「クリスマスを君と」
「クリスマスを君と」
12月24日土曜日、中学二年生の齋藤ヨシキと同級生の坂東アキは二学期の終業式を終えた翌日にヨシキ宅でクリスマスパーティーを、
開くことになり今日はその当日だった。クリスマスパーティーは17時から始まり16時半にはアキはヨシキ宅に集合し、
二人で会場である食堂にあるクリスマスツリーの飾り付けをすることになっていた。女の子に耐性のないヨシキは何か、
朝からソワソワしていた。アキは仲のいい友達なのだが中学生のヨシキには女の子を家に呼ぶと言う行為は何か、
子供の頃にはじめて見た一面の真っ白な雪で埋もれた銀世界のような、空一面から静かに降り注ぐ綿毛のようなぼた雪を、
見るような曰く崇高で美的な優しい気持ちをヨシキに与えた。基本ヨシキは女の子に対しては小さい子供に接する時と、
同じの優しくおおらかな気持ちを持って会話を楽しんでいた。朝、朝食にご飯とみそ汁を食べている時も英単語を書き写して、
勉強している時も昼ご飯の冷凍食品を食べている時も何かこれから1月9日まで学校へ行かなくていいのだがその初日に、
仲のいい女友達と一緒にクリスマスケーキやフライドチキンを食べてゲーム機で簡単なパーティーゲームをして、
二人で盛り上がれるって素敵だなと感じ暖かで幸せな気持ちになった。12時前にフライドチキンとクリスマスケーキ(単品)を買いに、
母の車で二店舗を回った。会費は奮発して二人で1500円を出し合った。アキはショートケーキがイイと言っていたので、
同じケーキを買った。雪のような生クリームの上にのった真っ赤な苺を見ているとショートケーキを選んだアキは可愛いなと、
感じて流れゆく時間の一瞬一瞬に幸せを感じた☆フライドチキンを買いに行ったときはお腹が空いていたので、
一緒に食べたらすごく美味しいんだろうなと思いワクワクした。午後からは書店で買った歴史の年表を語呂合わせで覚える、
小冊子を読んでいた。まだキチンとは頭に入っていなかったので古事記が書かれたのは8世紀頃で鎌倉幕府が出来たのは12世紀頃と、
ザックリと100年単位で歴史を覚えるようにしていた。歴史の偉人の享年とかはキチンと覚えていないからnetで調べて、
みようかな? と小冊子を読みながらヨシキは考えた。間食に食べた焼きプリンは甘くてほろ苦くアキの柔らかい笑顔を思い出し、
待ち遠しく感じてヨシキは幸せだなと思った。流れている全ての時間がかけがえのない尊いものに思えた。16時になるとヨシキは、
かなりソワソワしてもう少しでアキに会えることを幸せに嬉しく感じた。まるで今日一日が止まったように穏やかに静かに流れていき、
全ての瞬間に彼女の存在が明るくヨシキの胸の中を粉雪のようにキラキラと包んでいた。16時半過ぎになって玄関のチャイムが鳴った。
「ヨシキいるー?」友達とは言え大胆な発言だなと思いながら玄関に移動するとアキが立っていた。柔らかく明るく微笑むとアキは、
「今日は楽しみだね☆」と言った。「うん自分も楽しみ」と言ってヨシキはドキドキしながら笑顔で答えた。
食堂へとアキを招き入れ親に買ってもらった組み立てるタイプのクリスマスツリーを段ボールの箱の中から取り出した。
「この前netの動画でクリスマスツリーの飾り方を調べたんだ。壁際に飾る場合、裏側まで電飾とかアクセサリーを飾ると、
何か表側だけ飾るときよりもボリュームのない感じになるんだって。表側だけをギザギザの雷型に電飾を施して、
上側じゃなくて下側から集中してアクセサリーを付けると調度いいバランスのツリーになるんだ」とヨシキは説明した。
アキは「へーそうなんだ」と子供のように感心してニコニコして「じゃ一緒に飾り付けよう☆」と元気に言った。
会話しながら一緒にクリスマスツリーを飾り付けた。冬休みはどこかに遊びに行くの? とか親戚との集まりで、
お年玉もらうの楽しみだね☆とか洋楽とか聴いたりすることあるの? などと他愛もない話をしながら楽しく心弾ませながら、
17時から開かれるクリスマスパーティーの準備をした。ツリーの枝を広げて電飾の線を枝に絡ませ電源を入れると、
キラキラと電飾は各々点滅を繰り返しアクセサリーをまだ付けていないツリーは少し地味だったがツリーをキラキラと静かに輝かせて綺麗だった。
「わぁ綺麗だなぁ☆」とアキは子供のように喜び「ちゃちゃっとアクセサリーも付けよう!」と柔らかく微笑んだ。
クマのぬいぐるみやスノーマンや赤や黄色の銀メッキでできた小さなベルを細かく全面の枝の方に飾り付けた。
「これくらい取り付ければ充分ゴージャスなクリスマスツリーだね☆」とアキは元気に明るく子供のように言った。いくらか、
アクセサリーが余ったがツリーの下側に装飾を集中したので統一感があって上品で華やかに見えた。気がつけばもう、
17時に近い時間になっていた。アキは腕を組んで背伸びをすると「んー……充実するー☆☆☆!!! 今日は最高に楽しい一日にしようね♡」
と言ってふわふわした明るい子供のように喜んだ。ツリーを飾り付けた充足感からアキとヨシキは少しだけ適度な疲労感から、
押し黙りヨシキも背伸びなどをして体を伸ばしリラックスした。
──17時になりクリスマスパーティーが始まった☆二人はクラッカーのひもを引っ張り中からカラフルな紙ひもを飛び出させて、
「「メリークリスマス☆!!!」」と元気に声を上げ喜びあった。家にあった来客用のグラスに母親が買ってきてくれた、
シャンメリーを注いだ。淡くて透明なレモン色のシャンメリーは二人の心をワクワクさせた。ヨシキはさっそく口にした。
甘くてシュワシュワした冷たい炭酸水はヨシキの心を特別な幸福感で満たした。アキはニコニコして、
「とりあえずゲームでもして遊ぼうよ☆」と言った。ゲーム機のコンセントがささったままの電源アダブターのスイッチを
オンにして本体の電源ボタンにスイッチを入れた。ゲームは簡単なオセロゲームなどをして静かに盛り上がった。
パズルゲームの苦手なヨシキは最後まで勝てなかった。元気よく楽しそうに「勝ったー☆☆☆」と喜ぶアキの顔は無邪気な、
子供のようで少し悔しかったがやっぱり可愛かった。「そろそろフライドチキンを食べようよ☆」とアキは嬉しそうに言った。
バケツのような円筒状の紙の箱から骨付きチキンを取り出して二人で食べた。「おいしそー♡」と言いチキンを食べて、
柔らかく微笑みながら咀嚼するアキを見ていると自宅で充実できる自分は幸せだな☆とヨシキはこれからもクリスマスには、
フライドチキンを毎年食べよう!!! と意志を硬め来年もアキと一緒に時間を過ごしたいな♡と柔らかく明るい幸せな時間を、
噛み締めるのだった。アキは「美味しいね☆」と言って子供のように無邪気に咀嚼した。何か話した方が場が和むよなと、
思ったヨシキは最近自分はアファメーションと言う短い文言を朝唱えて活力をもらっているんだ☆と言った。
「何か朝に“自分は今日も絶好調です!!!"って言い続けるだけでもだんだんと本当に絶好調な自分自身を素で演じられるようになるんだって☆」
とアキに話すとアキは不思議そうな神妙な顔をして「へー」と言うと「興味あるな☆」と言ってもっと聞かせて♡とねだった。
ヨシキは最近メモ帳をこまめに使うようになって毎日夜に明日の朝に唱えるアファメーションの文言を変えながら、
何回か唱えるんだ、と言い厳密に朝一番に唱えなくても良くて間に歯磨きを挟んでも効果があるんだ、と言った。
アキは一通り説明を聞くと「何か面白そうだね☆」とそのアファメーションと言う心理テクに感心した。
お互い3ピースくらいフライドチキンを食べると満足ししばらく無言で満腹状態で表情を和らげた。柔らかく明るく寛いだ、
表情のアキを見ているとそれだけで幸福感を感じた。充実してるな☆とヨシキは一服ついてしばらく沈黙すると、
「じゃ締めのショートケーキいっとく?」と言って白くて小さな四角いケーキの箱の蓋を開けてショートケーキを二つ取り出した。
「わぁショートケーキだぁ♡」と言ってアキは無邪気に表情を輝かせた。来客用の上品な丸い洋皿2枚にケーキを載せて、
丸いお盆に載せて食堂のテーブルのお互いの椅子の前に置いた。「ねっ歌ってお祝いしようよ☆」とショートケーキを前に、
いつも以上に元気で明るくなったアキは予定にはなかったが唐突なリクエストを出してきた。
「……じゃあ“きよしこの夜"でも歌う?」と訊いてみるとアキは元気に肯いた。部屋を暗くする演出こそなかったが、
アキと一緒に“きーよしー……♪“と伴奏なしで歌ってみると割に神聖で幸福な気分を演出できた☆定型の行儀のいい、
クリスマスパーティーだったがアキと二人きりの時間を満喫できたヨシキはもはや日本に完全に定着した西洋式の、
あたたかで幸せなミームは心を打ち解けるためにはなくてはならないものだな☆と思った。歌い終えて神聖な余韻に浸って、
いるとさっそく銀のスプーンですくってショートケーキのクリームとスポンジ生地の側面をアキは柔らかくて幸せそうな、
笑顔で口に入れて咀嚼した。「おいしーな♡」柔らかく明るく頬を緩ませるアキをヨシキは天使のように感じた。
(──幸せだな☆)
同じくショートケーキをすくって咀嚼するヨシキは残り少なくなってきたクリスマスパーティーの時間を名残惜しく感じたが、
(やっぱり幸せだよ♪)とアキと過ごした素晴らしく尊い14歳の時間に感謝した。ヨシキとアキはお互いの来客用の洋皿とスプーンを、
シンクに持って行くと「今日はすっごく楽しかったよ♡」とアキは子供のように柔らかく素直にヨシキに伝えた☆
「自分も楽しかった☆」とヨシキが伝えるとクリスマスパーティーはお開きとなった。玄関まで出てアキを見送る、
ヨシキはすごく幸せだったので「来年もクリスマスパーティーをしよう☆」と言った。アキは「私も絶対やりたい♪!!!」と、
明るく元気に言って手を振って玄関から出て行った。決して変わったことをしたような所はなかったがヨシキは、
元気なアキと過ごした神聖な時間をずっと忘れないだろうな──と思い幸福な余韻に浸るのだった。
(おわり♡)