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『※20話 国王に怒られる』

『※20話 国王に怒られる』



◇ムイト国 タケダの家


 夜はキアラとフェンリルに挟まれてベッドで寝る。

 キアラの胸とフェンリルの胸が両腕に押し付けられる形だ。

 朝になり朝ご飯を食べていたところに、扉がノックされる音がし、キアラが扉から声をかける。

 よってキアラはほぼ下着姿に近い。


「どなたです。ここはタケダ様の家ですけど?」

「冒険者ギルドから来ました。タケダさんは居ますか」

「タケダ様は居ます。どうぞ入って」


 冒険者ギルドから来た職員だった。

 なぜ俺の家に?

 それも朝早くに。

 キアラは扉を開いて中に職員を入れる。

 職員はいつも会う受付嬢の女性だった。

 キアラとフェンリルの薄い格好に戸惑う。

 この状況を見たらハーレムしたいたと思われるだろう。


「すみません……お取り込み中?」

「いいや、構わない。俺にギルドの受付けが何か用事とは……」


 何も用事はなく、直ぐには思いつかない。


「はい、アドマイヤ王子とミネイロ国王が冒険者ギルドに来ています。そしてタケダを呼んでいます。普通は考えられませんが、国王が直接ギルドに来ています」

「王子と国王が俺を呼んでいる。理由はわからないが行こう」

「ご主人様、私も行きます」


 冒険者ギルドの受付けからのお願いに応じた俺はフェンリルとキアラを連れて、冒険者ギルドに向かうことにした。

 





◇冒険者ギルド


 ギルドに到着した俺は、ミネイロ国王とアドマイヤ王子が居て挨拶を使用とした時に、逆にミネイロ国王の方から寄ってきた。

 普通ではないな。

 何かあったか?


「た、た、たタケダよ、調査団から聞いた話がある。王都の近くに巨大な農作地が生まれた。それも一夜にして生まれたとある。そして目撃者からの情報でタケダが作っていたとあるが、本当なのか?」


 巨大な農作地の出現に大慌てしていたミネイロ国王に俺は全く動じずにいた。

 あの農地のことか。


「俺が農作地を作った。コメが必要だからだ。それがどうかしたのですか」


 なぜここに呼ばれたのか。

 そんなに問題だったかな。


「どうもこうもない。勝手に許可もなくあの様な超巨大なな農作地を作っていいはずかないのです!」


 ミネイロ国王を割って入ってきたアドマイヤ王子が怒り気味に俺に言いつける。

 怒っていた。

 やはり国王側には通達しておいたら良かったか。

 その慌てようにはギルドにいた冒険者も緊張した。


「そうでしたか。許可は取ってませんでしたが、何もない敷地だったもので、利用したのです」

「びっくりしたのだぞ、常識的に考えて一日にしてあれだけの農作地に作れる技術などあり得ないのだ。敵国の何か意図があってしたのか、または魔族の攻撃なのかと心配したのだ。まぁタケダの作ったのだとわかれば問題はないのだな」


 今度はミネイロ国王が説教するように言った。

 もの凄い慌てようだった。

 俺が犯人だと判明して安心もしていた。


「攻撃などしません。コメを収穫するだけです。コメ農地です。報告が遅れて申し訳ありません」

「わかった、タケダの能力には驚くしかないが、もし敵にしたら恐ろしい存在だ。今度からは謹んで行動して欲しい」

「タケダ様はムイト国に攻撃する意志はない農民。コメを作るだけでした」


 キアラが俺を弁護してくれる。

 俺だと判明して安心したミネイロ国王とアドマイヤ王子はギルドを去った。


「タケダはFランクなのだろ、超人だよな」

「農民タケダは、国家の騎士団が相手でも歯が立たないぜ!」


 去った後に残された冒険者たちは、農民の出来る範囲を超えてる農作地の大きさに驚くしかなかったようだ。



「国王と王子をも慌てさせるタケダに冒険者ギルドも、本当にこのままタケダをFランクにしておくべきか検討中です。ランクは直ぐに上げることはなく、ある一定の期間を置いて、上のランクにしても大丈夫だと判断された場合のみ、ランクアップされるもの。タケダがFランクに判定されてまだ僅かの期間しかたっておらず、ランクアップするのは異例となるのでまだ検討中となります。要は、タケダが規格外というわけです」


 受付嬢はギルドが俺の存在に戸惑っている旨を長々と説明した。

 別に俺はFランクのままで構わないのだが。

 

「ご主人様、何の許可もなく農作地を作ったのは不味かったですね」

「こんな大事になるとは思わなかった」


 大事になって気づいたフェンリルも反省する。

 

「タケダ様は、普通ではないのですから、目立たないようにしましょう」

「目立つつもりはなかった」


 キアラはさすがに国王が動くとなると大変な騒ぎだとわかったので、俺には自制するように話した。

 たぶん俺があまり反省していないようにも思えたからかも。





 ミネイロ国王が去り、冒険者ギルドはまたいつもの活気ある場を取り戻した。

 冒険者は掲示板に貼ってあるクエストを探し、仲間を集めたりしていた。

 むろん俺に声をかけて仲間に誘う冒険者は誰もいなかった。

 

「タケダ、実はある依頼があるのですが、聞いてもらえますか?」


 と思ったていたところに受付嬢が直接来てお願いする風にした。

 俺は話を聞くので振り向いた。


「依頼とはなんです。農民にも出来るのなら聞きます」


 依頼がされるのか。

 受付けは険しい顔であった。


「依頼は我が国内での件でして、スカイ町という町があります。町は大きな山で覆われています。その山ががけ崩れが起きて、町の家の多くが潰れてしまった。しかもがけ崩れは続けて起きていて、まだ起きそうだと。そこで王都の冒険者ギルドにスカイ町から依頼があったのです。手助け出来る冒険者はいるかとなった。現在はトニック、ダイア、スマッシュの三名が受けてくれました。ぜひともタケダも協力をお願いします」


 受付嬢から聞かされた依頼の内容は、がけ崩れが連続で起きているとの内容。

 まだ続けて崩れそうたから、手助けしてとの内容を聞いた。

 農民とは無関係ではないが、困っているなら手助けしたいと思う。


「がけ崩れだったら大変タケダ様」

「がけ崩れか。農民の俺なら手助け出来るかもだ。依頼を受ける」

「本当ですか、ありがとうございます。実は皆さんに依頼したのですが、断られました。がけ崩れは危ないからと……」


 依頼を受けると受付嬢は嬉しそうにした。

 ギルドにいる冒険者全員に依頼を話したところ、ほとんどの冒険者に拒否されたからとか。

 がけ崩れは人気ないらしい。

 危ないのに報酬が低いのもあるのだろう。

 魔物を倒すのなら引き受けるが、がけ崩れを手助けすふとなると話は別になるのが拒否された原因だった。


「タケダ、俺も行く。フェンリルを倒したのは認めるが、がけ崩れは別の次元だ。俺がリーダー役をやるからな」


 トニックが来て、俺に対して忠告してくる。

 偉そうな態度は変わらない。

 しかも自分がリーダーだと決めてしまう。

 勝手に決めるあたりはトニックらしい。

 隣にいたダイアとスマッシュも否定しなかった。


「リーダーしたければやればいい。俺はリーダーではない、ただの農民だ」

「農民タケダでも今度は無理だろう。フェンリル戦はまぐれよ」

「ご主人様は何でも可能です。神です!」

「あははは、神だって、笑える。農民が神になれるの」

「神です!」


 ダイアはフェンリルの言った神だと言ったことに笑いで答える。

 他にもいた冒険者達も少なからず笑いが起こったから、フェンリルはムッときた。

 

「魔王の獣を連れて依頼を受ける気か。それよりも食いもんくれ」

「大事な話の時に食っているし!」


 明らかに不満な顔のスマッシュもいた。

 彼は両手に肉を持ちながら言ったところをキアラに見つかる。

 また肉を食っている。

 胃が大きいのか。

 

「当然だ、フェンリルは連れて行く」

「急いで出発の準備をさせます、馬車の用意はします」


 受付嬢は至急なクエストなので、スカイ町までの距離を馬車で移動してもらうための手配を開始したと。

 俺は受付けの考えとは違っていた。

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