ひざのうらはやお
今回はひざのうらはやお様と書くことになりました。
ではどうぞ。
感想・評価・お便り等をよろしくお願いします。
m(_ _)m
この脚本の読み方
(ト書き、もしくはひざのうらの補足)
役柄名(演じているキャラ):台詞(ト書き)
今回はひざのうらはやお様が演劇を書いて私はひざのうらはやお様にツッコミを入れるという感じになっています。
BJ「……え? 演劇……ですか?」
三河「はい。気分転換に演劇を見るのはどうかと思いまして」
BJ「嬉しいですけど……なんで気分転換に演劇?」
三河「じゃあよろしくお願いします」
BJ「えぇ!? 無視!?」
三河はスキップを踏んで鼻歌を歌いながら……消えた。
BJ「なんで!?」
答えは演劇を見るとわかる。
BJ「わかりました……行ってきます」
「無題(文字がかすれて読めない)」
原作 …ドワ…ド・エ………ク(所々文字がかすれて読めない)
改作 ルミテス・リゲル
キャスト
アアアア王子:リータ・トラジスタ
クスエニール姫:クロノ・ベギラマ
アクエウス王:ルード・トラジスタ
従者アイウエ:シャール・アルデバラン
盗賊A:ミーシャ・ベテルギウス
盗賊B:キーファ・プロキオン
魔王ナムーコ:???(出ない)
スペシャルサンクス:その他の生徒会の皆さん
BJ「名前にやる気が見られない! 魔王ナムーコて、絶対ナムコから作ったろ! アクエウス王もアクエリアスから作ったろ! あと、スペシャルサンクスって何だよ! 特別なありがとうございます。意味わからんわ! これ絶対エキストラだろ! 気分転換どころかストレスが溜まりそうなんだが! それでも入る私だけどね!!」
……
(場、アクエウス王国の城内)
(幕上がると、アクエウス王、下手の方の王座で眠っている)
BJ「なんで王座で眠ってんの!? 寝室ないの!? 王様なのに寝室ないって……王座買う金あるならまず寝室買ってあげてよ!」
(兵士、上手から入場。急ぎ足)
兵士:大変です! 王様! 大変です!
アクエウス王:何だ、騒々しい! 余は昼寝しておったのだ! いや……もう夕方だから夕寝か。
BJ「どうでもいい! 上手くもないし!」
兵士:大変です王様! クスエニール姫が! 魔王ナムーコにさらわれました!
王:なん……だと……。
兵士:早急にご命令をば!
BJ「ば!? あ、言い間違いか」
王:しかし……お前が行ってもなぁ……。
BJ「王様、娘がさらわれたのに結構冷静だな!」
兵士:ご命令をば!
BJ「言い間違いじゃなかった!!」
王:……。
兵士:(助けに行きたそうに)ご命令をば!
王:うるさいな。そんなに死にたきゃ行けば……
兵士:(心底嬉しそうに。王が言い終わらない内に)ありが……
アイウエ(シャール):(声のみ。兵士の言葉を遮る)待てーい!
(上手から従者アイウエと、アアアア王子が登場。
従者がやたら張り切っている)
アイウエ:兵士殿、魔王ナムーコの城までは危険です! 魔王討伐はこの王子アアアアに……
アアアア王子:ああっちょっごめんなさい! こら! アイウエ! 王様の御前だぞ! 頭が高い!
(そういうアアアア王子も頭が高いが王は気付かない)
王:そなたは! とても剣が強いと評判のアアアア王子ではなかろうか!
BJ「あれ? 王子なのに王様の息子とかじゃないの?」
アアアア:その通りにございます。先ほどは従者が失礼なことをして申し訳ありませんでした。
王:いや、よい。そうじゃ、そなたが姫を救ってはくださらないか?
兵士:えええええ!? 王様、いくらなんでもそれは……
王:うるさいお前は黙ってろこの一兵卒風情が! 勇者を気取るな!
兵士:……。(不満そうに黙る)
アアアア:それは、大変栄誉あることですが、しかし……僕に魔王が倒せるでしょうか?
王:貴殿はドラクエ王国最強の剣士との呼び声が高い。ほかに誰がおるか?
兵士:ご命令をば!
王:お前じゃない! でしゃばるな!
兵士:はっ……。
王:よし、もしわが娘を助けだしてくれたら、そなたに娘をやろう! それでよいだろう?
アアアア:えっ、あの世界三大美姫のクスエニール姫をですか? (間)本当にいいんですか?
王:うむ、そなたのような王子のもとに嫁ぐのであればあやつも喜ぶだろう!
アアアア:うーん、そうかなあ……。僕、小さいときに魔物に襲われて片目なんですよ? ほら。
(アアアア、前髪を上げ聖眼を見せる。従者、兵士ともにぎょっとするも、王はそれをまじまじと見る)
王:いや、それほど気にすることはないだろう。今はまだ戦乱の世だ、その方が強く見えるぞ。
アアアア:ほ、本当ですか!
(アアアア、素で喜ぶ)
王:余がそなたに嘘を申すはずなかろう!
(アアアア、明らかにテンションが上がる)
アアアア:そうですか! では……その僕が姫を助けに行ってもいいでしょうか?
王:もちろんじゃ! (うなだれる兵士を見て)……ここの兵士もつかわそう!
(直後、兵士の顔が輝く)
兵士&アアアア:(同時に)ありがとうございます!!
王:あ、いややっぱやめた。
兵士:えー!? 何故です?
王:なんか、お前の喜ぶ顔見たくない。
兵士:そんな!
BJ「兵士最後まで報われねぇ! ……兵士……同情するよ」
(兵士、あからさまにOTLの恰好。アアアアとアイウエ、ひたすら兵士を無視)
BJ「うん。ここは私もスルーで」
アイウエ:よかったですね王子。これで美人のお姫様と結婚できますね!
アアアア:いや、別に僕はそれを狙ったわけじゃないのだけれど……
王:自慢ではないが、わが娘は大陸一の美姫といわれておる! アアアア、だからぜひお前に助けてほしいのじゃ! 頼んだぞ!
アアアア:は、はい!
(アアアア、アイウエ、兵士、上手より退場)
(暗転)
(効果音:ドラクエの宿屋のBGM)
(明転)
(場、森へ変わる)
(アアアアとアイウエ、上手からゆっくりと歩いて登場。アアアアは剣を、アイウエは銃を構えて臨戦態勢)
アアアア:いかにも、何か出てきそうな森だね……。
アイウエ:実際何かが出てきてもおかしくないですね! まあ、大丈夫ですよ!
アアアア:ねえ……なんで、君ってそんなに楽天家なの?
アイウエ:ええ、まあ、気質ですから!
アアアア:……。
(ほとんど素の会話と変わらない台本)
(間のあと、草葉が揺れる効果音)
BJ「ガサガサ」
アアアア:な、なんだ!
(BGM:ロケット団のテーマ)
BJ「こ、これは……!」
盗賊A:(声のみ)な、なな、なんだかんだときかれたら! (明らかに緊張して)
BJ「なんかわからないけどファイトー!」
盗賊B:(声のみ)答えてあげるが世の情け! (割と落ち着いている)
BJ「ここまで真似ると何も言えねぇ!」
(その台詞の直後、盗賊A,B続けて下手から登場。銃を構えて、アアアアとアイウエに突き付けている)
盗賊A:この森の平和をみゃもるため! (噛む)
BJ「今噛んだよな!? ああ、観客から声援が……。観客を手玉に取るとはおぬしやりおるのぉ」
盗賊B:この森の秩序をただすため!
盗賊A:愛とまこ、誠の悪をつらんく! (同前)
BJ「ここまで来ると逆にこのまま噛んでいてほしい!」
盗賊B:らぶりーちゃーみーなかたたたき! ……あっ! (噛んだわけではなく言い間違い)
BJ「わざわざ補正までつけてくれた!」
盗賊A:盗賊A!
盗賊B:盗賊B!
盗賊A:銀河を舞う……なんだっけ? (盗賊Bに小声で忘れた台詞を問う)
盗賊B:(小声だけど劇場に響いている)もう……流星団だよ……。
BJ「うん。観客に聞こえてるけど私達皆スルーだね」
盗賊A:あ、ありがと! ……りゅ、流星団の二人には!
盗賊B:ブラックホール! 何でもかんでも吸い込むよ! (言い間違い)
BJ「何を間違えたのかわからないですよ……誰か教えて!」
(アアアアとアイウエ、台詞が終わると何事もなかったかのように盗賊に武器を向ける)
アアアア:出たな流星団!
アイウエ:今度という今度は逃がさないです!
(ちなみに流星団は初出単語)
盗賊A:いや、今日という今日はあんたの剣を奪ってやるんだから!
盗賊B:行くぞ! A!
(盗賊A、Bともに、銃を構えたままアアアアに襲いかかる)
(アイウエ、即座に両腕を動かして正確にA,Bを狙い撃ちするも、外す)
(盗賊A,Bは森の大道具の木立のなかに隠れながらアイウエとアアアアを狙い撃つ)
(銃撃戦、開始!)
(アアアアが盗賊Aを、アイウエが盗賊Bをとらえる)
BJ「一瞬で捕まった! 銃撃戦終わるの早っ!」
アアアア:よし、捕まえた!
アイウエ:こちらもです!
盗賊A:た、たすけてー! (角度的にスカートからパンツが丸見えだが気づかない)
BJ「え、これサービス? サービス精神溢れる方ですね」
盗賊B:(相方の痴態に気付く)ちょ、ミー……(言いかけてやめる)なんでもするから許して!
(舞台、いったん暗転)
(明転すると、盗賊は縛られている)
アアアア:ねえ、謝ってるんだから許してあげようよ……。
アイウエ:いや、こいつらが魔砲を使えたのが気になるんです!
BJ「魔砲が何なのかは元ネタを見てね」
アアアア:そんなこと言ったって、魔砲なんて訓練すればだれでもできるし、それより僕ら急がないと!
アイウエ:あ、そうでした! 私たちには魔王ナムーコを倒す仕事があるんでした!
盗賊A:え、ナムーコ? それあたしの友達だけど?
BJ「魔王まさかの盗賊と仲良しーーー!!!」
盗賊B:ちょっ、A! (咎めるがもうすでに遅い)
アアアア:友達?
盗賊A:うん、そうだよ! だってナムーコがこの森に潜めばいろんな人からお金がもらえるって聞いたから!
アイウエ:ねえ、ナムーコの弱点知らない?
盗賊A:何だろう? ピーマンとかかな?
BJ「子供かっ! 魔王子供かっ!」
盗賊B:ああ、確かに、ピーマンは嫌いだって言ってた!
アアアア:じゃあ剣にピーマンを突き刺して……いけるかああい!! (台本通りに突っ込む)
BJ「私の代わりに……? ありがとう!」
アイウエ:でも、魔王というくらいですから、ピーマンくらいしかないでしょう? (台本からはずれて突っ込み無視)
アアアア:(恥ずかしさに顔が真っ赤になる)うん、まあ、そうか……じゃあ行こう。
BJ「なんでかわからないけど可愛いっ!」
アイウエ:途中でピーマン買って魔王の城ですね!
アアアア;ああ、そうだ。
(アアアアとアイウエ、そういって下手から退場)
(盗賊にはなにも触れられないまま暗転)
BJ「盗賊解放させてあげて! 私の好きな放置プレイかっ! ……冗談だから本気にしないでよねっ!!」
(場、魔王の城へと向かう吊り橋)
(舞台ほぼ真ん中に、杖をついて黒いローブを被った魔術師が吊り橋の入り口を通せんぼしている。上手側に、アアアアとアイウエ、ボロボロの服装で無様に跪いている。アアアアの剣にはピーマンらしき緑色の物体が刺さっている)
BJ「一体今までに何があったんだ! しかも本当に刺してるし!」
魔術師:この先は通さん! ナムーコ様の命により、ここを通すものは始末してよいとのことだ。
BJ「 "通す" じゃなくて "通る" だよね」
魔術師:残念ながら、クスエニール姫をめぐる貴様らの旅は、ここで終わりだ! くらえ! 『エターナルフォースブリザード』!!!
(魔術師がそう唱えた瞬間、周囲から白いガスが噴き出る)
(寒そうに震えるアアアアとアイウエ)
アアアア:くそっ……ここまでか……。
アイウエ:王子、こうなったら奥の手を使います!
アアアア:どうするんだ? まさか……。
アイウエ:まあ、黙ってみててください!
(アイウエ、魔術師に近寄る)
(魔術師、少し驚くも、動かず)
魔術師:どうした、死にに来たのか?
アイウエ:(下手の方を指さし)あ、UFOだ!
BJ「まさかの古典技ーーー!!」
魔術師:え、どこどこ?(後ろを向いてきょろきょろする)
BJ「しかも……ツッコミ入れないからなっ!」
アイウエ:えいやあーっ! (魔術師を押す)
魔術師:しまった! あーれーーーーーー! (吊り橋から落ちる)
BJ「従者血も涙もねぇ! 躊躇一切ねぇ! しかも魔術師が落ちる時、魔術師は古典的な反応だし!」
(アアアア、思わずぼおっとする)
アアアア:……意外と間抜けな奴だったな。
アイウエ:ああいう魔術の勉強ばっかしてる奴なんて、あんなもんですよ。
アアアア:お前、結構ひどいこと言うな……。
アイウエ:いやあ、それほどでも。
(ふたり、吊り橋を渡る。暗転)
(場、魔王城の城門。効果音:カラスの鳴き声)
(上手よりアアアア、アイウエ登場)
アアアア:ついに、ここまで来たか……。
アイウエ:ようやく、って感じですね。
(間)
クスエニール(クロノ):(声のみ)魔王、覚悟!! 創作魔法剣・「肉詰」!!
BJ「ピーマンの肉詰か!?」
(効果音:ガシャーン)
(直後に断末魔)
アアアア:い、今の声は……。
アイウエ:何があったんでしょう?
(下手よりクスエニール登場。アアアアを見つけ、驚く)
(クスエニール登場時に学院のクロノファンの女の子たちからの黄色い歓声が響くが、場はそのまま進行)
BJ「え、何この声?」
クスエニール:貴方は……アアアア王子!
アアアア:クスエニール姫! 無事だったか!
クスエニール:ええ、魔王ナムーコがあまりにもピーマンを嫌うので、無理やり食べさせようとしたら、倒してしまいました。
BJ「魔王ーーーーー!!!」
アアアア:え、あれで魔王死んじゃったの!?
クスエニール:ええ。魔法剣まで使ってしまいましたから、完全にこと切れてますよ?
アアアア:なん……だと……。
アイウエ:私たちは……一体……。
(うなだれるアアアアとアイウエ)
(きょとんとするクスエニール)
クスエニール:まあ、でも、どうせ私の父上のことですから、ここから私を救い出した者には、私は……(クスエニール、若干赤面)キスをしなければならないのですね。
アアアア:いや、それよりもっとすごいこと……(言葉を言い終わらないうちにクスエニール、アアアアに抱きつく)うわっちょっ! どうしたんですかいきなり! (素で驚くアアアアというかリータ)
クスエニール:アアアア様、とっとと済ませときましょう。
アアアア:いや、それおかしいって! (以下小声)というかこれ台本にないぞクロノ!
クスエニール:おかしくはありませんわ。私はあなたをお慕いしているのですもの。(以下小声)知るかルミテスからもらった私の台本にはこう書いてあったしあいつもそれでいいって言ったんだ今さら変えられるか!
アアアア:え、ええええ……(以下小声)じゃあ抱擁だけで済ませるぞ。僕の心の準備が足りない!
クスエニール:さあ、早く! (以下小声)ふざけるな! お前、私がシルフでどれだけ練習させられたと思ってるんだ! このシーンでキスがなかったら私はここ数日ひたすらシルフとした努力は……お前男同士のキスがどれだけ気色悪いか知らないだろう?
アアアア:(小声)ああわかったわかった! わかったけど! 僕なんかでいいのか? 君、どうせ女の子とキスしたことなんてないだろ?
クスエニール:(小声)余計なお世話だ。シルフよりはるかにマシに決まってるだろ! いいから私の努力を水の泡にしないでくれ……袖にしたら数週間は立ち直れん……。
アアアア:(小声)だあーっもう! えい、ままよ!
(ということで、アアアアとクスエニール、結構ディープなキス。そのまま暗転)
BJ「うわーーーっ! 寸止めだとはわかってるけどなんか恥ずかしい! 変な所上手いし!」
ナレーター(サラ):こうして、アクエウス王国に平和が訪れることになったのだ。めでたし、めでたし!
(パチパチパチパチ……)
私達の方、つまり観客席から盛大な拍手が流れた。
BJ「なんであそこに行かせたんですか!」
三河「お、落ち着いてください」
BJ「……説明してくれますよねぇ?」
BJは近くにあった机を二回叩く。
三河は肩を落として頭に手を乗せてなんと答えるかを考えているかのように見えた。
三河「……遊びです」
BJ「……………」
この後、何が起きたかは皆さんにお任せします。
( ̄∀ ̄)
BJ「そういえば。最初三河さん消えましたよね? あれの答えわからなかったんですが……」
三河「……………」
三河は右斜め下を見て顔を伏せる。
段差に気付かずに落ちてしまったことを言えない三河だった。
三河「ナレーションさん!」
おっとつい声が
三河「わざとですよね! ……BJ様? ニヤつかないでくれますか? キモいですので」
BJ「ひでェ! でも三河さん。なんて古典的なんだ!」
では、これでさようなら~
BJ・三河「ありがとうございました!」
以上。ナレーションの中岡でした。