『117話 ギルド設立を報告』
『117話 ギルド設立を報告』
◇王都 冒険者ギルド
会議を終えた俺は冒険者ギルドにいた。
行った理由はモーリスについてだ。
俺は奴を知らないが、冒険者ギルドなら色々と情報を教えてくれると思った。
シルフを残してみんなでギルドにいるので、視線を集めることにはなった。
「タケダ様。ギルドにはクエストをしに来たの?」
「違うんだ。モーリスについて情報を得たかった。モーリスはどこかにいるし、農民を狙っている」
「野放しにしているのは危険ですね」
受付嬢を探して相談にのってもらうとしたところ、受付嬢は俺の顔を見ると、
「タケダ、ギルドにようこそ」
「今日はクエストではなく、話をしに来た。最初に俺はギルドを設立した」
「ええっ? ギルドを……個人で設立できる物ではないと思いますが」
「そうらしいが、俺は農民ギルドという農民を支援していくギルドを設立し、ギルドマスターとなった。ここにいるキアラ達彼女もギルドに関わるメンバー土する」
「ええっ、農民を支援するギルド。聞いたことありません。しかしタケダの今までの活躍で何度も国は救われましたので、楽しみですね」
「ありがとう。それと農民狩りについて聞きたい。知ってるかい?」
冒険者ギルドなら、俺よりも知っていると思い訊いた。
「農民狩りについては、深刻な問題と思っているの。冒険者ギルドも対応中。冒険者から金品を取る盗賊は昔からいますが、特に農民を狙っている盗賊団を農民狩りと呼んでいます。タケダにとっては耳が痛いでしょう」
「痛い。俺はその農民狩りの一派であるモーリスを追っていて、冒険者ギルドに情報がないかと思ったのですが」
俺がモーリスの名前を出したら、受付嬢の顔色に変化があった。
「モーリス……農民狩り……あまり関わらない方が見のためですよ。これはタケダの為を思って言いますけど、モーリスとその盗賊団は関わった者はみんなひどいことになっている。モーリスを馬鹿にして捕まえに行った冒険者は行ったまま帰りませんし、帰ったとしても、モーリスの名前を絶対に口にしません。禁句です」
受付嬢の口からもモーリスの名が出ると、ギルド内にいる冒険者達は、掲示板から俺の方に注目していた。
そしてその顔色は真っ青になっていたのが確認できた。
顔色から受付嬢の言ってる話は当たっているようだ。
モーリスはムイト国にも足をつけていた。
この国の農民も犠牲となったとなる。
「受付嬢さん、それなら心配要りません。タケダ様はすでにモーリスと戦ってますし、モーリスはタケダ様を怖がり逃げました」
「嘘っ!」
「嘘ではないのです。ハクサン国で実際にあった実話です」
「モーリスと戦って生きているなんて、さすがにタケダとしか言いようがない」
「モーリスは初めから逃亡する予定だったけどな。逃亡してから追いかけてはいない、モーリスの居場所はわかるかい?」
俺は怖がる受付嬢に率直に言った。
「わかりません。ハクサン国に出現したのも把握してませんし、今後は情報を集めるようします」
「我が国にいるかもな。許せぬ、私を拉致して体を狙っていたかもしれないからだ」
「あなたはシオン姫。どうしてここに?」
「シオンはタケダ様の農民ギルド、ハクサン国支部マスターに任命されたの」
「言っておくが、私はタケダに屈服したわけじゃないからな」
「まさかハクサン国の姫を支部マスターに。国王が認めたなのでしょうし、タケダの貢献があったからですかね」
受付嬢は国王に認められたと思ったらしいが、まだ伝えていない。
「私とエナジーもお忘れなく受付嬢さん」
「ええっ、まさかレーン姫にエナジー姫も!」
「タケダが任命した。今後はセレスタ国の支部マスターとなる。ムイト国に世話になる」
「はい……」
受付嬢は三人の姫をマスターにした俺をハーレム男みたいに見ていた。
「タケダ、三人の姫を囲い込み何を企んでいるんだ?」
「……トニックか」
「ご主人様は農民ギルドを設立しました農民狩りも成敗する予定」
「農民ギルドとかタケダらしいな。他の人は誰も考えもしないから」
「褒めてくれてありがとう」
「褒めてないぞ」
俺はてっきり褒められたと思ったが、トニックは違ったらしい。
「しかし農民狩りは面倒だよ。盗賊団は世の中に数え切れないほど居る。中でもモーリスは厄介だよ。痛い目にあうのがオチだから、タケダも手を引きな」
「ダイアはモーリスと会ったのか?」
トニックと一緒にダイアもいた。
ちなみにスマッシュもいるが、やはり両手に食い物だった。
「会った、ムイト国で」
「詳しく教えてくれ」
トニックは横に置いてダイアと会話。
会ったことがあるらしい。
「ギルドでクエストになったもので、盗賊団に懸賞金がついた。それがモーリスの盗賊団だった。冒険者はみんな応募したわ。高額が入るからね。でもあっさりと冒険者は手を引いたのよ、それはモーリスと関わるのには金額の問題じゃないとわかったから」
「逆にモーリスに金を奪われたのだな」
「当たり。みんな持ち金を取られたの。それでもう二度とモーリスには手を堕さないて言ってる。私は取られる前に手を引いたんだけどね」
やはりモーリスは他でも金を。
「今居る所はわかるか?」
「モーリスの居場所は不明だわね残念ながら」
「ありがとうダイア」
今もどこかに居て企みを練っているのだろう。
「気をつけな、モーリスはただの盗賊じゃない」
「わかっている」
「タケダとモーリスか。面白い争いになるな」
「面白がるな」
トニックは俺を見て笑う。
「お前は必ず騒動になるからだよ。今までも、行くところ魔王の祝祭だったしな」
確かに魔王の祝祭に当たるのは間違いではない。
「モーリスに会ったらトニックが大金持ちで、いつも大金を持ち歩いているらしいぜと伝えておくが」
「おいっ、モーリスに言うのは無しだろ」
「怖いのか」
「うるせぇ」
「あの〜タケダ、モチをくれ。腹減ってる〜」
スマッシュが会話の途中でモチを求めてくる。
「ない」
俺はきっぱりと断ったら、キアラに泣きつくようにした。
「嘘だ、アイテムボックスにモチがあるのは知ってる、出してくれ〜モチ美味い!」
「もう両手に食い物持っているじゃない!」
「それなら食べちゃう!」
両手に持っていたのを一口で口の中に。
「どれだけ食い意地なの!」
キアラはスマッシュの大食いにあっけに取られていた。
スマッシュとトニックは別にして、ダイアは俺に注意をしてくれる。
戦った経験のある俺にはわかっていた。
魔法の能力は高いのは受けてわかるし、だからこそ居場所を知り早く見つけなければと思った。