帰還する日
「兄たち、おはよ〜!」
今日も早朝散策に出ようと部屋を出た3人組。するとジュエンがニコニコと待っていた。
「おはよう、ジュエン」
エドワードが挨拶する。
「おはよう。相変わらず早いな」
「おはよう。どうしたんだ、こんな所で?」
リンガとケントも挨拶する。ケントが首を傾げてジュエンに問うと
「えへへ〜。今日は私も兄たちと一緒にお散歩行こうと思って」
ニコニコと言うジュエン。
「勿論だよ。一緒に行こう」
エドワードが快諾。2人も頷いている。
「ありがとう。じゃ、行こ〜!」
4人は今日も仲良く果物採集だ。すっかり早朝散策=果物採集が定着しており、これを始めたエドワードだけでなく他の2人にも自然に習慣化されていた。
とはいえ、昨日採った果物の残りもあるとかで今朝摘むのはほんの少しだけである。
果物採集が終わり帰路につく4人。
「あ、そうだ! ねえ、リン兄」
「何だ?」
「イェンリー姉様のお土産のお花、何色がいい?」
リンガご所望のミルフィナ・ローズ。花弁がポンポンのように幾重にも重なった八重タイプで、色が豊富にある。最初はジュエンが選んであげようと思ったのだが……色が有り過ぎて選びきれず、ならば送り主のリンガに選んで貰おうと思ったのだ。
「う〜ん……、そうだなぁ……」
リンガはどうしようか考える。花を一株譲って欲しいという思いばかりで色の事まで考えてなかった。
「なら、今から見に行く?」
ジュエンの提案に
「いいのか?」
「うん! 折角ならイェンリー姉様が喜ぶのをあげたいもん!!」
「……ありがとうな、ジュエン」
こうしてやって来たジュエンの花畑。今日も色とりどりに咲き誇っている。
目的のミルフィナ・ローズの一角は特に色鮮やかだ。赤・白・黄・薄桃・濃いピンク・紫・クリームイエロー・橙……一度滅びたとは思えない程、様々な色が風に揺れている。
「こうしてみると圧巻だなぁ……」
「本当に」
ケントとエドワードも見惚れている。
「そういえば、エド兄とケン兄はいいの?」
ジュエンが尋ねてくる。
「え? いいのか?」
ケントが目を丸くする。
「うん! 折角だから、エド兄たちもお土産にしたらいいよ!」
ニコニコとジュエンが提案する。
「なら……」
と、ケントが真剣に選び始め、リンガとエドワードは顔を見合わせ微笑い合うと自分たちもどの花にするかを選び始める。
無事にミルフィナ・ローズを選び終え、帰宅すると既に朝食の準備が整っていた。
「はい、どうぞ!」
今摘んで来たばかりの果物が目の前に置かれ、食事が始まる。
「お前たち。この一週間、どうだった?」
焼き立てのパンや温かいスープを堪能している3人組にジェスは問う。
「はい。非常に有意義に過ごす事が出来ました」
エドワードが卒なく答える。
「修行は勿論、畑仕事やその他の仕事は、ここに来なければ経験出来ませんでした」
ケントがそう言うと
「はは。そりゃそうだ」
ジェスは笑う。
「それも含め、様々な貴重な体験をさせて頂きました」
リンガは真面目な顔でそう答える。
「そうか。それは良かった」
ジェスは柔らかく微笑む。
「「「お世話になりました!!」」」
3人は一斉に頭を下げる。
「皆様のお陰で大変貴重な体験が出来ました。本当にありがとうございました!」
『修行ばかりではなく、少しは楽しめたかな?』
フォルトにそう言われ
「「「はい!!」」」
『ふん。最初はどうなる事かと思ったが……頑張ったな』
ルオもそう評する。
「「「ありがとうございます!」」」
『こちらも楽しかったよ。気をつけて帰りなさい』
『ここで学んだ事をしっかり今後に生かして下さい』
アスルとジルにもそれぞれ言われ
「「「はい!」」」
元気に返事を返す。
「兄たち。はい、これ!」
ジュエンが差し出したのは3人お待ちかね、ミルフィナ・ローズだ。
「えっと〜、リン兄が薄桃で〜、ケン兄は白! エド兄は……赤だったよね?はい、どうぞ」
「「「ありがとう、ジュエン!」」」
3人はしっかりと受け取った。
「それでは失礼致します」
3人は転移陣に立ち、皆に一礼する。
「じゃ、行くぜ」
「兄たち、またね〜!」
「はい! 皆さん、本当にありがとうございました!!」
転移陣が光り、3人を包み込む。
「ばいば〜い!」
光が収まった時、3人の姿は消えていた。




