『113話 ゴーレム魔法』
『113話 ゴーレム魔法』
「俺の土魔法ゴーレムの前にモチ、コメなど効くと思うな。さぁ生意気な農民を潰せゴーレムよ」
「ご主人様、モーリスがゴーレムに抱えられて逃げます。シオンとアルサもです。私がモーリスを追いますか」
モーリスは数体のゴーレム一体の腕に抱えられていた。
そしてアルサとシオンも一緒にいて、拘束それたままだ。
このままでは二人とも連れて行かれるので、俺は防ぐ一手だ。
「フェンリル、二人は俺が奪い返す。ゴーレムの相手をしてやってくれ」
「わかりました。なるべくゴーレムは私の方に意識させます」
フェンリルにゴーレムは任せて俺はモーリスへと集中した。
ゴーレムは俺とフェンリルに腕を振り回してくる。
周囲の河原をめちゃめちゃに破壊していて、俺は避けていた。
他の盗賊団の姿もないのはさすがか。
盗賊団らしい素早さであった。
「タケダ! 早く助けろ!」
「タケダ、数体の巨体ゴーレムを前にして何も出来ないようだな。俺を追っては来れないだろう。しばらくそこでゴーレムと戦っていろ」
俺を馬鹿にしながらゴーレムで俺から遠ざかる。
俺がそう簡単に逃がすと思ったのなら、俺を甘く見過ぎだろう。
農民の底力をみせる。
「アイテムボックス、モチゴム」
「またコメか。この距離で何がしたい。意味のない無駄な攻撃だ」
余裕を出して遠ざかるモーリスのゴーレム。
俺はアイテムボックスから、モチゴムを準備。
モチゴムは柔らかめに作ってあり、伸縮性を持つ。
長距離まで伸ばし、伸縮させられるのが特徴であった。
モーリスを抱えて歩行していくゴーレムにモチゴムを投げる。
モチゴムは俺の手から伸びていく。
かなりの距離になったがモチゴムの範囲内と思える。
ゴムが伸びていくとモーリスは異変に気づいたらしい。
「伸びてきた! こ、ここまで届くのか。まさかっ」
「あああっ」
「何これ!」
モチゴムはモーリスの近くまで伸びるとシオンとアルサの体に密着した。
密着した時には、遅い。
モチゴムを今度は逆に縮ませる。
一気に縮ませてシオンとアルサをモーリスから離した。
「あの距離から二人を取り戻せるのか……」
悔しがるモーリス。
モーリスから取り戻した。
「モーリス、コメを甘く見たな」
「タケダ……覚えておけ」
「お前も覚えておけ。農民は偉大だってことを」
モーリスは一体のゴーレムに乗ったまま川の上流に消えていった。
シオンが裸に近かったまま俺の方に飛んで来るのをキャッチした。
そして同時にアルサも飛んで来る。
アルサもなぜか服を着ていない、下着姿だった。
俺の予測ではモチゴムで無理やり引っ張った時に服が脱げたと思える。
「……苦しい」
俺の顔面は二人の胸に当たっていた。
キャッチしたのはいいが、勢いあまって胸が当たっていた。
「怖かった……けどありがとうタケダ」
「……」
俺は口が胸でふさがり返事はできない。
「離せタケダ、あの乱暴な取り戻し方があるか。そして私を抱きしめるな」
ようやくフタを地面に降ろした。
呼吸をしたら、シオンが怒り出す。
モチゴムの乱暴な取り戻し方に怒っていた。
「あのままモーリスに連れて行かれるよりも増しだろう」
「…………まぁ、それはそうだが」
そこを言われるとおとなしくなった。
「ご主人様、ゴーレムを排除しました。もう大丈夫です」
「上出来だ、フェンリル」
残っていたゴーレムはフェンリルが倒していた。
河原には倒れたゴーレムが複数いた。
「凄いです。タケダだけでなくフェンリルも凄いです!」
「アルサ、無事で好かったね」
アルサとフェンリルは抱き合っていた。
とりあえず俺はアルサが取り戻せたので、申し分はない。
「モーリスは逃がしたが、アルサが帰ってこれて安心した。恐かっただろう」
「はい、モーリス盗賊団と言えば私でも知る、悪名高い盗賊団ですから。でもタケダが来てくれて助かった」
「アルサを渡すわけにはいかなかった。農民狩りを名のるモーリスにだけはな」
「ご主人様、町に帰りましょう、アルサの両親も心配してます」
「帰ろう」
「裸のまま帰らせる気か。この国の姫なのだぞ私は!」
「俺は知らない。自分で探せばいい」
「ううう……」
シオンは服がないまま町に帰ったから、かなり機嫌が悪かった。
◇カンプー町
町に帰った時にアルサの父親のバゲットと母親が待っていた。
娘の命を心配していたからだった。
「アルサ!」
「父さん、母さん。タケダが助けてくれました。もう少しでモーリスに連れて行かれるところだったの」
アルサがモーリスとの戦いを話すと、バゲットは涙を流した。
「ありがとうタケダ。娘を助けてくれて。本当にありがとう」
「アルサが戻って良かった。モーリスは逃げましたが」
「モーリス盗賊団は、ろくでもない奴らだ!」
「農民タケダ!」
「農民タケダありがとう!」
バゲットに話していたところ、町の人が集まっていた。
そして俺の周りを囲み、タケダの名前を連呼した。
「ご主人様、みんな感謝しています。私も嬉しいです」
「タケダ様〜」
フェンリルと居た時にキアラの声がした。
キアラはモチハウスに残してあった。
「キアラか。アルサは取り戻した」
「さすがタケダ様です。みんな喜んでます」
「みんなタケダばかり褒めやがって……」
「シオンは活躍なしなのだから、誰も褒めてません」
「うるさいキアラ、城に連れて帰るわよ!」
「それよりも服を着たらどう?」
「ああっ」
キアラとケンカしたが直ぐに体を隠す。
「タケダ、今日は夜に町で祝賀パーティーをします。主役はタケダだ。参加してください」
「参加します。俺も食事を用意します。同じ農民ですし、俺が作るコメも食べて欲しい。バゲットには取り引きしたキャベツをもらいたい」
「それは楽しみだ。キャベツはいっぱいあるから使っていいぞ」
「タケダ、楽しみにしてます!」
アルサとは笑顔で別れる。
カンプー町の人からこの後は祝福してくれるらしい。
盗賊団に勝った祝賀パーティーだった。
「みんなタケダ様を祝賀したいのです。ありがたく受けましょう」
「そうだな」
「シオン姫もご参加どうぞ」
「参加してやる」
姫らしく上から見線だったが、裸に近い状態では、品格はなかった。
◇祝賀パーティー
パーティーは町の中央にある大きな酒場で行われた。
店内には多くの人が酒を飲んでいて、もう酔っぱらいもいた。
そこへアルサが来た。
「タケダ、パーティーは始まってます。みんなタケダの活躍に感謝して、みんなで用意したの。好きなだけ食べて。キアラとフェンリルも」
「見て見てタケダ様。肉や魚料理がいっぱいある。美味しそう!」
「私は肉料理を食べますよご主人様」
「どうぞ。俺は料理をする」
「タケダ様の料理も食べますよ」
キアラとフェンリルはアルサとお皿に取り、料理を食べていた。
料理は人々が腕によりをかけたらしく、豪華な料理が並ぶ。
とても美味しそうであり、俺も後でいただこうと思う。
「アルサ、料理場を借りたいがいいかな?」
「どうぞ料理場をお使いください」
アルサに許可を取り、料理場を借りることにした。
俺が出きるのはモチを使った料理しかないが、農民である俺からの振る舞いをしたい。




