白雪姫のコスプレ撮影
「お待たせ、しました、にゃあ……」
学校が終わって姫乃の家に来た隆史は、最愛の彼女である姫乃の猫耳メイドをリクエストした。
以前着てもらったことはあるものの、また見たいと思ってしまってリクエストしたのだ。
本当はもっと色々なバリエーションのコスプレを見てみたいが、予算の都合で猫耳メイド。
以前見たものの、リビングでメイド服を着た姫乃を見たくてウズウズしていた。
「何回も裸見られてるのに恥ずかしがってるね」
何度も抱かれて一番恥ずかしい所まで見られているのにも関わらず、姫乃は恥ずかしさからか耳まで真っ赤にしている。
いつもと違うツインテールにしてもらっているのも関係があるのかもしれない。
でも、恥ずかしがっている姫乃は可愛すぎる。
「コスプレは何回しても恥ずかしい、です」
何故か胸元とスカートの裾を手で抑えている姫乃は、恥ずかしさでこちらを見れないらしい。
ただ、恥ずかしくてもきちんとリクエストに応えてくれるあたり、べた惚れだというのが分かる。
姫乃自身が好きな人のためなら何でもしてくれるヤンデレなのだから。
ヤンデレは扱いを間違えなければ最高の彼女だ。
「メイド喫茶で働いてる子たちが凄い、です」
「まあ、お金のためとか慣れがあるだろうし」
メイド喫茶でメイド服を着ている女の子はお金のためやコスプレが好きだろう。
そうじゃなければメイド喫茶で働かない。
美希なんかはメイド服を着ていてもいつも通りのあざとさのため、コスプレ程度では恥ずかしくないようだ。
「私がメイド服を着たんですから、今度タカくんの執事姿を見たい、です」
似合うかどうかはともかく、好きな人のコスプレを見てみたいのだろう。
隆史自身もそうなのだから。
「いいよ。執事姿で沢山尽くしてあげる」
「ありがとうございます」
彼女が望んできたのだし、なるべく応えてあげたい。
姫乃の肩を抱いて優しく引き寄せた隆史は、自分の胸に彼女の顔を埋めさせる。
「タカくんの匂い、虜になっちゃいそうです」
顔を埋めているから分からないが、恐らく蕩けているのだろう。
「んん…んちゅ……」
これからしたいことはあるものの、今は『コスプレしてくれてありがとう』の意味をこめてキスをする。
ただ、姫乃はこれから抱かれる、と思っているかもしれない。
「姫乃の猫耳メイド写真に撮りたいな」
これからしたいと思っているのは、姫乃のコスプレ姿をスマホのカメラを使って撮りたいというものだ。
毎日のように一緒にいるものの、写真を撮ったことなどほとんどない。
一緒にいれば写真を撮る必要などないかもしれないが、コスプレ姿などあまり拝めるものがないから撮りたい。
「写真、ですか」
撮られるのを想像したのか、姫乃は抱きしめられながら「あう……」と恥ずかしそうな声を出した。
コスプレしただけでも恥ずかしがっているのだし、写真を撮られるのはもっと恥ずかしいだろう。
「もちろん俺しか見ないよ」
こんなに可愛い彼女の露出度が高めのコスプレ姿など、写真であっても他の人に見られたくない。
あくまで個人の観賞用であり、ネットに上げたり他の人に見れるなどあり得ないのだ。
それほどまでに隆史も独占欲が強い。
「なら大丈夫、です」
「ありがとう」
コスプレ姿の写真を撮れて嬉しくなり、隆史は姫乃の頭を優しく撫でる。
「いっぱい写真を撮っていいですから、その……後でいっぱい、愛してください」
姫乃の言う愛してくださいとは、抱いてほしいということだろう。
コスプレ姿で抱かれるシーンを想像したのか、姫乃の頬がさらに赤くなった。
「もちろんだよ」
愛する彼女を抱かないなんてあり得ないため、速攻で了承した。
「じゃあ撮るね」
「はい……」
離れないと一人で写った写真と撮れないので、隆史は少し寂しそうな表情になった姫乃から離れる。
一緒に写った写真を撮ってもいいが、出来るなら姫乃だけが写った写真を撮りたい。
少し離れたとこでスマホのカメラアプリを起動した隆史は、どうすればより可愛く撮れるか考える。
今まで写真など数えるほどしか撮ったことがないため、可愛く撮れる方法など分からない。
「撮るね。はい、チーズ」
とりあえず一枚撮ってみることにしたので、画面のシャッターボタンをタップした。
カシャ、という音がなり、恥ずかしそうにしている姫乃の猫耳メイド姿が写真に収められた。
「めちゃ可愛い」
加工やテクニックを使わなくても、元々可愛い姫乃は可愛く撮れてしまうらしい。
「ありがとう、ございます」
恥ずかしそうにしている姫乃を満足するまで撮った後、彼女が満足するまで抱いた。




