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流れ星へ幸せを  作者: 本宮 律
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プロローグ5

大広間に戻ると人はほんとんどおらず、閑散とした中片付けが進められていた。

座っていた椅子は撤去されており、エリカの姿もない。


メッセージ送ったのに!


慌ててスマホを見ると、通知が何件か届いている。


『エリカ、体調悪いみたいでいったん僕の部屋に移動させたよ』

『起きたら展望台に向かうよう伝えるから、ルナちゃんだけでも花火見ておいで』


エリカのメッセージ画面だけど、おそらくユウさんからだ。


体調…もしかして、牡蠣あたっちゃったのかな?

わたしもついてたほうがいいかな…と思ったけど、彼氏がそばに居るなら心配無用か。

それに……

がくっと肩を落としたものの、せっかく来たし花火と星空を見に行きたい。


『ありがとうございます。先に展望台に行ってみてきます!』


そう返事を打ち、スマホをポケットへしまう。

エレベーターホールへ向かうと、既に数名待っていたみたいでタイミングよく一緒に乗り込んだ。

よかった…紛れて乗ろう。

南の島で女子高生が一人で星を見るなんて、寂しいもん。


プールに行くまでにはエリカに起きてほしいけど、あの様子じゃ朝までコースかな…。

どんどん上がるフロア表示モニターを眺めていたら、


『最上階 展望台です』


ポーンという音とともにアナウンスが流れ、ドアが開いた。

わらわらと同乗者が降りていき、わたしも流される。


「うわあ……!」


降りると同時に目に入ったのは、真っ暗な夜空に無数の星。

窓のつなぎ目なく球体のように天井がガラスでおおわれているため、まるで外で見ているみたい。


思わず小走りで窓際まで向かい、ガラスに手をつく。

手を伸ばせば届いてしまうんじゃないかと思うくらい、すぐそこにあるかのように。

本当にきれい……。


「あ、流れ星」


誰かの声にあたりがざわついた。


どこかの角度で見えたのだろう。

これだけ星が見えれば、流れ星の一つや二つあったって不思議じゃない。


わたしも見つけようときょろきょろしていると、


「あれ、きみ高校生?珍しいね」


ふと、後ろから声をかけられた。


声のした方へ視線を向ければ、そこには飲み物を片手にこちらを見ている女性が。


…知らない人。

わたしに声かけた…であってるかな?


無言で自分のことを指さすと、彼女はにっこりと頷く。


「そうそう!今回の参加者で一番若そうだし、一人だし気になってたんだよね。首元のネックレスも可愛いじゃん!」


「あ、友達と来る予定だったんですけど、寝ちゃって…ありがとうございます」


事情を説明するとその人は、がははと豪快に大きな口を開けた。


「なんじゃそりゃ!とりあえず、あたしはアンズ。よろしく」


「あ、ルナです。よろしくお願いします」

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