第3話 今どきエロ本をベッドの下に隠すやつはいないと思うけど隠す時は気をつけろよ
「とりあえず俺大学行くから帰ってくるまでおとなしく家にいろよ?」
大学に行くための準備をしながら横でテレビを真剣に眺めている稲荷にそういった
「小童!?この箱みたいな物の中に人が入っていると!!一体これはどういうカラクリじゃ!?」
「それはテレビというものだ。一言で表すと電波などを受信して電波を受け取って流しているんだ。中には誰も入ってないから変なことはするなよ」
「ほー…わらわが封印されてる間に人間共は進歩していたんじゃな」
テレビの画面に張り付いていたので八雲は(この状態なら大人しく家にはいるだろう)心の中でそう思いながら大学に向かうため稲荷に一声かけて家を出るのであった。
八雲が通っている大学は通称関根山大学、家から歩いて徒歩30分という距離にある大学である。
なぜ八雲 悠磨はそこを選んだかというとただ単に家からこの大学が1番近かったという理由のためである。
現在時刻は午後5時頃1回生である八雲 悠磨は帰る準備をしていた。
(くそ狐が外に出歩く可能性があるかとしれないし1分でも早く帰らないとな)
「おい悠磨!!今から暇か?」
帰る準備をしていた八雲に話しかけたのはガタイが良くて見るからに体育会系の青年 宮本 俊輔である。
「ん?あぁちょっとこの後バイトでな…」
「暇だったら駅前にあるゲーセンで遊んで帰ろうと思ってな」
「高校の時馬鹿ほどあそこのゲーセンで遊んだのに大学に入ったらめっきり行かなくなったよな」
宮本とは小学校からの付き合いであり腐れ縁である。
「だろ?暇つぶしに行こうかなっと思ってお前を誘ったわけよ」
「本当に悪い…じゃあ俺バイトあるし帰るわ」
「おう、また明日」
そういい軽く手を振り宮本は八雲が教室をでるのを静かに見送った。
「ん?でもたしか一週間前バイト辞めたっとか言っていたような…バイトまた新しく見つけたのかな?」
「お、おま…おまえ…」
「帰ってくるのが遅いぞ小童!!わらわはとても暇だったぞ!!」
「だからって部屋をこんな荒らすやつがどこにいるか!?このくそ狐!!」
大学を終え帰宅した八雲を待ち受けていたのは子供が暴れたようにベッドのシーツは放り投げられていたり、テレビはつけっぱなし(しかも大音量)など荒れ放題の部屋である。
「誰がくそ狐じゃ!?」
「たく…もう怒る気力もないわ…ほらどけくそ狐部屋片付けるから」
ベッドのシーツを折りたたんだ時八雲はあることを思い出す。そうそれはベッドの下に置いていた(隠していた)宮本からもらったエロ本の存在である。今どきエロ本をベッドに隠すのは中学生以下といつぞやのテレビで言っていたが八雲からしてみれば一番のベストな位置なのである。稲荷のことを一目見て気づかれないようにベッドの下をみた。そこにはあるはずのエロ本がないことに気づいた。
「ない…だと…」
「ん?どうした小童?ベッドの下にバレないように隠していた物がなくなったような顔をしているな」
(こいつまさか!?)
後ろを振り向くとエロ本を片手で持ちニヤニヤしている稲荷の姿が目に入った
「うわぁぁぁぁぁ!?俺の神聖な供物がぁぁぁ!!返せ!!」
「小童はこういうのが好きなのか…ふーん」ニヤニヤ
「くそ狐!!その本を返せ!!」
「ふむ…そういえばまだ封印を解いたお礼をしていなかったな…どうじゃ?わらわがこの本の通りのことしてやろうか?」
「は?お前のその貧相な体で俺が満足すると思ってんの?」
「誰が貧相な体じゃ!!ってか即答したよな!?少しは考えるような素振りを見せんか!!」
「500年ぐらい生きててその体はって成長の見込みはちょっと…」
その言葉を聞いて稲荷は奇声をあげて噛み付いた
「痛てぇ!!二日連続同じ場所噛むんじゃねぇよ!!くそ狐」
怒鳴り声は隣の部屋まで聞こえていたのかドンドンっと激しく壁を叩く音が聞こえた。
いままで描写の時キャラはフルネーム(稲荷意外)でしたが少し変えてみました。