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音についてのいくつかの話  作者: 西端統宏
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1. 謎の合唱団



学生時代、サークルの練習室で起こった事件である。


蒸し暑く冷房も無いため、窓を開けてバイオリンを弾いていた一人が、女声コーラスが同じパートを歌っているように聞こえると言い出した。霊感の無さには定評のある私にも、幽かにとはいえ聞こえる。ちょっと騒ぎめいてきて、部員が集まる。中にいた霊現象など一切信じない複数人も、緊張した面持ちで確かに聞こえると発言、謎のコーラスの音源は少なくとも室外であることまでは、聞こえた全員が一致。誰かが悪戯しているにしては、合わせが完璧すぎる。深夜でもあり、何人かはさすがに顔色が変わった。


 しかし、その完璧すぎる合わせが解決の糸口になった。あり得ない精度だ。わざと音程をはずしてみたら同じように外れる。これで、広いとは言えない練習室の、ほぼ無秩序でホワイトノイズに近い反響や干渉の中から、それらしく聞こえる音だけを耳が選り分けているということが判ったわけだ。


 ただ、どういうわけか、同じような気温・湿度のはずでも聞こえる夜と聞こえない夜があった。

 現在ではキャンパスが引っ越してしまったため、確認に行けなくなっている。

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