訪問
あ、いらっしゃい。
どうもどうも、こんばんは?
今の時間は、そうね、こんばんは、かも?
いいお住まいですね、お邪魔します。
そう?ちょっと、趣味が悪いかも、ふふ。
いえいえ、この格子状の小さな枠、結構いい感じですよ?
そう?お上手ね。お茶でもいかが?コーヒー飲めたっけ?
ええ、飲めるんです、しらなかったでしょ。
そうね、あなたがコーヒー飲んでるところ、見たことなかったもの。
こちらではいつも、いただいているんですよ。
知ってるわ、この前訪問させていただいたときに、拝見したもの。
ああ、やっぱりあれは、あなたでしたか。
そうなの、ゴメンネ、勝手に訪問してて。
いえいえ、それだけ僕のこと、気にかけてくれてるって、ことでしょう?
そうね、私、あなたがとても、気になるの。
僕もあなたがとても気になるんですよ。
「だから時折、夢を共有してしまう」
あら、あなた、気付いていたの?
ええ、最近、気が付きました。
じゃあ、もう、隠さなくてもいいかな?
隠す必要は、ないんですよ。
「では、共に、同じ物語を、つむいでいきましょうか。」
ああ、玄関で、猫が鳴いてるわ。
あれはね、僕の自慢の猫なんです。
しっぽがとても長くて、天井に届きそうね。
あれは、何の象徴なんだろう?
わたし知ってるわ、物事が順調な吉夢なのよ。
それじゃあ、この物語は。
「きっと、完成する」
さあ、今から、物語のかけらを集めに行きましょう。
そうだね、ここは、とても広いから。
画面が、変わるわ。
画面が、変わったね。
二人で探さないといけないわ。
二人で探せば、見つかるよ。
たくさんたくさん、集めましょう。
たくさんたくさん、集めたいね。
集めすぎても、いけないわ。
集めすぎたら、迷いが出るから。
「厳選して、組み立てないと。」
ああ、このかけらは、とてもいいと思うわ。
そうだね、このかけらは、最後にもって行きたいな。
最後を飾るのに、とてもいいと思うの。
これはどこがいいと思う?
これは最初に置いたらどうかしら。
うん、それでいこう、いい物語になるね。
あなたがいるから、いい物語になるのよ。
あなたがいるから、いい物語になるんです。
あら、私たち、気が合うのね。
ええ、とても。
そろそろ意識が戻るころね。
もうそんな時間になっていたんだね。
「では、そろそろ目覚めましょう」
夢で共に紡いだ物語。
私、そろそろ、ここで発表しても、いいと思うの。
まだ完成していないけれど。
まもなく完成するから。
あなたはどう?
完成しそう?
どちらが先に、発表できるかしら?
同じタイミングで、同じタイトルで。
発表したいなあって、思っているのよ?