表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ゲラゲラコンテスト応募用のコント・漫才

バンドマン

作者: 伊藤テル

A:よぉ、久しぶりだな。


B:そうだな。


A:何だ? 俺の美文字案件か?


B:何だよ、その言い方。まあそうだけども。


A:字が美しい人間は性格も美しい、何でも協力するぜ。


B:自分でそう言うヤツは大体性格悪いけどな。


A:美文字トレーナーを敵に回すと怖いぜ?


B:じゃあ性格悪いじゃん。


A:まあいいや、またオマエのバンドのジャケット題字を俺が書くのか?


B:今日はそれじゃないんだ。


A:でも美文字案件って言っただろ? オマエが。


B:その言い方慣れないな、二度と言うな。


A:じゃあ俺の美文字をどう使うんだよ。


B:LINEのIDを書いてほしい。


A:いや知ってるだろ、俺のLINEのIDなんて。


B:そうじゃなくて、俺のLINEのIDを書いてほしい。


A:どういうユーモア?


B:ユーモアじゃなくて、ほら、俺、字汚いじゃん。だから。


A:いや説明不足が止まんないな。ちゃんと説明してくれ。


B:ライブに来ていた可愛いファンにLINEのID渡すじゃん?

  その時の字が汚くて引かれることあるから、オマエに書いてほしい。


A:えっ、バンドマンってそんなことしてんの?


B:主語が大きいな、俺たちのバンドと、あと大体のバンドだよ。


A:じゃあその主語通りじゃん、まあオマエら界隈ってことな。


B:そういうこと、そういうこと。


A:そんなことに美文字を使うな。


B:いいだろ、別に。


A:全く……バンドマンってそんなことしてんのかよ、いいなぁ。


B:いいんだ。


A:俺もそのバンドに入れてくれよ。


B:まあオマエもビジュアルは悪くないけどさ。

  何の役割するんだよ。


A:だから美文字を書くっていう。アートディレクターみたいな。


B:別に今までも貢献してくれていたから、

  アートディレクターで入れてもいいけどさ。


A:いいんかい。


B:ライブで何するんだよ、同時に字でも書くアートするのかよ。


A:いや、俺ラップできるかもしれない。


B:えっ、そうなの?


A:というか学生の頃、ラップやってたし。


B:マジかよ、じゃあバンドがミックスチャーになるってこと?


A:そういうことになるな。


B:めちゃくちゃモテそうじゃん、やったぁ!


A:全然アリなんだ。


B:どうせ作詞作曲もボーカルも俺だから、俺が決められるし。


A:ワンマンかよ。


B:じゃあさ、どんなラップかちょっと聞かせてくれよ。


A:まあテストもあるだろうな、曲名は『文字の世界』だ。


B:OK、じゃあ手拍子だけしとくわ。


A:

気に食わなければ即炎上 よく検討せず、言葉で盛る戦争

天井知らない砲煙弾雨 暇だし、とりま行こうぜスタンス

勝手に発足、第三者委員会 燃え盛るだけの代案無い人災

黙って心配してるわけじゃない 笑って人災見てるダメな会


B:……。


A:

無関係な人間の揚げ足取り 壊れてるのに、代えない檻

すぐにかみつく、猛獣のよう ネットで誰にでも強襲届く

覆う暗闇、簡単に悪意と繋がり 嫌いが連なり、未来が塞がり

文字が怖くて震えてしまい 何も出来なくなり潰れて、自裁


B:ダメだよ!


A:えっ? どこがダメだった! 結構良いリリックじゃないっ?


B:俺たちのバンドはもっとチャラいリリックなんだよ!

  ビール飲んで遊んでYeahみたいな感じなんだよ!

  何か重たいんだよ!


A:いや! フックというかサビまでラップさせて!


B:フックってサビのことな、じゃあサビをラップしてみろよ。


A:

文字の暴力、道徳をどう説く 果たしてあるのか、効力

いや文字には文字で闘いたい 優しい世界にただ会いたい


B:ダメだよ! やっぱり!

  何、ガチで世界を変えようとしてるんだよ!


A:いやでも音楽ってこうあるべきじゃん。


B:さすが美文字! 性格が良すぎるわ!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ