弱いも弱い・・・
主人公&ヒロインの正座まで三時間程前・・・
僕の名前は谷口昂
勉強はできる方だが武術は得意ではない。
そんな僕はいま・・・
2年生先輩A(保健室帰り)「おいおい!最近の1年坊主は礼儀や先輩への敬い方が分かってねぇみたいだな!」
僕はいま怖い先輩に絡まれています・・・
谷口昂「は、はいぃ・・・すみません!」
中学の時からよく先輩や同級生にイジられていた。
2年生先輩B「なんだこのノート?」
谷口昂「あ、それは!」
落ちたメガネを拾いノートを取り返すべく先輩に走る。
2年生先輩B「おぉっと、なんだこいつ」
ほらよ と先輩同士でノートを投げ合う
谷口昂「や、やめてください!僕の大切なノートなんです!」
取り返そうにも身長も力も遥かに上な先輩に僕はからかわれるだけだ。
2年生先輩C「ははは、ほら!」
一人の先輩がコントロールがズレ僕の後方に飛んでいた。
今だ!と 僕は振り向きノートの方へ走り出す。
僅かな差ではあるがノートに近い僕は先輩達より先にノートに追いついた。
「なんだ、このノート・・・」
追いついたには追いついた。
2年生先輩A「あ!こんちわーす!」
しかし拾い上げたのは僕ではなく。
「・・・」
パラパラと僕のノートを見ている、恥ずかしい。
と 言うか・・・
谷口昂「あ、あのそのノート・・・」
言い終わる前にノートを拾い上げた人が
「これ君の?」
中身を見終わったのだろうか、興味を示さない表情で短く、しかし力強く問い掛ける。
谷口昂「はい、それは僕のノートです」
小学生の英語みたいな回答だ。
今はこれが精一杯なんだ。
「そうか、なら返すよ」
ポンと頭にノートを置かれた。
怖いとは違う、けど動けない。
ノートを返し終えた人、チラッと見えたが・・・
3年生だ、しかも特待生。
2年生先輩B「蓮さん!こいつ俺らにぶつかって謝りもしなかったんですよ!」
蓮「でも後で謝ってたろ、見てたよ」
うっ・・・ 言葉に詰まる先輩達
蓮「ならおまえら、とっとと鍛錬でもしてろ、聞いたぞ一年に負けたの」
ぎく! 漫画なら!!!が3人分ついてるだろう顔だ。
蓮「わかったなら俺は行くぞ。」
蓮先輩はそのまま武道館に入っていった。
鉄製の大きな扉を軽々開け閉めし先輩達が顔を見合わせて。
2年生先輩A「んじゃ鍛錬でもしますか。」
2年生先輩B「あぁちょうどいいサンドバッグあるしな」
へ?なんで僕を見て・・・
少し後ろに下がる僕を背中後ろから蹴り上げた。
谷口昂「ぐぁ、ゲホゲホ!」
2年生先輩C「おいコラ!サンドバッグが逃げんなよ!」
背中蹴りってこんな息できなくなるんだ・・・
ここまでの衝撃はそうそう出来ない。
2年生先輩A「ほらほらサンドバッグ君、立ちなさい、よ!」
髪を掴みそのまま顔を殴られる。
あぁ、この人中国拳法か何かやっている人かな、殴り方が凄く上手い。
殴られながらそう思う僕、昔からサンドバッグだったからか食らうに関しては慣れてしまった。
いつからだろう、強くなりたいと思い。
2年生先輩B「おら、まだ寝るには早ぇえよ!」
膝蹴りからの掌底。
間違いなくこの人達中国拳法を習ってるな、多分さっきの蓮先輩から。
2年生先輩C「おい、ノート見てみろよ」
いつからだろう、強くなるのを諦めたのは。
谷口昂「か、返してください、そのノートは・・・」
2年生先輩A「あん?なんだこれ、武術の秘伝書かなんかか?」
それは
谷口昂「それは僕が書いた武術百貨です」
ガハハハ!
いつからだろう、強い人をノートに書いて見てるだけになったのは。
笑われても殴られてもいい。
2年生先輩B「武術ヲタクって事か、こんな弱いのに?」
弱いって言われても仕方ない、事実だから。
2年生先輩C「気持ち悪い奴だな、どんだけ書いてんだよコレ」
気持ち悪いのもしょうがない、自覚してます。
谷口昂「返してください・・・僕の夢なんです」
夢だぁ? ガハハハ
また笑われた・・・
いつからだろう。
いつからなんだろう。
谷口昂「僕の夢なんです!秘伝書を作って僕みたいに才能無い人を救いたいんです!」
立ち上がる。
いつからだろう、僕の夢が出来たのは・・・
谷口昂「だから!返してください!僕の夢を・・・」
先輩達は少し引きつった顔をしたが再び殴り始めた。
いつからだろう、夢を、僕の夢を守りたいと思ったのは。
秘伝書とは一般的に武術を納め また、自分の強さや技など、読んで字の如く秘密を伝える書物だ。
2年生先輩A「弱い癖に何が秘伝書だぁ?舐めんな!」
先輩の怒りも最もだ・・・
2年生先輩B「弱い奴は黙って隅にいろや!入るだけで目障りなんだよ!」
弱い・・・か、こんなに悔しいならもっと鍛えてれば良かったかな?
2年生先輩C「おまえみたいな負け組が夢もつ事自体うざいんだよ!」
痛みより、悲しい・・・弱い事より夢を持つことすら否定されてる僕にだ・・・
夢を諦めたらもうこんな思いしなくてもいいのかな・・・
神谷愛「先輩達、やり過ぎではありませんか!」
ビシっ!
今まで聞き慣れない音。
神谷愛「あなた、大丈夫?」
声の主である女性、恐らくその竹刀が音の元だろ
うか。
声と竹刀の音から今の場所より少し離れた場所から踏み込んだのだろうか、この人強い。
神谷愛「先輩達、少し頭を冷やした方がいいのでは?これではただのイジメです!」
僕、助けられたのかな?
2年生先輩A「いてて、このアマ!」
2年生先輩B「こいつ速いしなかなか強いぜ」
2年生先輩C「びびってんな!どうせ一人だろ」
さっきの音、一回だけだったよな、一振りで3人とも打たんだ、すごいな・・・
神谷愛「はぁ、挨拶代わりに小手打ちで文字通り手を引いてくれれば良かったんですが」
谷口昂「あれで挨拶代わりなんですね。」
それにビビった先輩達は周りを囲い込む様に円になった。
剣道三倍段・・・良く聞く話だが素手が剣道に敵うには初段であれば空手などは三段でやっと対等とされている。
しかし、それは彼女が持つ竹刀ではなく刀な場合。
しかし昔は槍術と剣術を比べる物とも言われている。
神谷愛「少し・・・少しだけ不利、ですかね?」
谷口昂「あはは、ですかね」
脇腹を抑えながら情けなくも彼女の後ろに隠れる。
救世主も追い込まれるとただの人・・・って助けてもらっといてこれか。
2年生先輩A「おい!ねえちゃん、そのもやし野郎さえ置いてけばあんたは許してやるぜ!」
谷口昂「それ、本当ですか?」
神谷愛「ダメよ、この人達はそんな事少しも思ってないわ。」
バレたかっと先輩は女の子に関わらずハイキックをかました・・・




