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皆でビニールプール 1

10月25日にダッシュエックス文庫様より1巻が発売されます。

担当イラストレーターはあろあ先生です。

なので今回はイラストをあろあ先生の描く姫乃に寄せて描いてみました。

担当に確認取ったら大丈夫とのことなので。

挿絵(By みてみん)



『皆でプールで涼もう』


 夏休みに入って数日、そんな真奈の一言により、隆史たちはプールで涼むことになった。


 メンバーは隆史と姫乃、真奈に麻里佳、つかさに香苗、そして美希だ。


 ただ、このメンバーでプールに行くと間違いなくナンパの嵐となるため、大きめのビニールプールがあるという美希の家にいる。


 何せ美少女だらけの中で男は隆史だけなのだから。


 二階建ての一軒家には芝生の庭があり、今回はそこでビニールプールを楽しむことにした。


 ビニールプールなんてやっても小学生くらいまでだと思ったが、実際にプールに行くより安全だろう。


 この中にナンパされたい人なんていなそうだし、隆史だけで流石に皆をチャラ男から守りきれる自信がないからだ。


 姫乃だけなら離れなければいいだけだが、麻里佳や真奈といった複数人は難しい。


 塀があるから外から見えないようになっているため、変な男がジーッと見る心配もない。


「中学の時のまだ入って良かったな」


 プールなんてアニメ好きであまり外に出ない隆史が中々行くわけもなく、中学の時に買った青色の海パンだ。


 ビニールプールにガッツリ入るつもりもないし、一応は白いティーシャツを着ている。


「お待たせ、しました」


 美希の家で水着に着替えた姫乃がやってきた。


 白に近い感じの水色のビキニタイプの水着で、白雪姫と言われる姫乃にとても似合っている。


 付き合いだしてから下着は沢山見てきたが、水着姿を見るのは今回が初めてだ。


 カップルのどちらかがインドアなら、デートでプールや海に行く機会が少ないし、他もそうなのかもしれない。


 ラブコメアニメならヒロインのサービスシーンとして海やプールに行って水着姿があるが、ナンパされると分かっているのに行きたいとは思えない。


「めちゃ似合ってる。おいで」

「はい」


 姫乃の手を取ってから一緒に、大人が横になっても大丈夫なくらいの大きさのビニールプールに浸かる。


 ひんやり冷たい水は暑い夏には丁度良い。


「本当どこでもイチャイチャする二人ね。私たちの水着も見て欲しいのに」


 ビニールプールでもイチャイチャする二人を見た真奈の口からため息が漏れた。


 彼氏の太ももに座っている彼女、という完全にバカップルの構図だが、ビニールプールでするものではないと思っているのだろう。


「真奈さんはビキニかと思ったんですけど、ワンピースタイプなんですね」


 同じく水着に着替えた香苗が庭にやってきた。


 言い寄られている香苗が真奈に話しかけるなんて意外だが、単に気になったから聞いたのだろう。


「私は壊滅的なくらいに胸が小さいからワンピースタイプが似合うのよ」


 自分の胸に手を当てる真奈は、小さいことに絶望したかのような顔をした。


「麻里佳ちゃんはあるのに。麻里佳ちゃんはあるのにいぃぃぃ」


 姉妹であっても胸は麻里佳の方が確実に大きい。


 ちょくちょくくっつかれて胸が当たったりしていたため、隆史は麻里佳がパッドを入れていないのを知っている。


「香苗ちゃんは香菜さんと胸のサイズも一緒みたいね」


 絶望した顔から一変し、真奈は香苗の胸を見た。


 黒のビキニは大人っぽく、見た目だけなら真奈より年上に見えるかもしれない。


「何でこの人、今まで捕まって来なかったのよ? いくら同性でもこんなに見られたら通報されてもおかしくないのに……」

「奇跡よね」


 ブイ、と手をピースする真奈を見て、呆れたように香苗はため息を吐く。


「お姉ちゃんはもう……香菜さんにセクハラは駄目だよ」


 白と黒のチェック柄のフリルの付いたビキニを着た麻里佳は、セクハラに走る姉を見て目を白くしている。


「この人もこの人で駄目ね。いくら言っても私のことを幽霊だと思ってるし……姉よりかは迷惑かけてこないけど」


 憧れの人にそっくりだからくっついてこようとする真奈と、いくら説明しても幽霊だと思い込んでる麻里佳は、香苗にとって本来なら関わりたくないだろう。


 でも、何故かちょくちょく隆史の家に来てはアイスやケーキを食べている。


「何であんなに甘い物を食べているのに太らないの? 胸に栄養言ってる?」


 甘い食べ物を良く食べているはずなのに、香苗のお腹はどちらかと言うと引き締まっている感じだ。


「甘い物を食べるために気を使ってるんですよ。それにスタイルいいならあそこにいるじゃないですか」

「そうだね」


 楽しそうな顔でイチャイチャしている姫乃を見た二人は、胸はあるのに手足や腰が細い彼女が羨ましそうだ。


「麻里佳先輩の水着姿……夏って最高です」


 やたらテンションが高い美希も庭に出てきて麻里佳に抱きついた。


 花柄のピンクのビキニに麦わら帽子を被っている。


「ビニールプールでここまで楽しめる高校生がここにいるね……」


 最後に出てきたのはつかさで、青のビキニの上からティーシャツを着ている。


 ビニールプールだし沢山入る気はないのだろう。


 いつも元気なのに、今日はそこまで楽しそうではない。


 高校生になってビニールプールというのが乗り気ではないようだ。


 本来は小さい子供が楽しむものだから仕方ない。


「まあ高橋くんと姫乃ちゃんのイチャイチャを見れればいいかな」


 ビニールプールでイチャついてる二人を見て、つかさはニマニマ、と楽しそうに笑みを浮かべた。

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