プロローグ
「狼男」という言葉をご存知だろうか。
満月を見ると狼の姿に変身してしまうという、1種の妖怪である。
ここにも、1人の狼男が居た。
とはいえ、実はこの男、満月でなくとも変身するのである。
夜になると狼の姿に変身する、という化け物で、やはりその正体を周囲に隠していた。
どうにも、他にも狼男というものはいるようで、人間同士でコミュニケーションを取るように、狼男、もとい狼人間同士で交流があるようなのだ。
ところで、貴方は「月食」はご存知だろう。
太陽、地球、月がその順に1列に並び、地球の影で月が見えなくなる、というものだ。
しかし、この時、月は真っ暗にはならない。
赤い光は波長が長く、地球の引力で曲がって、月に到達するのだ。
故に、月食の際には月はほんのり赤く見える。
この月食、実は数十年に1度、血のように真っ赤になるという。
果たしてそれが本当なのかは知らないが、彼等━━━狼人間達はこの月を「ブラッドムーン」と呼ぶらしい。
ブラッドムーンの夜、狼人間達は普段より様々な力が増すそうな。
あくまでも、これは逸話…いわば都市伝説に過ぎない。
さてはて、次のブラッドムーンは一体いつなのやら。
「………今宵は良い月だ。」
プロローグ-end-
プロローグを読んで頂き、誠にありがとうございます。
短いプロローグでしたが、次回からストーリーが登場する予定です。
軽いネタバレになるかもしれませんが、タグにもある通り人狼が出てくる話です。
そのため、今後残酷な描写が出るだろう、という事で「残酷な描写あり」のタグを付けさせて頂いております。
ご了承下さい。
では、ここまで読んで頂きありがとうございました。