『※52話 混浴風呂』
『※52話 混浴風呂』
◇タケダの家
その日の夜は城に宿泊となった。
国王からの特別なはからいがあったためである。
俺くらいに活躍したら当然か。
普通は一般人は絶対に寝泊まりは出来ない部屋。
豪華さは町の宿屋とは全てが違うのは見たら理解できる。
「ご主人様、遅かったですね、何か大事な用事だったのかな?」
「とても大事な用事だったから時間がかかった。もう大丈夫だ。この部屋で寝る」
俺は長い時間をレーンのモチ作りに当てていた。
かなりドSか。
その分、モチの補充は多少はした。
遅れた分だけ、キアラとフェンリルを待たせた。
そうなると心配していたみたいだ。
「タケダ様、先にお風呂にしますか」
キアラは先に入っていいか迷ったのか。
「構わん、キアラとフェンリルが先に入りなさい」
「それじぁフェンリルも一緒に入ろう」
「そうね。城にあるお風呂は広そうだな」
「きっと広いわ。私の城にあるのもそうだし」
さらりと自慢したキアラ。
この子も一応は姫である。
本職は俺の農作業の手伝いではないのだ。
◇バスルーム(三人称)
バスルームに向かった二人。
話していた通りにやたらとデカいお風呂場があった。
国王級なのは実感する。
大理石で出来た床に、風呂場も大理石で作られた施工。
一般庶民には一生無関係な造りだった。
「わ〜〜い、広いぞ」
フェンリルは両手を伸ばして喜ぶ。
「まぁ、綺麗なお風呂だこと。お金掛かってるわ」
自分の城と比べても上回る出来栄えにため息が出る。
超ハイレベルの比較ではある。
決して人並みの比較ではない。
「お湯も暖かくて気持ちいい」
「あら、キアラったら、こんなに胸を露出してた。ご主人様を誘ってた」
パーティー会場でのキアラ姫の衣装の件。
フェンリルはキアラ姫の衣装に誘惑していたように見えた。
「してないもん。タケダ様は忙しいかったのよ、パーティーでは。国王にも挨拶したし、トニックは居るし、民衆からは喝采されてたし」
「こんなにいい胸してるのに……」
「きゃあっ、フェンリルったらどこを触ってるの」
「あははは」
フェンリルに胸を触られて、ついびっくりしたキアラ姫。
同じくらいの女の子に触られたことはなかったからだ。
しかも急にだったがら、余計に驚いた。
そこでキアラ姫もフェンリルの大きな胸を両手で掴んだ。
触られた仕返しとばかりに。
「やだっ、キアラったら、もう触ってやる!」
「お返しだよ、ムギュ」
「助けて!」
フェンリルとキアラ姫は触ったりしていた。
お風呂場に女子二人なので、問題はなかった。
勢い余ってフェンリルの尻尾を掴んだ時に、助けてと言ってしまう。
フェンリル最大の弱点でもあった。
◇バスルーム
「助けに来た。何かあったか?」
助けてという声を風呂場から聞いた俺。
まるで悪気はない顔。
本人は、心配で来たつもりですが。
普通は、助けに行ったらダメなパターンか。
しかし俺は、そこまで考えていないで入る。
「あっ、ちょっとタケダ様……入っちゃダメですよ!」
「そうですよ、今は女子風呂ですからね!」
直ぐに注意されてしまった。
㊚なのだからと、注意される。
注意じゃ済まないのが現実だ。
女子の風呂に入るのは、男子は禁止行為だからだ。
「助けてと言ったろ。それに一緒に入った方が効率的だ。お風呂に入る時間が半分になる」
言い訳になっていないか。
俺の中では、ちゃんと理由づけされているからいいのだろう。
と言いながらも、湯船につかる。
キアラとフェンリルの間に。
「そんなのおかしい。タケダ様の屁理屈です!」
俺のセリフはいつも屁理屈かもな。
「時間が半分になると、農作業にも使える時間が増える。一石二鳥だ」
ここでも農民流の言い分を使う。
二鳥の意味がわかればの話だった。
「ご主人様、ミノタウロスが現れなくてよかったですね。魔王の祝祭は今後も起こるでしょう。その時にミノタウロスが居る可能性がある」
実際は死んだ。
モチに包まれたまま死ぬまで動けないのだが、そこはタケダもフェンリルも知らないまま。
「俺はミノタウロスだろうとなんだろうと、変わりはない。いつでも戦う。しかし本当に祝祭だったのか。あまりにも手応えがなかったな」
それは俺が強すぎするからか、気のせいか。
「あんなやり方はルール違反ですよ、いくらモチを使うといえ、モチで埋めるて。ダンジョンは単なる落とし穴程度てことですもん!」
「ああ〜〜あついなぁ〜」
キアラが長く入っていたからか、のぼせたようだった。
「私も長湯をした」
「そうか、一緒に出よう。その方が二倍速い」
「きゃあっ」
「ご主人様っ」
「楽でいいだろ」
「いやぁ〜〜〜」
「降ろして〜〜〜〜」
俺は出たいと言われたと聞こえた。
そこで二人の女子を両手で抱っこして持ち上げた。
素っ裸のままだ。
湯から出された女子二人は、手足をバタバタ。
抱っこしたまま、お風呂場から去った。
時間の節約は農民流であった。
何事も効率よく考える。
農作業では無駄な作業はそれだけ収穫は減るのに繋がる。
◇王都 壊れた家
王都の町はかなり派手にやられていた。
リザードマンが100匹も侵入したのが原因だ。
暴れに暴れたわけだ。
魔物が暴れたら、被害は酷くなる。
家は壊されていた。
それもめちゃめちゃに。
道路も所々に穴がある。
破壊された家に住む人は、住所がなくなり、困っていた。
復興は国がお金を出すが、住めるまでは時間がかかるのは仕方ない。
「ご主人様、王都の町の被害は大きい。これでは住むのに住めない。どうにかしてあげないと困るのでは」
「このままだと厳しいな。俺が力になろう」
「さすがご主人様です」
力になると言った。
「家が無くて困っていますか?」
そこで困ってそうな人に話しかける。
「もう絶望です。明日からどうして生きていけるか……」
「私の家も同じ。家が無くてどうやって生きていくの……」
大変に困った顔で俺に言った。
壊れた家は一、二軒ではなかった。
王都全体で数十、それ以上にも及ぶ家が住めない状態になった。
あちこちで泣く声もある。
キアラはその泣き顔を見ていた。
「タケダ様、みんな家が壊れて泣いています。私も胸が痛いです」
「どれ、胸のどこらへんが痛い」
「きゃあ〜〜タケダ様……どこを触るのです!」
胸が痛いと聞いた俺は、痛いのかとキアラのたわわな巨乳を平気で撫でた。
突然に胸を撫でられたから大声を出した。
その後に、手の感触にタジタジとなった。
顔はみるみる間に赤くなる。
キアラは触られると直ぐに赤くなる。
「胸が痛いのだろ。どこなのか触らないとわからないだろう」
「違います、心が痛むのですよ!」
「心がか。それでは触ってもわからないな」
「当然です、話の流れから分かりそうなもの、ご主人様!」
「わからなかった」
「もう〜タケダ様ったら……今回は許してあげます!」
わかっていて触ったのでなく、本当に心配して触るのも農民流としておく。
痴漢行為で逮捕されてもおかしくない。
だが俺ならば許したキアラ。
「ダメだ……この人では家は修復できないな……」
「無理そうだわ……期待した私が悪かったわ……」
家のない人は、がく然となる。
今のキアラとのやり取りから、この人では無理だと。
期待した方が悪かったと。
残念に思われる俺であった。
しかし、そう思った人は、まだ俺の本性を知らない。
まだ知らないから残念に思った。
「家が壊された皆さん、大丈夫です、俺が修復します」
「無理ですよ!」
「アイテムボックス、モチハウス」
家が壊された人々は失望しかかる。
わかっていない。
俺が始めるコメ農家によるコメの大修復ショーを始めると。
王都の町の修復をかけて、今から、世紀の修復ショーが始まる。
見学者はその修復ショーの目撃者となる。
使ったことのあるモチハウスを使用した。
モチを壊れた家に向けて投げる。
レンガみたいな形をしていた。
そのモチが壊された部分に当たり粘着から並べられる。
壊された部分は、次々とモチが積まれていき、壁のようになる。
すると家は完全に修復されてしまった。
モチのレンガが壊された部分にだけ集まり、修復させたのだ。
「凄い、どうやって修復したのか!」
「私の家が元に戻ったわ!」
さらにモチハウスを続行。
壊された家に向かって連投しまくり。
面白いように修復されていった。
「おお、俺の家もだ!」
「凄いぞ!」
その勢いのまま、王都の壊された家全てにモチハウスを連投した。
とにかく投げる。
壊された家があるなら、これでもかと投げるとした。
みんな初めて見る光景に、何をしているのかと思うだろう。
頭がおかしいのかと。
モチで家を修復する。
人々の中には信じられない発想である。
ありきたりな食料品のコメである。
それが家に変化した。
まさに奇跡だった。
奇跡の大修復ショーだった。
あっという間に全ての家が修復された。
建築し直したら、何ヶ月も何年もかかる大作業。
それを修復ショーならば、ものの十分足らずで終了。
いくらなんでも十分は異常な速さだ。
「終了だ。王都は修復した」
「ありがとう!」
「ありがとうございますタケダ!」
「俺は農民だ。農民は偉大だ」
「おお〜〜農民!農民!」
「農民に感謝するぞ!」
俺の大活躍に農民コールが。
王都に農民コールが起きた。
農民の価値をあげたい俺は自然と笑顔になる。
「タケダ様、みんな泣いていたのが嘘のよう。笑顔になってます」
「良かったな」
「ご主人様のモチは限界はないのでしょうか。もう不可能はなく思えます!」
「モチに限界はない。コメが偉大だからだ」
「コメが偉大なのは、このフェンリルは勉強しました」
王都の修復をモチで、あっさりと終了。
町の人からは感謝されてしまう。
◇王都 門
セレスタ国での祝祭を最低限の犠牲者で終わらせ帰るとなった。
緊急クエストを農民流で片付けられたのは良かった。
来た国はムイト国であった。
「ムイト国に帰るとして、タケダ様の名前はセレスタ国では有名になりました。世界各国が注目するに値する」
セレスタ国以外にも、複数の国がある。
中小国も多くあり、いちやく有名人になるだろうと言われたが、迷惑なのもある。
「別に有名にはなりたいとは思わない」
「なってしまいます、リザードマンは撃ちまくる。ダンジョンは埋め立てる。世界各国は衝撃を受けます」
「ご主人様が農民を有名にしたいなら、それは良いことですよ」
「農民が有名になるか。有名になるのも悪くはないのか」
自分は有名である必要はないが、農民の名前が有名になるのは嬉しく思う。
それだけ農民が無名なのだと等しい。
世界のどこも農民は厳しい環境に置かれていたからだ。
生きていくのに精一杯なのが農民。
その後は、ムイト国に帰るとした。
「帰りはモチジェットですよね」
「良くわかっているな。ジェットが一番速い。速ければその分、農作業ができる時間が増える。つまりは二倍農作業が出来る」
「また二倍!」
あくまで俺は農作業が中心。
かた時も忘れることはない。
もはやマニアのレベルか。
農作業マニア、農民マニア、コメマニアと呼ばれても不思議はない域になった。
「アイテムボックス、モチジェット」
モチジェットの準備は整う。
キアラとフェンリルは同乗した。
「タケダ、どうもありがとう!」
「あれはレーン姫です」
キアラが手を振るレーンを発見した。
「レーン。モチ作りをまた頼む」
「またですか!」
頼んだのはモチ作りのこと。
たくさん作ったから、助かっていたからお礼を。
逆にレーンは体力をめっちゃめっちゃ使った。
もう二度とやりたくないくらいに。
モチジェットは飛行した。
爆発音とともに。
地上に残されたレーンは、ポカンと上空を見ていたので手を振っておく。
◇地上
「あれがモチなのね……凄いですモチ!」
と、モチの凄さを実感し感動していた。
普通はなぜ飛べるのかを突っ込むところだが。
感動するあたりは、レーン姫はモチに影響されていた。
モチの魅力に。




