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ビニールプールで濃厚イチャイチャ

「プール入りながらイチャイチャって気持ちいいね」

「はい」


 日差しが強い中でプールに入るのは気持ちいいものだ。


 もちろん愛する彼女とイチャイチャしながら。


 本来であれば夏の外でイチャイチャするのは暑くて汗をかいたりするものの、ひんやりとした水の中だと丁度いい。


 もちろんどんなに暑くても離さないが。


 プールなんて中学の学校の授業以来で、インドアにとっては特に楽しいと思わなかったが、姫乃と一緒ならイチャイチャ出来るから楽しいしかない。


 しかも人が沢山集まる普通のプールではこんなにイチャイチャするのは無理だろうし、本当にビニールプールで正解だ。


 あまり泳ぎたいとか思わないのだから。


「えいっ」

「ぎゃ」


 何故か美希にホースを向けられて水をかけられた。


 理由は分からないが、頬を膨らませていることから不満なことがあるのだろう。


「可愛すぎる妹がいるというのに、何で構ってくれないんですか?」


 毒舌を向けてくる相手を構えというのは難しい。


「彼女いたら誰だって彼女優先になるだろ」

「そうかもしれませんが、少しくらい私に構ってくれてもいいじゃないですか。お兄ちゃん」


 水着だからなのか、何故か美希は前屈みになって胸を強調させてきた。


「おっと。真夏なのに背筋に悪寒が走ったわ」


 既に何度も姫乃の胸を見ているから、それだけで興奮したり照れたりしないし、意味不明に背筋が凍った。


 悪寒はお兄ちゃんと呼ばれたからかもしれない。


「私より全然毒舌で冷たいじゃないですか。可愛い私がせっかくサービスしてるんですから。こんなの……お兄ちゃん以外にはしない、ですよ」


 耳元で甘い囁きをされたものの、残念ながら彼女がいる隆史からしたらサービスですらない。


 毒舌じゃなかったり、彼女がいなかったらサービスになってたかもしれないが。


「まあ背筋に悪寒が走ったのは私のせいじゃなくて彼女さん見れば分かりますよ」

「え?」

「タカくん、私がいるのに何で女の子の胸を見てるんですか?」


 姫乃の方を向くと、笑顔だけど目が笑っていない彼女の姿。


 瞳の光は失われつつある。


 不満を言うことはあれど、ここまで怒ってるような姫乃を見るのは初めてだ。


「姫乃、さん?」


 あまりの迫力に隆史は思わずさん付けで呼んでしまった。


「他の女の子を見たタカくんは、これからさらなる濃厚なイチャイチャの刑ですね」

「それご褒美だよ」


 相変わらずの迫力ある笑みを浮かべているが、濃厚なイチャイチャは罰ではなくてご褒美だ。


「だって本当に嫌なことをタカくんに出来るわけないです、から」


 好きな人至上主義の姫乃にとって、愛する隆史に嫌なことは出来ないのだろう。


 それはもちろん隆史も同じであり、なるべく彼女に嫌なのとはしたくない。


 ただ、今回は姫乃にとっては許せない出来事らしい。


 でも、嫌なことは出来ないため、さらなるイチャイチャを要求したようだ。


「ここで怒っても嫉妬はおさまりません。ならイチャイチャで上書きします」


 ぎゅー、と言わんばかりの強さで抱きしめてきた。


 水着越しの柔らかな胸の感触が強くなった。


 この柔らかな胸に何度も癒してもらったことを思い出す。


 以前好きだった麻里佳に勇気を出して告白するもフラれ、傷ついたところで運命の出会いを果たした。


 理由は違っても傷ついたのは姫乃も同じだ。


 それからお互いに傷を癒すためにイチャつくことも増え、付き合うまでにいたった。


「ごめんね。二人きりになったらさらなるイチャイチャもしようね」

「はい」


 今度は心の底から嬉しそうに笑った。


 さらなるイチャイチャとなると愛し合うということになり、そのことを察してくれたのだろう。


「俺が好きなのは姫乃だけだよ」

「はい。私もタカくんのことだけ大好きですよ」


 外で出来る限界ギリギリまで身体をお互いに密着させる。


「本当どこでも誰がいようともイチャイチャしますね」


 はああぁ、と美希が呆れたようにため息を吐いた横目にイチャイチャしまくった。

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