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d2-2.初仕事

まだ何も決めていないところから、とりあえず絶望してる女の子書こうと思って書き始めました。

設定も何もなかったペラッペラな彼女がどんなキャラクターに育つのか、見当もつきません。

龍崎さんへの借りは増え続ける。助けてもらったことだけじゃない。何しろ身ひとつな訳で、着替えもなければ歯ブラシなどの日用品も衛生用品もない。それらはほとんど龍崎さんが買い揃えてくれていた。トラベルセットだったり、キャンプ道具として元々持ってるものが大半だと言っていたが、私にはどれも新品にしか見えなかった。怪我だってしていたし、手当ての事も考えると中々迷惑な存在だと自覚する。龍崎さんはそれら全てをバイト代だと言って済ましてくれた。

これからここで働く理由をくれたんだ。


そういったわけで、アウトドア向けのカーゴパンツに元から履いていたアディダスのスニーカー。上はテントのプリントがされた黒いtシャツだ。

メイクについては道具がないからしょうがない事だけど、すっぴんだった。

なんだか学生時代に帰ったような気分だ。最近の子は学校でもこっそりメイクをするらしいけれど、私の様な状況になったらどうするのだろう。なんとか調達するまでは人前に出ないのか。


そんなことを考えていると、車が1台入ってきた。

私はコテージの脇で隠れている。

一度目を閉じて、龍崎さんにお願いされたことを思い出す。

-「お客さんは駐車場に車を置いたら管理棟にくる。ここでのルール等キャンプ場の利用に関する説明はすぐ終わるから、君はその間にお客さんの車まで薪を1束を運んでくれ。今日来るのは常連だから後は勝手にやってくれる」-

要はお客さんと出会わないようにしろという事だろう。

無理もない。こんな怪我だらけのすっぴん女、変にに勘ぐられたら面倒だろう。


白いランドクルーザーからはサングラスをかけた男性が降りてきた。背は170くらいで、筋肉質。だいぶ日に焼けていて、遊んでそうな見た目だった。あだ名はサーファーさんにしよう。

「龍!  調子はどうだ〜」

サーファーさんが陽気な声でコテージに入ったのを確認して私は動き出した。どんな会話をしているのか、盗み聞きたいのはぐっと堪えた。

薪1束がサービスなのか、そういうプランなのか分からないけれど、置き場には1束500円と書いてあった。

薪を両手に駆け寄り、運転席側の足元に薪を置こうとしたら後部座席のドアが開く。

私は驚いたのと慌てたので引き返してしまった。

ーーーが、当然見つかる。

「こんにちはー」

元気な少年の声だった。

振り返るとそこには小学校低学年くらいの男の子が車から降りてきていて、車の奥には綺麗な女性が座っていた。

「こ、こんにちは〜」

子供より挨拶が下手な私、情けない。

「綺麗なお姉さんは何してるの?」

この子はどんな教育を受けて育っているのだろう。

車の奥からはお母さんの笑い声が聞こえてきた。

とりあえず薪を渡して逃げよう。

「き、君凄いね〜。お姉さんはえっと、薪を届けに来たんだよ〜」

そう言って薪を手渡す。

子供には重いかな、と思ったが杞憂だった。少年が「ありがとう!」と言って車に向かった隙に私はお母さんに向けてお辞儀をした。ミッション完了だ。

「あ、お姉さん待って!」

足早に逃げる私に少年が気付いた。振り向くと笑顔の少年が手を振っていた。

「後でまた来るね」

さよならする気は無いらしい。

「う、うん、またねー」

とんだプレイボーイ君に狙われてしまった。

それでもなんとか、私なりの超サバサバ塩対応でミッションは成功だ。

サーファーさんには見つかってないし(家族から聞くだろうけど)、薪は渡したから良いよね。

ポジティブ思考で、私はコテージの裏に消えた。


登場人物がたいした危機に瀕してないシーンってやっぱり難しいですね。手が止まります。それでも描きたい設定は沢山出てくるから、少しでも多く、綺麗に盛り込めると良いなと思います。

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