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『※49話 もう一つのダンジョン』

『※49話 もう一つのダンジョン』



 こうしてダンジョンは埋まり、解決とした。

 勝手に埋めたのは、後から許可を取るとした。

 たぶん大丈夫だろうと。

 カナロア団長は決して解決したとは認めたくはなかった風ではあるが。


「認めたくないのだ。こんなやり方を認めたら、調査団の立場がない。もうちょい、調査団の気持ちを考えて欲しい」

「団長、俺は今後どう生きたらいいでしょう?」

「大丈夫だ、お前は今まで通りに生きろ」


 こんなこと言わせるのは、ダメだろう。

 安心させるためカナロア団長は言った。

 俺の調査方法に対して自信をなくしたからだった。

 そりゃなくす。

 カナロア団長も自信をなくしそうであるし。

 どんだけ無茶すりゃ気が済むってことだろう。


「団長はなんと報告するのですか?」


 カナロア団長は国王に報告義務があった。

 報告したら国王はびっくりして脳梗塞起こすレベルだ。

 心配した団員が言った。


「ダンジョンは埋めましたと報告する。きっと国王はわかってくれる」

「わかりますかね!」


 あくまでカナロア団長の希望的観測だった、あくまで。

 実際は言ってみた時にわかる。

 それとまだ問題はあった。

 ダンジョンはここだけではないと言うこと。

 カナロア団長が発見したのは埋めた。

 もう一つ、王都にリザードマンを侵入させたのがある。

 それをカナロア団長は、まだ見ていないと聞いた。


「タケダ、実はもう一つダンジョンがあると思っている。俺も確認していないが、俺がここに居るときに、王都にリザードマンが侵入した。つまりらもう一つあることになる。そうじゃないと辻褄が合わない。話していいか悩んだが、話したことで、更なる意味不明のモチが出るのか」

「なるほど、王都に侵入したリザードマンはこのダンジョンから出たのと違うわけか。そしたら案内してくれ。俺も行く」


 この答えは予想通りかもな。

 むしろ行かないと言わないかと、心のどこかで祈っていたかも。


「行くのはいいが、また埋めるのか?」


 一応訊いておいたカナロア。

 

「埋めるのが一番効果的だ。もしかしたら、もう一つの方にミノタウロスが居るかもだ」

「すでに埋めちゃったかもです!」

「ご主人様、ミノタウロスを見逃さないのは大事です。きっともう一つにいますよ」

「カナロア、ダンジョンを探そう」


 ダンジョンがもう一つあるのを探すため、移動した。

 王都からほぼ同じ距離にあった。

 方向が違うだけであった。

 わかりにくい所ではあったが、見つかった。

 

「カナロア団長、発見しました。団長の予想が当たりました」

「やっぱりあったな。悪い方の予感が当たった感じだ」


 探した結果はカナロア団長の予想が的中した。

 ぽっかりと穴が開き、入り口が待っていた。

 

「タケダ様、お願いします」

「わかった」

「モチコンクリートとか言う奴か?」


 念のためカナロア団長が確認をしてくる。

 コンクリートとかやばいからだった。


「よく覚えていたな。モチコンクリートだ。コメは偉大だ」

「覚えていたと言うよりも、忘れられないと言う感じ。頭に鮮明に焼き刻まれた。生涯にわたり、忘れることはないインパクトだった。二度と忘れないって」


 それからモチコンクリートを使用した。

 同じようにモチを投げ入れていき、いっぱいになったところで終わらせた。

 かかった時間が同じだった。


「終わった。かかった時間も同じことから、これも地下100階層になっていたようだ」


 100階層までモチで潰した。

 

「タケダ様……ミノタウロスは居ませんでしたか」

「まぁ、ミノタウロスは居たかもしれないが。出てこなければいいだろう」


 そう言う問題ではないか。

 俺のなかでは終了した。

 

「タケダ様のアイテムボックスにはモチはまだあるの? だってこれだけの、ダンジョンを埋めるとなると、相当の量のモチを入れたでしょ、かなり使ったはずよ」


 とんでもない量である。

 普通に一つの四人家族で食べたら、何十年もかかる量だろう。

 いや、一生かけても食べ切れない量か。

 

「使ったな。またムイト国に帰ってコメを植えて収穫しないといつか足らなくなる。その時はキアラにも手伝ってもらう。夜中まで俺と一緒に体がベトベトの粘着になるまでやる」


 ムイト国の敷地に作った水田のことだった。

 忙しい毎日になるので人出がいる。


「ええっ……夜中まで!」


 キアラは言ってるそばから顔を赤くした。


「このフェンリルも、陰ながら手伝います」

「頼む」

「ああっ……」


 タケダは手伝ってくれると言われた。

 そこでフェンリルの尻尾を掴んだ。

 ありがとうの意味だった。

 フェンリルが尻尾を掴まれると嬉しがるから掴んだ。

 実際は、キアラと同じ真っ赤になった。

 本当なら大変な魔王の祝祭のはずだった。

 セレスタ国は危機に面していたはず。

 それをいとも簡単に解決したのは良しとしたい。

 何の痛みもなくダンジョンを潰したのだし。

 祝祭は小さなお祭りで終わった。






◇王都

 

 王都では、その日の夜は町中で盛大なパーティーが開かれた。

 美人の女性もいっぱいである。

 このパーティーはフーリッシュ国王からの指示であった。

 国王も嬉しい限りだとか。

 魔王の祝祭を乗り越え、祝祭の悪夢から逃れたことに、料理と酒が用意された。

 かんぱーい、と呼びかけ合う声。

 通りに面した飲食店には多くの人が集まっている。

 もうお祭り騒ぎである。

 歩きながら眺める。

 城でも同じようにパーティーが開催された。

 城の方がさらにスーパー豪勢であった。

 俺は、キアラとフェンリルを連れて参加した。

 ちなみにキアラは衣装を借りていた。

 

「タケダ様……私の衣装どうかしら……」


 おっぱいを半分以上みせた服だった。


「衣装だろう。派手だな」

「派手なのは……お好きかな?」


 キアラはまともに俺の顔を見れないで言った。


「俺はキアラの服装は嫌いじゃない。しかし他の男達はキアラをじっと見てる」

「恥ずかしいです。でもタケダ様が見ているなら構いません」


 隣でドレス姿で猛烈に見立っていたキアラ。


「私もおっぱいでは負けてません」

「フェンリルも借りたのか衣装を」


 フェンリルも借りていた。

 同じくらいに胸が露出していた。


「はい、どうかしら……」

「似合っている。でも尻尾が外に出ている。服の中に収納しておく」


 尻尾を掴んでドレスの中に入れた。

 その際に尻尾を強く握る。


「ああっ、ご主人様……そこは」


 フェンリルは人前にも関わらず声を漏らした。

 パーティーには、国王から正式に参加の呼びかけがあった。

 何と言っても今回のパーティーの主役なのだから。

 呼ばれて当然である。

 国王がいる部屋には、わんさか美人がいた。

 どれも華麗なドレスを着ている。

 胸がやたらと持ち上げられていた。

 特に視線は胸にはいかないようにした。

 ドレスの美人のお姉さん方は、俺に視線を送っていた。

 もう普通なら超絶美人のお姉さんを部屋にお持ち帰りとなるのかもしれない状況。

 しかし国王に呼ばれている中もあるし、今後に魔王のペンダントがあるかもと他のことを考えていた。

 今回は上手くいったが、常に上手くいくかと。

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