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平凡な日々が壊れるまで  作者: 柏餅
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第5話 服って1着1着の値段はそんなかからないけどまとめて買うと馬鹿にならない

「おいくそ狐今すぐこれ着ろ」


そういって放り投げたのはジャージと帽子だった


「ん?なんでわらわがこれを着る必要があるんじゃ?」


「おまえの服買いに行くからだよ。まともな副1着も持っていないだろ?とりあえずいまは俺の一昔前のジャージに着替えろ。その姿で出ると一緒にいる俺が変な目で見られる」


ここに来てから稲荷は封印されていた時着ていた巫女服を今日まで着ていた。


「別にいいじゃろ。どの服を着ろうがわらわの勝手じゃろ?」


「よくねぇよ!!その服何日洗ってないと思うんだ!?」


「嫌じゃ!!わらわはこの服を脱がないぞ」


「はぁ…しょうがねぇな」


呆れた素振りを見せつつ八雲は稲荷に近づいた。そう目的は小声であることを囁くためである


「ドーナツ買ってやるっていったらどうする?」


「ドーナツじゃと…」


そう稲荷は数日前大学の帰りに八雲が買ってきたドーナツを美味しい美味しいといいぺろっと食べたのである。


「まぁ着替えなかったドーナツはなしだけど……」


「ほれ小童グズグズするでない。早く服買いに行くぞ」


「こいつ……」






「ところで小童はなぜ急に服なんて買いに行こうだなんて提案したのじゃ?」


「オカンやじじいから送られてくる生活費が余ったからかな…たまにはお前の服を買ってやろうと思ってな」


「小童らしかぬ考え事だな。お主のことだからそこら辺にいる女を金で釣ったりしてるのかと思っていたぞ」


「ぶっ殺すぞくそ狐」


駅前にある服屋(ユニ○ロ)を目指し2人はそんな些細な会話をしていた。


「それより尻尾に違和感があるのじゃが……」


「ここで尻尾出すなよ?俺が変な目で見られるんだから」


稲荷はいま耳は帽子を被り、尻尾はズボンをきて隠している。


「ちぇ…」


「ちぇじゃねぇよ…ほら着いたぞ」


服屋を指差し八雲はそういった。その隣にはたこ焼き屋やドーナツ屋などここを通る人達の小腹を好かせるような店が立ち並んでいた。


「ここが服屋とやらか…案外小さいのう」


「はやく入るぞ」


「いらっしゃいま……って悠磨じゃん」


2人が中にはいると見覚えのある顔が八雲に声をかけてきた。


「げっ!?俊輔なんでこんなところにいるんだよ…」


「ここで働いてるって俺言わなかったけ?それより悠磨そこにいる女の子誰?」


宮本はそういい稲荷を指差した


(やばい!?まさかここで俊輔にあうとは思っていなかった)


「聞いて驚くなよ小僧!!わらわは……ふご!?」


「こいつは俺の従姉妹なんだよ!!」


よからぬことを言い出す前に稲荷の口を塞いでそういった


「従姉妹?」


「そそ、血は繋がっているのに似てないってよく言われるんだ俺ら」


「ふごふごふご!!」


「でもこの子従姉妹にしてはやけに攻撃的じゃないか?」


「こいつ反抗期でさ、おじさん達も手を焼いているってよく俺の前で言っていたからあははは」


蟹歩きをしながらこの場をゆっくりと歩きながら1歩ずつ離れようとしている。


「宮本君ちょっといまいいかな?」


「あ、はい。んじゃあ俺呼ばれたからここはなれるわ」


店長らしき人に呼ばれたため宮本はこの場を離れた


「ふぅ…危なかった…」


「いきなりわらわの口を塞ぐなんて無礼にも程があるぞ!!おまけに小童の従姉妹とか考えただけで背筋が…」


「大丈夫、俺もくそ狐と血が繋がっていると考えただけで吐き気がするから、それよりあいつが来る前にはやく服決めて帰るぞ」


稲荷の首筋を掴みこの場を離れた








「まさか俊輔がいるとはな…」


帰宅途中八雲はユニ○ロの袋を片手に持ちながら独り言のようにつぶやいた


「今度からはあそこに行く時は用心しないと……でもあそこ以外の服屋ってどこにあんだよ…」


「ほら小童早くしろ…わらわは腹が減ったぞ」


帰りにドーナツ屋に寄ったためドーナツの袋を抱き抱えている稲荷はそういった


「おまえ自分の服なんだから少しは自分で持てよ」


「わらわはいま荷物を持っているから無理じゃ」


「荷物ってドーナツの袋だけやんけ…」


季節のせいなのかまだ空には夕日が顔を出している


(それにしてもこいつが家に来て一週間弱かな?いまのところうまくやれてるってことに自分自身でも驚きだわ)


当初何日も立たずに稲荷は八雲との共同生活に耐えられなくなり出ていくのだと思っていたが出ていくどころか家に住み慣れていた


(いたらいたらでうるさくて厄介事が増えるけどまぁいいか…)


「歩くのがおそいぞ小童」


「うるせぇよくそ狐。俺には俺のペースがあるんだよ」


2人はいつものように言い争いながらアパートめがけて歩いて帰るのであった。


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