表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

私は今日から推しになる

作者: AYUMU
掲載日:2026/03/04

二次創作です。登場する団体と実際の団体はなんの関係性もありませんのでご注意ください。


「…さん、はろモー!、…さん、はろモー!来てくれてありがとぅ〜!うぅ〜」

続々と呼ばれるフレンド。スマホの前で私は指を動かしながらその時を待つ。

「うさぴーさん、はろモー!来てくれてありがとう〜!」

コメントが読まれた。自然と笑みが零れる。

私は配信を見ながら今日もフレンドの一員として、推し…飯田めしだうしおちゃんの配信を見ている。

可愛らしい顔、声、ふわふわな雰囲気…

かわいいの全てが詰まったお肉の精霊さん。

私が初めて、好きだ!と思った“推し”。

前まではクラスメイトがアイドルに現を抜かしているのを見て鼻で笑ってたけど、実際に尊い、というものを目の前にすると、なんでもっと早く出会えなかったんだろう…と後悔をしている日々だ。

「…飯田!飯田!聞いておるのか?!」

「あっ、はい…すみません…。」

「全く、この範囲はテストに出るんだから聞いておけ!それとスマホを授業中に弄るな!!次見かけたら没収だからな!」

「…すみません。」

数学の担当の先生の言葉で現実に引き戻される。早く週末にならないかな…と憂いを帯びながら窓の外を見つめる。


私の名前は飯田美卯いいだみう。どこにでもいるような普通の女子高生。

毎日同じ繰り返しで楽しくはないけれども、推しのイベントの為、お布施のために日々アルバイトやら勉強やらを頑張っている。


今週末は地元のお祭りにうしおちゃんが来る。

前回のイベントからしばらく経っていたので、私はうしおちゃんロスになっていた。

今日は珍しく日中の配信があったから、助かる!っていう気持ちで配信を見ていたら、さっき担当の先生に怒られた…ということだ。

「後でアーカイブ見よ…」

スマホを閉じながらイヤホンを外す。

木漏れ日が窓から優しく降り注ぎ、眠気へと誘ってくる。


放課後。私は一人ぼっちで帰路に着きながら、配信のアーカイブを付ける。

今日の配信は今度のイベントでのグッズの話や、遠征に行くなら、とか他愛ない話で盛り上がっていたみたいだ。

参加したかったな、と思いながらフレンドの皆のコメントへ反応するうしおちゃんの声を聞いて微笑む。

「ふふっ、かわいい。またよいちょって弄られてる。」

ニコニコしながら歩いていると、不意に目の前が暗くなった。


…どれくらい経ったのだろうか、見慣れない天井、薄暗い部屋で私は目覚めた。

ここは…?病院?何があったか思い出せない。

確か…配信のアーカイブを見ていて…それで…?

スマホを見ようと手を伸ばし、ふと違和感に気がつく。

「あ…れ?」

見慣れないスマホ、待ち受け画面も違う。

私のスマホ…どこ?

焦りながら周囲をキョロキョロと見渡す。見慣れない洋服、シンプルながら整理された部屋。病院だと思っていたのに、それらしき装飾は一切無い。

「どこここ…?」

誰かが私を看病してくれた?それとも誘拐?

いや、でも私を誘拐する様な趣味の悪い男なんてどこにもいないだろう。だとしたら金目当て?

思考を巡らせる。しかし思い当たる節はない。

とりあえずここがどこなのか把握しなくては。

スマホがないなら、部屋の中を探索してみればいい。

立ち上がり周囲を歩き回っていると、ふと大きめの姿見が目に入る。

「え?」

そこには居ないはずの、“推し”の姿があった


「うしお…ちゃん?」

不思議そうに見つめるクリクリの瞳。グリーティングの時にいっつも見つけて優しく駆け寄ってくれる時のあの目が、鏡の中でキョロキョロと動いている

「…え?」

ぺたり、と顔を触ると、鏡の中のうしおちゃんが同じ動きをする。

顔を触った手を見てみると、黄色の手袋。


「え…?どういう…こと?」

震えながら捻り出した声は、いつも聞いている“あの声“だった。


私は、何故か目が覚めたら、飯田うしおになっていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ