か者がクラスに一人二人はいた。
その他には友達の宿題を写し、ちょっとは変えればいいのに、丸々そのまま書いて三人くらいが同じ内容になっている……と、クラスの朝の会で問題にされたものだ。
世の中、科学が進み便利になる一方、いくらでもズルいことができてしまう事例が増えていく。
宿題を楽に終わらせて、夏休みに何のストレスもなく過ごしたいと思うのは、どの時代の子供でも考えること。
自分だって、当時に数秒のうちに素晴らしい読書感想文ができるものがあったら、もしかしたら手を伸ばしてしまったかもしれない。
しかし、よく考えてほしい。
『生成AIに頼るだけでは、本当の勉強にならず、自分のためにもなりません。』
そう。自分のためになっていないのだ。
勉強やトレーニングというものは、脳や身体に“負荷”を掛けてやらねばならない。
漢字は何度も書き取りをして覚える。
計算機ではなく暗算で計算をする。
重力の無い宇宙では筋肉がどんどん落ちていくから、宇宙飛行士たちは飛行の前後では物凄いトレーニングやリハビリをしなければならないそうだ。
何ものでも、宙に浮いた状態では身に付かない。
自分の脳に少し強めに押し当てなければ、中まで入ってはいかないのだ。
自分は何もせずに、機械がかいたものを丸写し。
これでは何も身に残ってはくれない。
うちの息子は漢字がちょっと苦手である。
字を書くのが嫌いなのではなく、漢字を間違えるのが嫌なのだ。
だから、自分は息子が漢字をやっつけでザラザラ雑に書いていた時はしっかり注意している。
その時に『将来はタブレットで打つから大丈夫!』と言われて本気で怒ってしまった。
将来は手書きじゃなくなれば、漢字の間違いそのものはないだろう。しかし、それでは自分の力になっていない。
いざ手書きで書かなければならなくなった時に、ペンを持ったまま、何を書いて良いか分からず立ち尽くす未来など悲しいものである。
自分は『生成AIが悪い! 使うな!』とアンチ思想を持っているのではない。
これは時代の表現の一つの選択肢なのだから、それを使って生活の何かを充実させるのはきっと楽しい。
何が悪いかって、それを『自分の実力 自分の技術』と偽ってしまうこと。
最初はそれをお手本にしていても、その『お手本』そのものを自分の作品と出してはいけないということ。
世間を誤魔化せても、自分の手には何も無いのだ。
それを息子と話し合う。
「……息子さんや、そういう訳で生成AIは宿題で使っちゃだめだよ」
「うちのAIはどこにあるの?」
「………………どこだろうね」
そもそも、うちでは生成AIなんて触れたことなかった。
ん? あれってどこで手に入るの? (笑)
とりあえず、電卓と本のあらすじは禁止にしました。
楽しい楽しい夏休み。
学生さんは宿題だけは自力で頑張ってください。
他に頼ったばかりに、楽したばかりに、その夏休みが台無しにならぬように。
最後は自分が頼りなんだよ。
学生さん、宿題辛いのは今だけよ。
一時のチートに流されたら終わりよ。
社会にでたら、夏休みなんてのもなくなるんだからな。お盆休みの尊さを実感するぞ。
夏……暑い。草むしり辛い_(:3」∠)_