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WORLD END  作者: 河一
第一章 シールドエリア防衛編
2/3

第一話 シールドエリア

第一話です

『まもなく当飛行船は第1シールドエリアへ出発します。』


アナウンスが流れた。


「今日の授業は英語と世界史か・・・」


英語の単語帳を開く。何の変化もない普通の日常。面白くもつまらなくもない日常。だけど僕はこの日常が好きだ。


飛行船が浮いた。この第5シールドエリアから第1シールドエリアまでは大体10分。まあ、10分あれば英単語15個くらいは覚えられるかな。


「よお、駿!!相変わらず朝から勉強か?スゲー!!」


「晃成、ちょっとうるさいぞ。もう少し静かにしないと・・・」


「ちょっとあなたたち!毎朝毎朝うるさいのよ!もう何回注意したと思ってるの?」


はい、来ました七瀬先輩。朝から鬼のような形相で僕たちを叱る。

これがこの僕、宮坂駿の日常。頭はいいくせにとにかくやんちゃな幼馴染、風間晃成と一緒に怒られているこの光景はもはやこの飛行船の名物となっている。


「「すみませんでした。」」


「明日もこの様子だったら、ただじゃおかないわよ。」


この桜田七瀬先輩は僕たちの通う東都高校の生徒会長で、正義感がとても強い。だから高校の評判を下げがちな人は放っとけないんだろう。


『まもなく当飛行船は第1シールドエリアに到着します。ご乗車ありがとうございました。』


「結局今日も英単語1個も覚えられなかったじゃないか。どう責任取ってくれるんだ、晃成?」


「悪い悪い。」


こんなやり取りも日常だ。やれやれ・・・


ふと気になってシールドに目を向ける。

いま眼を赤く光らせる人がシールドのなかにいたように見えた気がした。気のせいか・・・


「駿、どうしたんだ?」


「いや、何でもない。」


「早くいかねーと遅刻するぞ!!」


そう言われて時計をみる。8時25分。やばい、あと5分しかない!!


「晃成、早く行こう!!このままじゃ本当に遅刻する!!!」


「おい、待てよ駿!!俺を置いてくなって!!」







生徒玄関を通り、2年4組の看板が見えた。

何とか間に合った。ああ、疲れた。教室では、みんなの話し声、笑い声が響く。



平和だ。




5年前、謎のウイルスによる世界規模のパンデミック、通称“ワールドエンド”が起こった。ウイルスに感染した人々は細胞が未知の変化をし、理性が崩壊し、眼を赤くひからせて、本能のままに健全な人々に襲いかかり感染を広げていった。僕たちはやつらを“ゼノ”と呼ぶ。感染は爆発的に広がった。生き残った人々は、ゼノによる感染を避けるため、残った科学技術を結集し、感染区域外にシールドを展開して“シールドエリア”と呼ばれる安全に生活できる環境を造った。あれから5年、科学技術はさらに発展して、人々は安全に生活できている。


第1シールドエリアは会社、学校、病院などの施設、第2シールドエリアは科学技術研究所、第3~5シールドエリアは居住エリアとなっている。そして、第6シールドエリアは・・・






『第1シールドエリア内にゼノが侵入、第1シールドエリア内にゼノが侵入。屋外にいる方は至急、屋内に避難してください。なお、WEG隊員は出動し、ゼノの処分をせよ!!』


教室、いや第1シールドエリア内にいる人々全員がざわついた。


「駿!!」


「行こう、晃成!!」


僕たちは駆け出した。ゼノを処分するために。




第二話は土曜日か日曜日に投稿予定です。

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