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神様達と憑依の器  作者: Y:U)i
3/14

契約成立

おはようございます。

興味を持ってくださってありがとうございます。

女性に顔を触れてから意識は遠のき、次に意識が戻った時は

暗い部屋に移されていた。


窓も扉も無く、裸の電球が一つ、上から吊り下げられているだけだった。


『ここはいったい...何が起こったんだろう...』


不安になりながらも狭い部屋の中を歩いていると


『出口なんてないわよ、諦めなさい』


病室で聞こえた透き通るような美しい声が、誰もいなかった真後ろから聞こえてきた。


とっさに振り振り向いたが、姿は無く、辺りを見渡していると突然肩に手を置かれ

振り払うように、また後ろを振る向くと目の前には、光り輝くローブの女性が立っていた。


女性は嬉しそうに此方を見ながら


『驚かせてごめんなさいね、ただこれはいつもの癖なの相手の表情が楽しくって...』

『色々混乱していると思うけど、手短に終らせるわ』


右手を何も無い空間に上げたかと思ったら、空間が避けたように開き

羊皮紙と羽ペンを取り出した。


左指でパチッンと指を鳴らすと、目の前に机と椅子が現れ、女性は腰掛け

席に着くよう、促され私も座ったが、女性の表情は変わらず嬉しそうだった。


私は席に着くなり

『あの・・・私は死んでしまったんですか・・・』


自分の生死を確認するのも、可笑しな話だと思いながらも

目の前の女性に問いかけた。


しかし、女性からは予想外の返事がかえってきた。


『いいえ、あなたは生きているわ でもこのままだったら死ぬかもね』

『残念ながら私は生死をつかさどる者ではないの』

『空間を管理する者だから、今回は別件』


女性の発言にますます、状況が理解できなくなり、唖然とした表情で女性を見つめていると


『自己紹介が遅れちゃったけど、私はカールフェルト 空間の女神よ この空間は【裂け目の間】どこにも属さない独立された空間で、私は召還の儀式で結ばれた人、同士を繋ぐ役割があるの』

『今回は若干イレギュラーがあって、急遽あなたになったんだけどね』


発言に不信感を抱きながらも私は説明に、口を挟んだ


『私は契約を結んだ記憶もありませんし、イレギュラーってなんですか』


カールフェルトは羊皮紙とペンを取り出したように、何も無い空間から一冊の本を取り出し机に置いた。

その本には見覚えがあり、私がコンビニで買った【反発する精神】であった。


『この本自体には何の意味も無いわ ただ別の世界で召還の儀式を発動中に、偶然この本が魔方陣の

中に入ってしまい儀式の契約内容が、完遂直前に書き換えられてしまった』


『空間管理者は儀式で、召還対価を払って、召還される対象者、もしくは対象物を移動させる

役割があるの』

『あなたが居る世界は、召還や魔法ってのがすっかり無くなってしまったから、あまりピンと来ないと思うけど』


『さっきも言ったけど今回はイレギュラーだから本来、私が会って話すって事は無いわ』

『急な事だったからとりあえず、あなたをこの空間に連れてきたけど』


『契約は互いの思想が交わり、合意が出来なければ成立はしない』

『若干無理やりだから、今、選択権を与えます』


カールフェルトは羊皮紙とペンを私に差し出し


『ここで契約を結べば貴方を別の世界に移動させる、契約を断ればここの記憶を消して

貴方を元の世界に戻す』


先ほどまで凛とした表情だったが、何かを考えるようにうつむき


『今回はさっきも言ったけどイレギュラー 残念ながらあなた以外の人を探すとなると、一苦労でね』

『私以外の力を持ったものに協力をお願いしないといけない...それはあまりしたくないの』


頭の中でこれまでのやり取りを整理していると病室での言葉を思い出し

目の前の不思議な文字の契約書を見つめながら


『病室で戻ってこれたら、何でも願いをきいてあげるてっ言ってたのは、どういう意味なんですか』


カールフェルトは一瞬微笑み

『よく覚えていたわね、これから説明しようと思ってたから丁度良かったわ』

『今回の召還は限定召還と言って、何かの目的の為に短時間だけ契約を結んで、終ればまた元の世界に戻るって言う契約召還なの』

『だから、今回はイレギュラーで貴方が召還対象になってしまったから、その契約内容を全うして戻ってきたら、褒美に願い事をきいてあげるって事なのよ・・・私に出来る範囲だけどね』


私は苦笑いしながら


『あの...最後すごい気になるんですが』

『でも、このまま元に戻っても死を待つだけだし...』

『そういえば、契約内容っての教えてもらえるんですか、今回どんな内容で召還されたとかって』

『召還されて戦うってのも出来ないですし、痛いのも、ましてや死ぬのも嫌ですし・・・』


私の質問にカールフェルトはゆっくり首を横に振り答えた。

指で一を作り

『ただ、1つ言えるのは痛くも死ぬのもないわ、貴方が上手くやればね』



(益々何をするのかわからなくなってしまった・・。

一か八か死を待つだけってのも嫌だし・・可能性があるなら抗ってみよう!)


先ほどまでの険しい顔は決意と共に晴れ、羊皮紙にサインをした。

その瞬間、カールフェルトは喜びのあまり、両手で祈りのポーズをとり


『契約成立!!』


私が座っていた椅子の真下に穴が空き椅子ごと暗闇に落下した。
















最後まで読んでいただきありがとうございます。

不定期ですがよろしくお願いします。

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