第2話:告白と揺れる想い
高校2年の春、学校の風景が新しい緑色に包まれ始める頃、私の心もまた新たな決意に満ちていた。
大翔との家庭教師の時間は、いつも楽しくてあっという間に過ぎていく。
だけど、胸の中に秘めた想いは日に日に大きくなっていき、私はもう隠しきれなくなっていた。
放課後、教室の片隅でひとりノートに向かいながら、勇気を絞って彼に告白する決心を固める。
その日の夜、彼からのLINEが届いた。
「明日の勉強、楽しみにしてるよ」
その一言に、胸が高鳴り、心臓が速く鼓動を打った。
翌日、リビングで勉強を始めた私たち。
彼の真剣な眼差しに見つめられ、私はついに言葉を紡いだ。
「大翔くん、私……ずっと前から、好きでした」
一瞬の沈黙の後、彼は穏やかな笑顔で答えた。
「飛香、ありがとう。実は俺も……君のこと、ずっと応援してたよ」
その言葉はまるで光のように私の心を照らし、私はほっと胸を撫で下ろした。
それからというもの、二人の距離は少しずつ近づいていった。
けれど、彼は大学生であり、アイドル活動も続けている。
私は高校生で、まだ将来の道を模索中。
互いの立場の違いに戸惑いながらも、二人は秘密の関係を守り続けた。
そして、彼の大学卒業が近づくにつれ、彼の未来の決断が明らかになる。
「卒業しても、アイドル活動は続けたいんだ」
彼の強い意志を聞いた私は、その想いを尊重し、支えることを決めた。
青春のままに、輝く未来へ――。
私たちの物語は、まだ始まったばかりだった。
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放課後の学校帰り、私は親友の悠依と一緒に歩いていた。
「ねえ、飛香、本当に大翔くんに告白したんだね! すごいよ!」悠依の瞳はキラキラ輝いていた。
「うん、やっと気持ちを伝えられた。でも、まだ秘密だからね」
私の声は少し緊張していた。
「秘密って、なんだかドキドキするね。でも応援してるよ、飛香」
その言葉に励まされ、私はもっと大翔との未来を信じたくなった。
ある日、私の母・美香と大翔の母も偶然会い、話す機会があった。
二人は懐かしそうに昔話をし、そして私たちの関係についても少し触れた。
「お互いの子供たち、良い関係を築いてるみたいね」
その一言が、私の胸に温かく響いた。
大学生活とアイドル活動で忙しい大翔は、時々疲れた表情も見せた。
そんな時、私は彼の好きな戦国時代の話題を持ち出して、笑顔を取り戻させた。
「真田幸村のように、どんな困難も乗り越えられるよ」
彼は力強く頷いた。
私たちはお互いの夢を応援し合いながら、秘密の恋を育んでいった。
そして、私が高校3年生の秋、ついに大翔にこう告げた。
「大翔くん、私……ずっとあなたのことが好きです」
彼は優しく私の手を握り返し、穏やかな声で答えた。
「飛香、俺もずっと君のことを想ってた。これからも一緒に歩んでいこう」
母同士もお互いの了解を得て、私たちの関係は静かに、けれど確かに未来へと動き出したのだった。
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