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『※31話 セレスタ国からの依頼』

『※31話 セレスタ国からの依頼』




◇冒険者ギルド(三人称)


 この日はキアラは単独でギルドにやって来ていた。

 目的は魔王のペンダントについての調査。

 これはタケダから頼まれた仕事であり、キアラ姫は定期的にギルドのある掲示板を調べることにしていた。

 受付嬢からも異常な、それまでとはあまりにも違う依頼があるかなどを確認する。

 掲示板を見ていると、特に異変らしい異変の依頼はなかったから、ガイアドラゴンがたまたま現れたのだと信じるとした。

 帰ろうとした時に、受付嬢が掲示板に寄ってきて冒険者が立っているのをかき分けるようにしてきた。

 手にはクエスト依頼書を持つので、キアラ姫は新たな依頼だと注目する。

 受付嬢は通常は掲示板に依頼書を貼ることで、新たなクエストを受け付ける。

 冒険者の中には受付嬢の動きに反応して、直ぐに依頼書を見て受け付ける者も少なくない。

 依頼書によっては最初に受け付けした冒険者で決まる依頼と、何人も受け付け可能な依頼の二種類あり、中にはレアな依頼もあるし、チェックを怠らないのが鉄則であった。

 しかしキアラ姫には受付嬢の顔色が良くない、いつもの笑顔での接客態度が良い印象なので、変だなと感じ何か引っかかるのだった。

 依頼書はやはり直ぐに冒険者が集まる。

 それぞれが一同に集まるからキアラ姫は見るのは難しいのは、体が大きな冒険者が前に立つとキアラ姫には、全く見えなくなった。

 

「なんだ、このクエストは……」

「ミノ、ミノ……」


 キアラ姫の前に陣取った冒険者が、クエストの依頼書を見てるが、あまり良い印象ではない反応だった。

 話し声からして伝わったから、もう少し様子を見てみる。


「ミノタウロスてあるぞ。まさかあのミノタウロスか?」

「しかもセレスタ国てある。隣のセレスタ国へのクエストだ。これは珍しいぞ」


 セレスタ国の名前があったからキアラ姫も知っている国だ。

 セレスタ国は現在いるムイト国に接した隣国。

 面積は大きく人口も多い、そのセレスタ国への依頼クエストだった。

 

「受付嬢、どう言うことか説明をして欲しい」

「説明します。皆さん、このクエストに興味のある方は集まってください。まずこのクエストは隣接国であるセレスタ国から来た依頼でして、セレスタ国にあるダンジョンから魔物が出現。騎士団が向かうもかなりの犠牲者が出たと。そこでセレスタ国側から応援の要請があった。我が国のミネイロ国王は応援に応じる声明を出したしだいです」

「セレスタ国のクエストはわかった。問題はミノタウロスてとこだ。ミノタウロスてあのミノタウロスだよな。Aランク魔物だろう。そんなの倒せるわけないぜ。俺も断る」

「俺もだ。わざわざ死にに行くのはごめんだ」


 冒険者は集まったのはいいが、全員が引き気味に。

 顔面が白くなり、血の気が引いていった。

 身震いしている冒険者もいる。

 Aランク魔物であるミノタウロスの名前。

 このミノタウロスの名前は冒険者経験の浅いキアラ姫ですら知っていた。

 他の冒険者と同じ気持ちになり、足はがくがくと震えて、とても受け付けをしたいとは思わないし、スルーしておくと決めた。


「待ってください。このクエストは超破格の報酬が出ます。よく依頼書をご覧あれ」


 受付嬢が掲示板に貼ってある依頼書を指差して言うと、あきめていた冒険者は再び指された依頼書の報酬額の欄に目を通したら、どよめきが起きる。

 

「おおおお!」

「これは破格の金額だよ!」

「ミノタウロスは怖いけど、この金額の報酬なら考えてもいいかな」

「俺は受けるぜ」


 報酬を見た途端に態度を変える現金な冒険者が現れたら、次々と態度を変えだし、多くの冒険者が受け付けを行った。

 冒険者も生活があるし、有名な冒険者になりたいと欲求があるから、危険な魔物となっても、天秤にかけて、行くのを選択するのも半数はいたから、キアラ姫は信じられなかった。

 

「皆さんありがとうございます。明日にもセレスタ国に向けた馬車の出発があります。よろしく」


 冒険者は笑顔のもの、勇気が湧いてきたもの、険しいもの、色々と人によって様々であった。

 キアラ姫はそこでは受け付けはせずに、タケダに報告をするとした。

 

「キアラ姫も受け付けしますか?」

「もう少し、待ってもらえます」

「はい、今日中にお願い」


 もう少し待ってもらうと約束をし、ギルドから去った。






◇コメ農作地


 俺が農作地でコメの作業をしているところに、報告をしに少し急ぎ足でキアラが来た。

 ランニングでもしているのか。

 コメの農作業をしていた俺は、キアラが胸を揺らして走ってくるから、胸を揺らすのが好きなのだろうと思う。


「大変ですタケダ様〜」

「胸を揺らす訓練か?」

「はい…………ち、違います! どんな訓練! それよりもギルドでクエストが出たのですが、それが今までにない緊急性のあるクエストなの」

「緊急クエストか。詳しく話してくれ」


 それで走っていたようだ。


「ご主人様、ガイアドラゴンの件がある。魔王が関係しているかもしれない」


 キアラはギルドであった説明を詳しく話してくれる。

 ミノタウロスが出たこと、ダンジョンに現れたこと、魔物も出現したことを話した。

 冒険者も参加予定も付け加えて話し、俺は農作業をする手を止める。

 これはヤバイ話だな。

 魔王のペンダントは過去にもあったことはフェンリルから教えられた。

 ペンダントが絡むと高ランク魔物が出現したり、異変が起こるとも聞いた。

 そしてミノタウロスが現れたとキアラから聞いたことで、俺の中で嫌な予感がわき上がってくる。

 ミノタウロスは強力な魔物、それも極めて危険性の高い魔物なのは俺じゃなくても知っているし、低ランクの冒険者がいって対抗出来るとは思えなく、俺が直にギルドに行くのが求められた。

 これは農作業どころじゃないかもな。

 

「ミノタウロスは頭に角が生えた魔物。身長も人より遥かに高い。通常は魔王様の近くにいるでしょう。それが突然にダンジョンに現れたのは不思議です」


 フェンリルが知るミノタウロスについて教えてくれたのは、フェンリルは魔王にもっと近い立場であったからわかる話。

 ミノタウロスの強さを知るから、貴重な情報となった。

 

「ミノタウロスはタケダ様はご存知でしたか?」

「もちろん戦った。その時は倒したが、剣と魔法を駆使して倒した。今はどちらも使えない」

「そしたらタケダ様の身も安全ではないわけだ」

「余計にご主人様が必要となる」

「俺がギルドに行く」


 過去アマルフィ時代にミノタウロスとは一戦交えた記憶はある。

 それは勇者時代であり、現在とは置かれた環境が違い過ぎるから、絶対に勝てるかの断言はここではしなかった。

 それがキアラには不安に思え手仕方なかったらしい。

 勇者時代に勝てたとしても、現在は勝てる保証はないし、他にも魔物が大勢いるとなると苦戦は覚悟だ。

 

「た、た、たタケダ様……胸が苦しい」


 キアラは熱く胸がしめられ、胸を下にして不安を現したのかな?

 それとも胸を揺らす訓練か?


「なんだ、また訓練か」

「違います!」

「胸を揺らすのは、上半身の筋肉を鍛える」

「違う、胸が痛いのです」

「ならば筋肉痛だ。一日置いてから鍛えると良い」

「筋肉痛ではありません!」


 キアラの胸を筋肉痛かもしれない。

 しかしキアラのは痛そうなのは不安から来てるとも取れるから困った。

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