表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
安心できる帰り道  作者: たい


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

7/22

帰りの新幹線

第7話は、“旅行の帰り道”をテーマに描きました。


これまでのシリーズでは、


* 夜行バス

* ホテル

* 遊園地


など、“安心優先”の空気を積み重ねてきました。


今回は、その旅行の最後にある、


「安心したまま帰れる時間」


を大切にしています。


特に今回は、


* 夕方の新幹線

* 疲れた身体

* 旅行終わりの安心感

* 少し寂しい帰り道


など、“旅行の終わり特有の空気”をかなり意識しました。

夕方。


大型遊園地の駅は、帰宅する人たちでかなり混雑していた。


お土産袋。


眠そうな子ども。


楽しそうに写真を見返している人たち。


奈々は改札を抜けながら、大きく息を吐く。


「……めちゃくちゃ遊んだ。」


「足が終わってる。」


悠斗も苦笑いする。


美咲はそんな二人を見ながら、小さく笑った。


「でも楽しかったね。」


三人とも、かなり疲れていた。


でも、その疲れはどこか心地よかった。


不安で疲れている感じじゃない。


“安心して遊び切った疲れ”


だった。



ホームへ上がる。


夕焼けの空。


静かに入ってくる新幹線。


奈々は目を輝かせた。


「帰り新幹線なのちょっと贅沢。」


「夜行バスのあとだと余計にね。」


悠斗が笑う。


美咲も頷いた。


「今日はちゃんと座って帰れる。」


その言葉だけで、三人とも少し安心したように笑った。



車内。


指定席には、柔らかい静かな空気が流れていた。


窓の外では、夕焼けの景色がゆっくり流れていく。


奈々は座席へ沈み込みながら、大きく息を吐く。


「……だめ、眠い。」


「遊びすぎ。」


悠斗が吹き出す。


でも悠斗自身もかなり眠そうだった。


遊園地で一日中歩いて、

ホテルで安心して眠って、

朝からまた動き回った。


三人とも、完全に“旅行帰りモード”になっていた。



しばらくして。


奈々は小さく笑う。


「なんか今回ずっと安心してた気する。」


「分かる。」


悠斗も頷く。


美咲は窓の外を見ながら、小さく微笑んだ。


昔だったら、


“ちゃんと大丈夫かな”


ばかり考えていた。


でも今は違う。


無理をしない。


ちゃんと安心する。


それを自然に選べるようになっていた。



新幹線が静かに走っていく。


暖房。


揺れ。


夕方の眠気。


奈々は窓へ寄りかかりながら、小さく目を閉じる。


「……ねむ。」


悠斗が苦笑いする。


「もう寝そう。」


「半分寝てる。」


美咲も静かに笑った。


その空気は、どこか昔の夜行バスに似ていた。


でも違う。


今の三人には、


“安心して眠れる”


という感覚がちゃんとある。



その時。


奈々が小さく肩を震わせる。


「……あ。」


悠斗がすぐ気づく。


「奈々ちゃん?」


奈々は顔を赤くしながら吹き出した。


「……完全に気抜けてた。」


悠斗も苦笑いする。


「帰りの新幹線危ないね。」


美咲が思わず笑った。


「旅行終わった安心感すごい。」


三人とも、かなり疲れていた。


でも、その疲れを無理して我慢しなくていい。


その安心感が、三人をかなり落ち着かせていた。



その空気で、悠斗も小さく苦笑いする。


「……ぼくも結構眠かったし。」


奈々が吹き出す。


「全員気抜けすぎ。」


美咲も静かに笑った。


「でも、それくらい安心できた旅行だったね。」


その言葉に、二人も頷く。


昔だったら、

旅行の最後にはぐったりしていた。


不安で、

緊張して、

疲れ切っていた。


でも今は違う。


安心して、

笑って、

眠そうになれる。


それが、今の三人だった。



窓の外。


夕焼けが少しずつ夜へ変わっていく。


奈々は小さく笑う。


「……帰りたくないかも。」


「分かる。」


悠斗も頷く。


美咲はそんな二人を見ながら、静かに微笑んだ。


安心できる旅行。


安心できる帰り道。


その時間は、十年前の三人が想像していたより、ずっと穏やかで優しいものになっていた。

第7話「帰りの新幹線」を読んでいただき、ありがとうございました。


今回は、


“安心して帰れること”


をテーマに描きました。


昔の三人は、


“ちゃんと大丈夫かな”


をずっと考えていました。


でも今は、


「疲れたね」

「楽しかったね」


と自然に笑い合える。


そこに、十年分の変化があります。


特に今回の新幹線のシーンでは、


“旅行終わりの安心感で気が抜ける”


空気を大切にしました。


それは、


“失敗”

ではなく、


「安心できる人と帰っている」


からこそ生まれる空気です。


旅行は終わっても、

三人の“安心できる帰り道”は、

これからも続いていくのかもしれません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ