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退魔の郷〜神と人間の間の者たち〜  作者: 朝顔


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森の見回り 4日目

「流石に四日目にもなると、多少は慣れるもんだな」

 周囲への警戒を怠らないようにしながらケントはボソリと呟く。

 森の見回りも今日で4日目。ケントの言う通り4日目ともなれば、この森の雰囲気も馴染んで来たような気もする。

「だからと言って気を抜くなんて事があってはいけませんけどね」

 エドワードがそう言うと、リンガとケントもピシッと気が引き締まる。



 午前中、ジュエンと机を並べて一緒に講義を受けた3人はしばらく落ち込んでいたものの、直ぐに気を取り直して午後の実技訓練に臨んだ。

 その時に、僅かにここで体験してきた事が実を結んでいる手応えを感じて沈んでいた気分が持ち直していた。



「! 気をつけろ! 何かいるぞ!」

 不意にリンガが立ち止まり、注意を促す。

「「……」」

 慎重に周囲を見回すエドワードとケント。

 “! いたぞ!!”

 よくよく神経を研ぎ澄ませてみると、少し先の茂みに何体か潜んでいるようだ。気配からして割と大きな個体のように思う。

「……」

 向こうもこちらを警戒しているのか、不自然に動かない。

 さて、どうしたものかと茂みを凝視し思案していると 

「ガオオオォォーーーー!!」

 しびれを切らしたのか、虎のような化け物たちが一気に襲いかかって来た。



「エドワード、そっちに行ったぞ!」

 リンガが叫ぶ。

「はあ!!」

 エドワードは後ろから襲いかかって来た虎の化け物を一閃する。

「グウゥゥーー!」

 しかし倒すには至らない。

 虎の化け物は全部で3体。1人1体の計算だがこの種はかなりしぶとく、1人では少々持て余してしまう。

「とりゃ!」

 その為、ジュエンも援護の為、参戦している。



「兄たち、大丈夫?」

 ジュエンが声を掛ける。ジュエンは今、援護に回っているので基本的に化け物を屠る事はしない。余程切羽詰まった事態にならない限り、あくまで3人に討伐させるのだ。

 正直ジュエンもかなりもどかしいが、ジュエンも援護の立ち回りを学んでいる最中だ。こればかりは辛抱するしかない。



 思いも掛けない強敵に翻弄されながらも、徐々に押し込み始めた3人。少しずつ化け物の力を削ぎ落とし弱らせていき、遂に仕留める絶好の機会が訪れた。

「はあ!!」

「やあ!!」

「うりゃあーー!!」

 3人は一気に決めに行った!

「グギャアアァァァーーー!!」

 化け物は断末魔を上げ、霧散した。



「……」

 3人は虎の化け物が霧散した後も、まだ他に潜んでいないか注意深く周囲を見回す。

「……気配は、無いな」

「……ああ」

「……」

 ここで3人は大きく息を吐く。

「やったな」

 そう口に出して、ようやくあの化け物を倒したのだと実感が湧いて来た。



「兄たちお疲れ! 大活躍だったね!」

 ジュエンが自分の事のように喜んでいる。

「ありがとう、ジュエン」

 3人は笑顔で応える。

『ふふ。大分動きが良くなってきたね。この調子で今日の見回りを続けよう』

『そうだね。初日とは見違える程だ。まだまだ気を抜かずに先に進もう』

 本日の同行者、フォルトとアスルにそう評され3人は思わずはにかむ。

「「「はい!」」」

 そして、意気揚々と先に進んで行く。



 その後は特に梃子摺る事も無く、遭遇したり化け物を斬り伏せて行った。



「お前たち。今日は頑張ったみたいだな」

 見回りを終え、帰宅するとジェスに笑顔でそう声を掛けられた。

「「「ありがとうございます。」」」

 3人はそう返して礼を取る。やはり、褒められるのは嬉しい。頬が緩みそうになるのを堪えるのが大変だった。

「お前たちが想定以上に早く成長してくれるのは嬉しいよ」 

「「「……」」」

 そう言われ、感極まる3人。

「て事で。明日はジュエン抜きで見回りに行って貰おうかな?」

「「「……!」」」

 いきなりの提案に固まる3人。

「本当は最終日の総仕上げにしようと思ったが。お前たちがこちらの予想を越えて成長したから、前倒しでやってみよう。配下たちには同行させるから心配するな」

「「「……はい!」」」

 3人は力を込めて返事を返す。

 


  



 

 

 


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