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『※46話 調査開始』

『※46話 調査開始』





◇ダンジョン 70階層(三人称)


 ミノタウロスは地上に向かって歩行中だった。

 一歩一歩進む、体重がある分、ずしりと地面が窪んだ。

 内部は複雑な構造になったいたが、ミノタウロスは迷うことはない。

 地上を魔王ハデスに捧げることが目的だった。

 それがミノタウロスの喜びであった。

 地下一階層。

 リザードマンが待機していた。

 仲間のリザードマンが帰らないのを不自然とした。

 この時は、警戒し中で待つのが習わしだった。

 剣を持ったまま、ずっと待機した。

 一階層を埋める程の数であった。

 




◇ダンジョン


 カナロアは騎士団に早速ダンジョンの調査を指示する。


「調査を開始た。気をつけて中に入れ。まだリザードマンがいるだろう」

「はい」


 カナロアは調査を指示し、自分も入り口に入る準備をした。

 ダンジョンに入る準備は必要である。

 内部が暗がりの場合は、明るくするアイテムを使用する。

 中で迷わないために地図も書きながら進む。

 迷ったら屍となる。

 地下の階層が深いダンジョンでは、テントも必須だ。

 一日では最下層までたどり着けないからである。

 何日もかけて到着し、地上までも同じ時間がかかる。

 なので、ダンジョンは冒険者にとって上級者向けのクエストといえる。

 初級者には難易度が高く、死ぬ確率も高い。

 あまりおすすめされないのがダンジョンだった。

 

「タケダ様。ダンジョンて怖そう。暗いのでしょ」

「中は暗いのが普通だ。そこに魔物が遅ってくる」

「いやぁ〜」


 キアラは背筋が寒くなって声が出た。

 女の子っぽい、可愛らしい声だった。

 

「フェンリルは慣れているだろう、ダンジョンなら」

「もちろんです。ダンジョンにも暮らしていましたからね。ご主人様に、特にオススメなダンジョンを紹介しますよ」

「別に紹介しなくていい」

「ダンジョン嫌いなのかな」

「好きでも嫌いでもない。そもそもダンジョン好きな奴はいない」

「な〜んだ。ご主人様と世界にあるオススメダンジョン旅行ていいなと思ったのに」


 フェンリルは魔王城にも住んでいた。

 魔王城は城となっているが、実際は地上と地下の複雑な構造だった。

 世界に複雑で難解なダンジョンはいくつかあった。

 世界ダンジョン旅行記。

 秘蔵ダンジョン記。

 これが世界の最悪迷宮。

 などの書籍があるくらい、ダンジョンは奥が深い。

 フェンリルからしたら、休日に仕事を終えたサラリーマンが温泉旅行に行く感覚だった。

 付き合われる方の俺は迷惑がった。

 世界のダンジョンを見てきたが、好きなダンジョンなどなかった。

 あるはずもなかった。

 どんなに勇者が強くても好きにはなれない。

 こればっかりは仕方ない。

 温泉町なら歓迎だ。

 

「どうだ……中の様子は……」


 カナロア団長が先に入った騎士団に言った。

 中は空洞なので声が響いた。


「団長……誰も居ません。静かです」

「俺も降りる」


 カナロアが入り口から入る時だった。

 後ろにいた俺が肩を掴んだ。

 急に肩に手を置かれたため、カナロアは振り向いた。


「タケダ……」

「待て、カナロアは降りなくていい」


 降りる寸前のカナロアを止めて言った。

 なぜ止めたのかとカナロアは納得できなかった。 

 ダンジョンに入ることで調査ができる。

 入らないことには何をしに来たのかわからない。


「中は危険だ。リザードマンががいる可能性が高い。静かなのは罠だろう」

「それを調査しに来たのさ」

「俺が調査する」


 俺はカナロアに代わって調査を志願した。

 危険を感じたのが一番の理由だった。

 ダンジョンが静かなのが、どうも直感に引っかかったのだ。

 根拠はないが、歴戦の経験が止させた。

 ダンジョンの経験値はカナロアの比ではない。

 いくらカナロアが騎士団でも最高の経験を持っていたとしても、止めに入った俺とは差がある。

 埋めることが出来ない程の大きな差がある。

 

「魔物を感じるのか? タケダは農民だが、なぜダンジョンに詳しい。なぜダンジョンの調査ができるのだ。農民がダンジョンに行くことは、ほぼないはずだろう」


 カナロアは農民がダンジョンと無関係だとした。

 俺の過去を、疑う言い方だった。

 普通に考えて農民がダンジョンの調査をすることはないから言ってることは正しい。

 農民は農民である。

 農作業が第一の仕事だから。

 農作業をしないで、ダンジョンへ行っている農民をカナロアは知らないのも納得。

 常識的に農民はダンジョン調査などしていいはずがない。

 

「俺がダンジョンに詳しいのは、書物で読んだ。興味があってダンジョンの攻略本を購入して読んだ。だから知識は覚えただけだ」


 なぜダンジョンに詳しい話かを、攻略本とかその場の適当な嘘をついた。

 俺に攻略本なんて要らない。

 勇者が知ってる知識は、攻略本をはるかに超えた知識だった。

 

「カナロア、タケダ様の言うことを信じて上げて。本当に中に魔物がいたら、騎士団に犠牲者が出ちゃう」

「魔王の祝祭は怖いぞ」


 フェンリルが後から説得させる。

 魔王のペンダントがあった。

 レーンが所有していた。

 どうして王都のアイテム店にあったのかは、不明だった。

 その点については、詳細は調査すると決まった。 

 店主に聞き込みをし、どこから、誰から入手したのかを把握したかった。

 

「…………わかった。調査団を引き返すよう命令する」


 キアラが強く説得したのもあり、カナロアは頷いた。

 魔物がいない保証はない。

 それに魔王のペンダントがある。


「調査団、地上に引き返せ。撤退しろ」

「えっ……わかりました、撤退します」


 カナロアは先に入った調査団に向けて伝えた。

 引き返す伝令だったため、調査団は最初は困惑している。

 すでに、数名が一階層の奥まで進んでいたらしい。

 調査はひとりずつ入り、一階層ごとに危険な魔物がいるかを調査する。

 たまに罠があり、下の階層に落ちるのもあった。

 運が悪い時は、落とし穴の落ちた穴に毒針があり、死亡するケースもあった。

 フロアを歩いて通過するだけで、毒に冒されたり、しびれたり、体力が減少するときもある。

 調査団はかなり危険な仕事を伴う。

 カナロア団長の命令であるので従った。

 ダンジョンから地上に戻る。

 俺が調査する旨を説明した。

 農民の調査がどの程度信頼できるか疑問に思うだろう。

 畑を耕すのとは意味が違う。

 悪ふざけにも程がある。

 農民など信用に足らなかったとみえる。

 世界のどこにも農民がダンジョンを調査した歴史はなかった。

 農民による世界最初の調査となるかもな。

 

「団長、もし手遅れになり、ダンジョン調査に失敗したら?」

「その時は俺が責任を取る」

「えっ! 団長が責任をとると」

「ああ、俺が取る。ここはタケダに調査してもらう、お前らも納得しろ」

「カナロア団長が言うなら信頼します」


 不安はあるが、団長に同意した。

 団長の決意を感じたからだった。






◇ダンジョン一階層(三人称)


 ダンジョンの一階層のフロア。

 複雑に張った迷宮だった。

 内部は多くの壁で仕切られてあった。

 入り口からは見えない位置。

 壁の奥。

 リザードマンが待機していた。

 その数は10匹以上いた。

 息を殺し、人が入るのを待ち構える。

 入ったところを殺す考えだ。

 ダンジョンが生まれた時から、こうして待つ。

 地上で仲間のリザードマンが死んだ。

 戻ってこないのが影響していた。

 地上で悪い事態が起きた。

 タケダが全員を殺したらのだが。

 それをいち早く本能的に察知したのがいた。

 そして残ったリザードマンとダンジョンに残った。

 調査団とリザードマンがあと少しで出会っていた。

 直ぐ手前まで来ていたとこを引き返す。

 タケダの判断が正解だった。

 勇者の経験があったタケダにしか出来ない判断だった。

 とうていカナロアには無理だった。

 しかもミノタウロスも近くにまで迫っていた。

 地下10階層まで到達していた。

 もうすぐ地上である。

 タケダはリザードマンの気配は感じたが、ミノタウロスまでは無理だった。

 さすかの勇者も地下の深いところまでは気配を感じるのは難しい。

 ミノタウロスは歩行し続ける。

 地下から開放された瞬間に、自分を開放して暴れるのが足音から伝わる。

 一階層に居るリザードマンには伝わった。

 ミノタウロスが一階層まで来ると。

 もうすぐミノタウロスが一階層に来るのが。

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