第3話:秘密の約束と未来への一歩
高校3年生になり、飛香は心の中で決めていた。
「大翔くんとの未来を信じて、私は絶対に自分の夢を叶える」
毎日忙しい学業の合間に、戦国武将や歴史書を読み漁り、歴史研究の道を見据えながらも、大翔との時間は心の支えだった。
大翔も大学4年生となり、俳優・モデルとしての活動にますます磨きをかけていた。
それでも、飛香のことは大切に思っているのが伝わってきた。
ある穏やかな春の夕暮れ、二人は公園のベンチに並んで座っていた。
「飛香、卒業したらどうしたい?」
大翔は少しだけ緊張したように尋ねた。
飛香は彼の瞳をじっと見つめ、答えた。
「私は慶應義塾大学に入って、歴史をもっと学びたい。戦国武将やお城のこと、たくさん知りたい」
大翔は微笑んだ。
「それなら、俺と同じ大学だね。俺は卒業してもアイドル活動を続けたい。飛香は勉強に集中して、夢を追いかけてほしい」
その言葉は温かく、重みがあった。
「わかった。大翔くんの夢も応援したい。だから、私も頑張る」
二人は静かに手を繋ぎ、未来への約束を交わした。
時は流れ、飛香は見事に一般試験で慶應義塾大学に合格。
大翔との秘密の恋は続いたが、飛香は大学での生活に夢中になった。
土日には一人で県外のお城巡りに出かけ、歴史サークルで仲間と語り合う日々。
その一方で、大翔のライブや撮影には親友の悠依と一緒に応援に駆けつけた。
ある日、飛香の大学でのサークルの仲間がこう言った。
「飛香ちゃん、いつも歴史に詳しいね。尊敬するよ」
飛香は微笑みながら答えた。
「ありがとう。小さい頃から好きで、将来はもっと深く研究したい」
そして、大学4年生になったある日、飛香と大翔は結婚を決意した。
二人の母親も互いに了承し、静かな祝福を受けた。
「子どもは、私が大学卒業してからね」
大翔の言葉に、飛香は頷いた。
その頃、大翔のアイドル活動は絶好調で、ファンの注目も集めていた。
しかし、二人は秘密を守りながら、お互いの夢と未来を支え合った。
飛香は大学卒業後、就職活動も成功し、内定を得た。
そして、数ヶ月後、二人の間に新しい命が宿ったことが分かった。
「大翔くん、私たち、家族になるんだね」
飛香の瞳に涙が光った。
大翔は優しく彼女を抱きしめ、未来を共に歩む決意を新たにした。
青春のままに奏でる秘密の音色は、これからも二人の人生を輝かせ続けるのだった。