表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/11

1.異世界転生

投稿初心者です。

いろいろご指導いただけますと幸いです!

よろしくお願いします。

 「くあー!良く寝たなぁ!」


 ここ最近残業続きで、平均睡眠3時間を切っていた気がする。

 考えたら負けな気がして、時計は敢えて見ないようにしてたけど。


 今日は久々に何もない休日だ。

 良く寝た……むしろ寝すぎた。何十年かくらい寝てたんじゃないかってレベルで。

 ほんとに何時間寝てたんだ?


 「ん?……目覚ましは?」


 手を伸ばした先にはサワサワとした手触りだけ。手の届く範囲には他に何もないようだ。

 そういえば寝転がってる場所もいつもより固い気がする。背中が痛い。


 (俺、床で寝てたっけ?)


 寝る直前の記憶を堀り起こす。


 (確か、担当してたプロジェクトがやっと完了して、成功祝って遅くまで仲間たちと飲んで……)


 ……その後どうしたっけ。



 (寝不足に酒が入ってベロンベロンになって、皆同じような状態だったから飲み屋でそのまま別れて、一人で駅に向かって、そこで……)



 人気のない曲がり角、勢いよく突っ走ってきた無点灯の自転車に引き倒された。

 頭を強く打った気がする。



 慌てて起き上がる。恐る恐る頭に手をやってみるが、血がついたりはしなかった。

 代わりに、


 「ん?なんだこれ」


 ――指先に固い何かが触れる。

 そっと這っていくと、それはひんやりとしつつ、柔らかなカーブを描いていた。左側頭部も確認すると、そこにも同じものがあるらしい。



 「ってか、どこだここ。」



 そこは28年間慣れ親しんだ俺の部屋でも、搬送先の病院でもなく。



 ――見渡す程の木と草に囲まれた、青い湖の傍だった。





 俺の名前は氷野田透。

 実家暮らしで、平日は平凡なサラリーマン。

 土日は自室でゲームでもしながらのんびり過ごす、彼女もいない28歳……だったはずだ。


 湖の傍に近寄り、鏡の様に澄んだ水面を覗き込む。

 そこに映るのは山羊のようなクルリとした角を頭の両側に生やした、ちょっとつり目気味の青年だ。

 髪は黒く短髪で、紫がかった黒い角はそこにしっかり馴染んでいた。服は裾の長いローブ、膝下まであるロングブーツを含め、黒と紫を基調とした作りになっている。


 ここが日本なら、明らかに人前に出るのを躊躇う恰好だ。

 ……いや、問題はそこじゃない。この目つきが悪い、明らかに人間じゃないやつって俺か?

 慣れ親しんだモブ顔はどこにいったんだ。



 「そもそもこれ、夢だよな?」


 頬を軽く抓ってみようと右腕を上げると、水鏡に映る青年も同じく右腕を上げ、頬に爪を立てた。結構地味に痛かったのですぐやめた。

 空腹や、喉の渇きも感じる。

 それでも、まだ夢かもしれないという疑いは晴れない。


 「他に確かめる方法……そうだ、息をとめてみたらいいんだったか?」


 何かの記事で読んだことがある。夢かどうか確認したいなら、呼吸をとめてみればいい。夢なら酸素は必要ないから、苦しくなることもない。


 なんとなく大きく息を吸って、止める。

 

 1秒、2秒、3秒……



 「、ッハ、ケホッ!!!」


 2分くらい経った頃、耐えきれずに慌てて息を吸ったら盛大にむせた。

 信じがたいのは変わらないものの、どうやらここは現実世界らしい。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ