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白雪姫の欲求

「んん、んちゅ……」


 家に帰ってきた瞬間に姫乃にキスをされた。


 今日は香苗に近寄ろうとした麻里佳に触れてしまったために嫉妬したのだろう。


 これからいっぱい上書きされそうだが、嫌な気分は全くない。


 むしろもっとしてほしい気持ちでいっぱいだ。


「タカくんは私と一緒、です」

「うん」


 キスにより蕩けたような表情になった姫乃は、日に日に隆史を好きになっているだろう。


 優しく頭を撫でてあげると、嬉しそうに目を細めた。


 離れられないのはこちらも一緒であり、別れることなんて考えられない。


「部屋に行こうか」

「はい。いっぱい愛してください」


 どうやらやる気満々なようで、腕に抱きつかれて部屋に連れて行かれた。


☆ ☆ ☆


「幸せです」


 抱かれた姫乃は本当に幸せそうで、ベッドで横になりながらグリグリ、と胸に顔を押し付けてきた。


 出会った当時は初々しかったのだが、今では姫乃の方が積極的だ。


 彼氏だけに積極的になってくれるのは嬉しい限りなため、求めらたらもっとする。


 むしろもっとして離れられなくしたい。


「ただ、タカくんの周りは可愛い女の子が多すぎます」

「そう、かな?」

「そうです。式部さんは春日井さん、ひよりに高野さん、つかさちゃんと多すぎます」


 彼氏にあまり女の子が寄ってくるのは、彼女からしたら良い気がしないのだろう。


 やはり不満なようで、姫乃は「むう……」と頬を膨らます。


「タカくんの側にいたくなる気持ちは分からなくないんですけどね」


 実際に私はベタ惚れですしね……とボソッと口にした姫乃は、隆史に女の子が寄ってくる理由が分かるらしい。


「タカくんは一緒にいて安心出来ます。それで女の子が寄って来ちゃいます」


 確かに一緒に寝たり下着姿を見ても襲わなかったため、女の子からしたらポイントが高いのだろう。


 襲われない、というのは一緒にいて安心出来る。


「今は女の子を抱く良さを知っちゃったけどね」


 前に姫乃に襲いかからなかったのは、女の子を抱く良さを知らなかったからだ。


 もちろん性欲はあったが、襲いたいとまでは思わなかった。


 今も襲いたいと思わないが。


「それは私がいくらでも相手してあげれます。そんなことは皆分かってると思うので」


 確かに姫乃以外の人としたいとは思えないし、実際に誘われたとしてもする気はない。


 それくらい愛しているからだ。


「私がいて襲われないと分かってるからこそ、春日井さんはタカくんの妹になろうとしてるんだと思います」

「マジで?」

「はい。今までも式部さんと仲良くなろうとしてタカくんの妹になるチャンスは沢山あったと思います。でも、春日井さんが妹になろうとしたのはタカくんに私という彼女が出来てからです」


 美希の場合は思い浮かばなかったというもの考えられるが、もしかしたらそうかもしれない。


 男の子である以上はある程度の性欲はあるわけであり、襲われる可能性だって否定出来ないのだから。


 でも、姫乃という可愛い彼女が出来て襲われる可能性が消えたということだ。


「タカくんが私にベタ惚れだってことが周囲にバレてるんですね」


 えへへ、と嬉しそうな表情を浮かべた。


 確かに周りからバカップルと言われたのだし、隆史が姫乃にベタ惚れだっていうのが皆には分かってるのだろう。


 ベタベタとくっつかれたら(麻里佳に)理性を抑えるのは大変だが、彼女がある男子は周りの女の子は安心出来る。


「だからこそ、私にしか出来ないこともあります」

「姫乃にしか?」

「はい。タカくんと結婚して、幸せな家庭を築くこと、です」


 耳まで真っ赤にした姫乃からのプロポーズだった。

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