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平凡な日々が壊れるまで  作者: 柏餅
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夏=海という考えが大半を占めているが一部には夏=エアコンの効いた部屋でゴロゴロって思うやつもいるだろう

「おいくそじじい…俺のアパートに何しにきたんだよ」


暑さのせいか天井を向いた状態で部屋にいる祖父八雲 梅五郎に向かって言い放った


「まさかお前までここに居候させろとかじゃないだろな?」


「違うわい、それにしてもなんか一人増えてないか?悠磨よ」


同じく横になっている稲荷とハクを尻目にそういった。ハクに至ってはうつ伏せになり死んでいるかのように動かない


「暑い……なんでこんな暑いんじゃ」


普通どこの家にもエアコンというものはついているが八雲にいたってはどうせ1人だしエアコンや扇風機がなくとも乗り切れるだろうという考えが仇となった


「まさかこんな増えるとはな…でくそじじいは何しに来たわけ?」


「実はないろいろあってここからちとかかる浜辺を1日だけ貸してもらえたんじゃよ。だから暇ならお主らをつれて海に……」


「「「ぜひ連れて行ってください」」」






直射日光が降り注ぐ中この浜辺が目的地なのか1台のワゴン車が止まった。そして中から数人の男女が出てきた


「あのさぁ…なんでおまえらがいるわけよ?」


「別にいいでしょ貸し切りなんだから」


カメラを片手に薄着をした雨宮はそういった


「それに稲荷ちゃんの水着姿も見れるのよ…このカメラに収めなくちゃ」


「絶対それ目的だろ……」


「にしても悠磨のじっちゃんこんな綺麗な浜辺貸し切りできるって何者なんだ?」


「神社経営してるぐらいだからないわく付きのものをきえええとかいって適当に払ってそのお礼で借りれたんだろう」


「へぇーここが海っていうところか」


待ちきれないのかハクは水着になっていた

ちなみに稲荷やハクの水着は駅前にあるユニ○ロで適当に買ったものである(その時稲荷がハクの胸を見るなり殺意を抱いていたのを八雲が感じ取ったのはまた別の話で)



「おまえ脱ぐの早すぎないか?」


「そうか?別に周りには私達以外にいないんだからいいでしょ」


「わらわも海というものは初めてじゃ」


稲荷はそういい車から出た瞬間海めがけて駆け出した。それに続いて3人も海めがけて駆け出した


「まさかあの時あいつら2人にも聞かれていたなんてな…」


「まあまあいいじゃないか、人数が多い方がこういうのは楽しいじゃろ?」


アロハシャツをきてサングラスをかけた祖父はそういいながら車の中から出てきた。手には双眼鏡が握られていた


「それにしてもおまえさんのまわりにはハクっていう妖狐といい雨宮さんという大家といいナイスバディの持ち主が多いの…稲荷はちと残念じゃが」


「くそじじいまさかここまで狙って俺らのこと呼んだんじゃねぇだろな?」


「たまたまじゃよ。たまたま」


祖父の顔を見ると額には汗が流れていたり目が泳いでいたためこいつ確信犯だなっと八雲は心の中で確信をもてた


「はぁ…怒る気力も出てこねぇよ。じじいシート貸してくんない?」


「なんじゃつまらんやつじゃのあいつらと混ざってこんのか?それともわしとここで双眼鏡片手に……」


「あいつらとは混ざらねぇしお前みたいなこと俺はしねぇよ」


「相変わらずおまえは小さい時から変わらんのああいう集団に混ざらないのは」


「めんどくさいんだよ」


「一匹狼の俺かっこええとか思ってるのかな?傍からみるとくそダサいぞぷーくすくす」


「どつき回すぞくそじじい」


「冗談じゃよ冗談、まぁたまにはああいう集団に混ざるのもいいと思うぞ」


「まぁ考えておくよ」


シートを引いてその上に八雲は横になり仰向けになり寝転がったそして何分かたった頃に四人がいる方向から八雲を呼ぶ声が聞こえた


「小童!!お主に見せたいものがあるんじゃ」


「みせたいもの?」


稲荷は仰向けになっている八雲と目を合わせるようにのぞき込んでいった。気がつくと周りには3人が集まって円を作っていた


「何する気だ…?」


4人はニコニコしていて何も答えない。八雲は4人からなにか危険な予感を感じ取りこの場から離れようとした瞬間4人は「どーん!!」っという掛け声と共に八雲めがけてナマコを放り投げた。


「さすがにこれはやりすぎじゃないのか?」


「何言ってるの私の蹴りよりはこんなの放り投げられたって痛くないわよ」


「おまえらな……」


4人のせいで何匹かのナマコが頭に乗っている状態で八雲は小さくそう呟いた


「やべ、悠磨が怒る前だ!!逃げろ」


「よっぽど俺のことを怒らせたいみたいだな…いいだろう一人一人みっちりと殴ってやろうじゃないか。おらァ!!待てやこらぁ!!」


「なんじゃい、あいつ混ざらないとかいって思いっきり混ざっとるじゃないか」


祖父はそういい手元にあった事前に用意していたクーラーボックスからアルミ缶を取り出しプルタブを開けるのであった。

浜辺では5人の男女の声がいつまでも響き渡った


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