彼シャツ猫耳尻尾の白雪姫
挿絵付けてみました
逆光にしてみた
「お待たせしました、にゃ……」
土曜で学校が休みの昼過ぎ、姫乃は白いシャツに猫耳、尻尾を付けて隆史の部屋に入ってきた。
特に頼んだわけではないが、さらに好きになってもらいたくて猫耳とな付けたのだろう。
上目遣いで手を猫っぽくして「にゃあ」と言っている姫乃が可愛すぎるから大成功だ。
ちなみに猫耳と尻尾は姫乃が自分で買った物で、今日の午前中に届いた。
一つ疑問なのは何でこの場で付けるのではなくて他の部屋で付けたのか疑問ではあるが、可愛すぎる姫乃を見てはどうでもよくなる。
「おいで?」
「にゃあ」
可愛い声を出して近寄ってきた姫乃は、まるでペットがご主人様に甘えるようにすりすり、と頬を摩り付けてきた。
最近は女の子を抱く良さを知ってしまったからすぐに押し倒して抱きたくなるが、今はせっかく彼女が猫耳を付けてくれているから我慢だ。
抱くのはいつでも出来るのだから。
「タカくんに甘えられるの幸せ、にゃあ」
えへへ、と笑みを浮かべながら全身を摩り付けてくる姫乃は本当に可愛く、この先何があっても離れることはないだろう。
ずっと一緒にいるのは約束しているし、姫乃が浮気をするなんて考えられない。
本当にトイレと授業中以外で離れてることなどないのだから。
この先もずっとくっついていたい。
「俺だけの姫乃でいてね」
「はい。私の全てはタカくんだけのものです、にゃあ」
愛する姫乃は他の人には絶対こんなことしないだろう。
四月は麻里佳にフラれてショックを受けたものの、今はこんなに可愛く一途な彼女を持てて幸せだ。
まあ麻里佳のことで色々と問題はあるが。
「タカくんの周りには可愛い女の子がいっぱいいますし、離したくないです、にゃあ」
「離さないよ」
最近は麻里佳に関することで嫉妬させてしまっているし、せめてずっとこうやって離さないでいる。
少しでも一緒にいる時間を増やせば、浮気される心配を姫乃がしなくて済むだろう。
心配させたくない気持ちはあるのだから。
「どっちの耳に甘噛みしようかな」
猫耳と本人に元から付いてる耳を交互に触りながら、隆史はどっちの耳に甘噛みするか考えていた。
姫乃は耳が敏感であり、甘噛みされただけで可愛い声を出す。
「どちらでも大丈夫ですけど、私が声を出すのはこっちしかないです、にゃあ」
優しく手を掴まれて誘導された先は、元から付いてる耳だった。
猫耳は神経が通っているわけではないし、甘噛されたい耳は最初から付いている方なのだろう。
「分かったよ」
どちらの耳を甘噛みするか決めた隆史は、姫乃の髪を優しくかき上げてゆっくりと顔を彼女に近づけていく。
「ひゃあ……」
耳に甘噛みされた姫乃は甘い声を出し、実感身体を震えさせた。
耳が敏感だから思わず震えてしまったようだ。
「はぁぁぁ……幸せです、にゃあ」
甘噛みされながら幸せを実感している様子の姫乃は、隆史にどんなことをされてもこうやって幸福を感じているのだろう。
耳を甘噛みしているから表情は分からないが、幸せな顔に違いない。
「もっと、もっとです、にゃあ」
腕と足を身体に回してきた姫乃は、内心は早く抱いてほしいと思っているだろう。
姫乃の一番の幸せは隆史に抱かれることなのだから。
これからも沢山抱かせてもらうが。
「可愛すぎる」
髪と同じで猫耳と尻尾は白くて本当に本人から生えているかのようにマッチしている。
二次元から来たと言われても信じてしまいそうだ。
「んん、んちゅ……」
そろそろ我慢出来なくなってきた隆史は、甘噛みを止めて姫乃にキスをした。
「目を閉じないでこっち見て」
「はい。んん……」
女性はキスされると目を閉じる傾向があるが、見つめ合いながらキスをしたい。
頷いた姫乃はもちろん隆史の言いつけ通りに見つめながらキスをしてくれる。
「猫耳尻尾付けた姫乃を抱かせてもらうね」
「はい。きてくださ……ひゃん」
押し倒された姫乃は、何故か甘い声を出した。
今までは押し倒されて甘い声を出したことはなかったため、本当に不思議だ。
「どした?」
「な、何でもないです、にゃあ……」
顔を真っ赤にされた姫乃に不思議に思いつつも、隆史は最愛の彼女を抱くことにした。




