本物も本物!
岡田拳一「はぁはぁ・・・」
は、速ぇ・・・
いくら煙幕で視界が悪くたって向こうも同じはず、なんでこんな正確に!
二階堂千秋「それは忍びですから。」
煙幕の中からクナイやら鎖やら飛んでくる。
しかも正確にだ。
二階堂千秋「・・・少しスピード上げます。」
岡田拳一「まだ速くなるの!」
今のスピードに慣れてきたくせに・・・
二階堂千秋「岡田拳一、確かに侮れない。」
持久戦にしても飛び道具では致命打は無い。
まず当たらない、これだけ視界が悪いのに。
二階堂千秋「影ですか?避けれる理由は。」
岡田拳一「さすが忍び、わかってるー!」
それだけじゃないけどね。
二階堂千秋「・・・接近戦では少し分が悪いですが、仕方ない」
クナイが右から二本、そこから右に移動して一気に斬りかかる・・・
煙の中から奇襲をする二階堂千秋、先手のクナイを弾く岡田拳一。
模造刀と言えど当たれば続行不可能なレベルだ、それを相手の死角から、しかも年下に対して一気に振り下ろす。
私ながら新入生に大人気ない・・・
完全に死角からの一振り、彼はまだ気づいてない。
もらいました!!
岡田拳一「クナイから右に移動して奇襲・・・ドンピシャ!!」
二階堂千秋「な!読まれ!キャァ!!」
模造刀の一振りより速く振り向きざまに木刀で横に薙ぎ払う。
岡田拳一「浅いか。」
だから薙ぎ払いはイマイチ好きじゃないんだよ。
二階堂千秋「うっ!苦手で助かりました。」
とは言え、久しぶりにいい当たりを貰いました。
岡田拳一「それじゃあ自慢のスピードも忍術も使えないんじゃないんですか?」
二階堂千秋「・・・仕方ありません、まだ本番では使いたくありませんが。」
スッ・・・
顔を忍び服で隠す二階堂千秋。
岡田拳一「また煙幕、しかも今までよりも濃いな。」
余計視界が悪くなったよ、また奇襲が?
岡田拳一「右か?いや左?」
あれ?気配ないじゃん。
二階堂千秋「行きます!」
声は右か!
右を向く岡田拳一、しかし。
二階堂千秋「はぁ!」
岡田拳一「ぐぁ!!」
ひ、左かよ!
岡田拳一「模造刀とは言え痛いっすね・・・」
もろ左腕に当たったよ。
二階堂千秋「ふふふ、次行きますよ?」
再び煙幕に消える。
岡田拳一「戦い方にケチつけるわけじゃないけど正々堂々なんてどうです?」
二階堂千秋「これが私の正々堂々です。」
よし!声は左から!
左を向く瞬間に正面から二階堂千秋の模造刀が光る。
岡田拳一「し、正面!」
木刀では間に合わない!手で!
二階堂千秋「ダメージを受けた左で攻撃を受ける。 いい判断です、しかし・・・」
ガギッ! 鈍い音がする。
岡田拳一「痛っつー!!けど・・・」
ぎゅーっと模造刀を受けた左手で掴む。
よし!まだ折れてないな!
二階堂千秋「な、そこまでして。」
岡田拳一「悪いね、どーしても負けたくないんで!」
二階堂千秋「私もです。」
えっ?
後ろ?
岡田拳一「まさか!」
二階堂千秋「「はい。」」
前と後ろから!!
二階堂千秋「「二階堂家秘技!二人分身の術!」」
マジか!コスいだけじゃないのかこの人!
二階堂千秋「はぁぁ!!」
後ろの二階堂千秋が右肩に模造刀を打ち込む。
岡田拳一「ぐぁ!」
二階堂千秋「前が、がら空きです!」
岡田拳一「うぁがあ!!」
二階堂千秋「あら、右も空いてます!」
ま、マズイ!
岡田拳一「ぬぁ!痛ってぇ。」
二階堂千秋「あらあら、これでも倒れないですか。」
いや、倒れるほど痛いっよ!
岡田拳一「マジで本物の分身の術かよ・・・」
二階堂千秋「はい、本物の忍者ですから」
そう言うや否や再び煙幕に隠れる二人、いや一人。
岡田拳一「ただの二対一じゃないからな・・・」
二階堂千秋「そもそも初めから大人数でしたし」
まぁたしかに・・・。




