剣道と私
4月10日〜
神谷愛「おはようございます!おはようございます!」
私は朝の挨拶運動中です。
岡田拳一「しゃーす、おはざーす!」
このやる気のない挨拶運動している男、岡田拳一
私は今この男と。
谷口昂「おはようございます!皆さんおはようございます!」
一人一人丁寧に挨拶をするこの子、谷口昂
この二人はある事件で知り合ってしまった・・・
数日前・・・
神谷愛「私の・・・私の9ヶ月で5時間のスペシャルが・・・はっ!」
ボロボロになった愛スペシャルもとい竹刀を握り締め時間を見る。
神谷愛「いやぁぁ!もう昼じゃない!」
部活の時間を大幅に遅刻だ。
谷口昂「そうなるとやっぱり竹刀の耐久性が問題に・・・」
す、凄い、ノートが2冊書き切れている・・・
神谷愛「あ、君!大丈夫でしたか?」
谷口昂「力加減をすると・・・あ、はい大丈夫です!」
我に帰る2人、手元には 「先輩3人を保健室にヨロ! By岡田拳一!」
っと紙が一枚。
神谷愛&谷口昂「・・・」
2人共さっきとは違う放心。
更にもう一枚の紙、「何かあったら此処に連絡Or訪ねて下さい〜 高等部第6校舎5Fの準備室へ!」
神谷愛「な、な、な、なんですか!これ!」
情報が追いつかない!
谷口昂「あ、あはは・・・なんと言うか、自由ですね。」
よくわからない紙が2枚・・・と、とりあえず。
神谷愛「ぶ、部活に!」
ふと、先輩×3を見る。
後輩をいじめ、私を襲いかかりそうになり、何より竹刀を・・・竹刀を駄目にした人達。
谷口昂「よいしょ・・・っと」
この子、優しい!
散々サンドバッグ状態にされてたのに。
神谷愛「私も手伝います。」
しかし3人もいっぺんには無理です・・・
谷口昂「あ、神谷さん、いいものありましたよ!」
後輩君が台車を倉庫から引き出した。
神谷愛「いいですね、君!えっと・・・」
谷口昂「あ、僕 谷口昂です!」
神谷愛「昂君ね、よろしくお願いします。私は・・・」
谷口昂「神谷愛さんですよね!神谷剣心流の!」
え、もしかして知ってるの?
谷口昂「有名ですよね!神谷剣心流!4代目の神谷愛!幼少から神童と呼ばれて、小学生からずっと大会では負け無し!しかもこの学園にトップ推薦で入園してしかも特待扱いを辞退してる変わり者!髪がは長い黒髪をポニーテールやツインテにしたりしてますが最近はポニーテールにしてます!身長は152センチ体重は4じゅ・・・」
神谷愛「わーわー!そこまでは!そこまででいいです!」
この子、恐ろしい子!
・
・・
・・・
台車に先輩を乗せて一番近い第2校舎の保健室に向かう。
神谷愛「んっんー、いいですか昂君、人様の しかも女の子の情報をあそこまで取るのは感心しませんよ!」
谷口昂「うぅ・・・すみませんでした。」
ガラガラと台車の音に負けるぐらいの声で謝る。
神谷愛「けど、君の夢、素敵だと思います。頑張って下さい!」
谷口昂「は、はい!ありがとうございます!それで、神谷さんの武術、剣道ですよね?」
えぇ、っと相槌をうつ。
谷口昂「やっぱり血のに滲む努力したんですよね。」
私は無言になった。
谷口昂「僕、才能も無いですし、鍛錬しても強くならないですし。」
無言で台車を押す。
才能、努力・・・
谷口昂「神谷さんが才能あって家も道場やってるから嫌でも上手くなりますよね?」
まるで自分に保険を掛けてる様な喋りだ、自分で言ってて男らしく無いな・・・
神谷愛「私は自分に才能あるとは思えません、大会は優勝こそしてますがそれまでいっぱい負けてきました、ただ剣道を大変とも思わなかったです。」
ポツリ っと語り始めた。
神谷愛「何より・・・何より私は剣道が大好きだから・・・」
あぁ・・・神谷さんって才能や努力より、好きって気持ちで強くなってるんだ。
谷口昂「ふふ、それも才能だと思いますよ?」
神谷愛「え!私、そこそこドヤ顔で言って矛盾してましたか!」
保健室に到着した頃には昼を過ぎていた。
神谷愛「うぅ・・・後で友達に口裏を合わせてもらって今日は休みにしてもらいましょう・・・」
谷口昂「あ、本当にすみませんでした!」
神谷愛「ううん、私こそ大して役に立たなくてごめんなさい」
そう言いえば・・・あの男、岡田拳一。
遅刻は私が悪いとしても先輩の後始末や竹刀破壊・・・許せない!
保健室の先生からは私と昂君を見て少し引いてた。
保健室の先生「これ、君たちがやったのかしら?」
神谷愛&谷口昂「違います!」
はぁぁ、とりあえずは終わりました・・・
神谷愛「うぅ・・・足が重いです」
谷口昂「ぼ、僕が証人になりますから大丈夫ですよ・・・多分」
あまり頼りにならない協力者です・・・