『119話 モチジェットを改良』
『119話 モチジェットを改良』
「ああ、疲れたのです。もう作れない」
「レーンは良く作りましたよ」
「寝たい」
疲れたらしい、あくびをしたレーン。
「モチハウスで寝たらいい」
「モチハウスとは?」
「シルフは知らないか。私達が住んでいる家のことで、タケダ様のアイテムボックスにあるの。タケダ様、モチハウスを」
「はい、アイテムボックス、モチハウス」
ギルド本部の外に出る。
外の横に空いてる地があったから、そこに出すとし、キアラに促されてモチハウスを取り出すとシルフはまたもびっくりしている。
「家まで出せるの。すごい人ですマスターは……」
「タケダ様。人数が増えたから部屋が狭いですわ。みんなが宿泊できないと思う」
「いつも一緒に宿泊しているのかお前たちは」
「そうよ。シオンも仲間に入るのだから、お願いしたらいい」
「ハーレム好きか、結局は女の体が好きか」
「いいえ、タケダ様は他のハーレム男とは違います」
「そうです。ベトベトにさせるのが好きなハーレム好きだ」
それは俺を余計に変態扱いしていないか。
「お断りする」
シオンは俺をハーレム好きとか言い、嫌った目で見てきた。
キアラから要請があり、いつものモチハウスを拡張をお願いしてきたから、拡張をしたいと思う。
拡張をするのは問題ない。
モチで部屋を作り直せばいいのである。
「アイテムボックス、モチハウス」
アイテムボックスからモチをレンガの大きさ、長方形をしたのを大量に出した。
その長方形のモチを家に投げる。
モチは家に合体していき、より大きな家へと形が変化していく。
大量にあったレンガ風のモチは全て積まれていき、全てが家になった。
「ええっ、どうなってるの?」
「家が大きくなった」
「モチを追加して大きくしたのですかタケダ様」
「そうだな。拡張をした。中に入ってみたらわかる」
まだ疑っているシオンやシルフ。
彼女らを扉から中へ。
「ちゃんと部屋になっている!」
「合体していき、中も一つの家に変化している。お前はマジシャンか?」
「マジシャンではない。コメの力だ。コメにある潜在的能力。俺はそこを少しだけ利用させてもらったのだ」
「タケダ様は、モチ作りで疲れましたから、寝たいです」
「そうだな、今日は休もうか。朝になったら出発する予定」
俺はベッドに行き横になる。
明日のことが気になっていた。
トカゲ人の謎だった。
なぜトカゲ人がダイズを買うのを止めたのかだ。
考えてみても理由は思いつかないでいると、キアラは俺のベッドにいた。
「ちょっと待て。いつもこうして寝ているのかい」
「レーンも来たらいい。タケダ様はなにもしないわよ」
「そう言う問題じゃない。少なくとも私は姫なのだ。それ相応の対応をするのが礼儀です」
レーンは自分専用のベッドがないのを不満だったらしい。
顔を赤くして怒っている。
姫が農民と寝るのは間違いと言う。
「シルフはどうしたらいいの?」
「シルフはここに来なさい。俺の横でいい」
「はい。横になる」
シルフは困っていたから、俺の横でいいだろう。
素直に横に来たあたりは姫でないので扱いやすい。
「レーンとエナジーとシオンは横にあるベッドで寝たらいいさ」
「三人で一つになるのか。狭いが仕方ない」
「こんな狭いベッドは初めてだ。あり得ない。モチで作れ」
シオンだけは文句を言った。
さすがはハクサン国の姫。
絶対に庶民的なベッドでは満足しないてわけだった。
しかし俺は作るつもりはなかった。
みんな仲良くしたらいい感じだからだ。
「仲良く寝たらいい」
「そうですよシオン」
「ふんっ、我慢するか」
「ほらっ、無駄口叩かずに寝なさいよ」
「ああっ!」
フェンリルがシオンの後ろにいた。
背中を押したら、シオンは受け身が取れずにバランスを崩した。
「危ない!」
「シオン!」
「うわあああー」
「……………」
シオンは結局倒れてしまい俺のベッドに。
倒れた先は俺の顔面の上であり、呼吸が出来ない。
シオンの手の平よりも大きな胸が顔面に落下した。
しかも倒れるさいにレーンとエナジーも道連れにしたため、レーンの胸とエナジーの胸も顔面へと。
合計で六個の山が俺の顔面にあった。
「苦しいのだが……」
レーンとエナジーは私は悪くないと言い訳していた。
隣で見ているキアラは、
「タケダ様、ベッドを追加して作るしかないかもよ」
「そのようだな」
モチハウスが狭くなったため、モチを追加し拡張をした。
部屋数は増えて、色々と便利になった。
モチを作る作業専用の部屋も確保した。
今までよりもモチ作りに集中し、はかどるのを期待したいと思うも、今日の感じでは作る速度は期待できなかった。
シルフは疲れたのか、スヤスヤと眠りに入る。
なんだかんだ言っていたシオンも寝ていた。
慣れない作業で神経を使ったからだろう。
◇王都
翌朝になるとハウスでベッドにいる俺は、見動き出来ないほどに囲まれていた。
いつもと違うのは、レーン、エナジー、シオン、シルフが加わったことだろう。
ベッドを大きくしないと全員を収容するのは困難である。
みんなが起きたところで、依頼でもあるトカゲ人の国に行くとする。
「今日はトカゲ人の国に行く。みんな行くんだ」
「トカゲ人の国に行くとしてだ、タケダは場所を知っているのかな。知らなければ行けない。まさか場所を知らずに言ったとか」
「レーンはわかるか?」
俺は知っている。
勇者をしていた時に寄ったことはあるし、ここからの場所もある程度はわかる。
「国の隣である。しかし高い絶壁に守られているから、あまり交流はなかった」
レーンのセレスタ国とは交流なしか。
「うちのガーネット国は多少だろう。そもそもトカゲ人は独立国であるが、他国とは争わないと聞いた。だから国のなかで何我起きたか隣国には情報が来ないと思う」
「ガーネット国も交流はあまりないか。エナジーは行ったことは?」
「はい。興味はある。ぜひとも行きたい」
「誰も行ったことがないか」
「私には訊かないのか」
「シオンはないだろう思ったから訊かなかったが」
「シオンがトカゲ人の国に行ってたなんて知らないわね私は」
妹のキアラは行ってなくてシオンも行ってたらしい。
「行ってない」
「なんだ、行ってないのなら、思わせぶりしないでよ」
「キアラが勝手に思い込んだのでしょ」
シオンは行ってなかったようだ。
キアラの勘違いであるが、俺も騙された。
こうなると知っているのは俺だけとなった。
出発はモチジェットを使用するが、人数は多いのが気になる。
「ご主人様、移動はどうなさいます。トカゲ人の国に行くにはモチジェットですか。かなり人数的に厳しいかと」
「俺も思った。アイテムボックス、モチジェット。モチジェットは今のままでは定員オーバーだな」
ハウスの外にモチジェットを出すと、人数は乗り切れない感じだった。
「また私を裸にする気なら遠慮したい」
「大丈夫よエナジー、タケダ様はそんな趣味はないですから」
「だが、キアラは毎日一緒に寝かせられているのは見た。怪しい」
ガーネット国からエナジーを連れてくる際に風呂にいたから、裸のまま連れてきたのを、いまだにトラウマになっているようだ。
「ご主人様は裸にするほど変態じゃない、しかし体をベトベトにさせる趣味はある」
「もっと問題だ。昨日は実際にベトベトになったから事実だ」
「エナジー、趣味ではない、仕事だからな。俺を変な目で見てはいけない」
あくまでモチ作りは仕事であるから。
「エナジーを納得させるなら、早くモチジェットを拡張して欲しい。安心できる設計に」
「わかった。アイテムボックス、モチ」
レーンからの催促で俺はモチを取り出すとモチジェットの方に連続して投げた。
モチジェットは現在は四人乗りが定員だったため、座席を増やしたい。
その為にもジェット自体の大きさも広げる。
大型の乗り物にモチで作り上げた。
しかし全長や重量を増やした分は、動かして飛行させる動力も増える。
もともと動力はあり過ぎた感じはあるが、よりパワーアップしておこう。
動力部分のモチが発射されて推進する力を増大にする。
これで飛行は安定して行けるだろう。




