白雪姫の痺れた足を触る
「んん〜……」
頭に心地良い感触を感じながら隆史は目を覚ました。
目の前には大きな双極があり、姫乃に膝枕してもらいながら寝たのを思い出す。
「おはようございます」
起きた時に出した声で気付いたのか、愛する彼女の可愛らしい声が聞こえた。
「おはよう。今何時?」
「夜の八時ですね」
「マジか……結構寝ちゃったね」
あまりにも膝枕が気持ち良過ぎたため、思ってた以上に寝てしまったらしい。
「ご飯にします? お風呂にします? それとも私、ですか?」
頬を赤らめながら新婚夫婦みたいな質問をしてきた。
もしかしたらやってみたかったのかもしれない。
「全部頂くよ」
どれか一つにするなんて考えられないし、もちろん全部頂くに決まっている。
「はい」
恥ずかしそうにしながらも頷いた姫乃は、全部求めてきてくれて嬉しいと思っているのかもしれない。
白雪姫の据え膳を全部頂けるのだから他の男子からしたら羨ましい限りだろう。
こちらも嬉しいのだから。
「タカくんが全部求めてくれるなんて嬉しいです」
えへへ、と笑みを浮かべた姫乃は、本当に全部欲求を満たそうとしてくるだろう。
それくらい愛してくれてると断言出来るくらいだ。
「いっぱい寝ちゃったから止まらないかも」
髪を切って精神的に疲れたのは寝て回復したため、これからいっぱいすることが出来る。
「止まらなくていいです。全て私にぶつけてください」
「分かったよ」
毎日のように愛し合っているが、それでも愛を伝えるのが足りないのかもしれない。
もっともっと姫乃に愛を伝える方法が知りたいし、もっももっと愛し合いたいのだ。
「てか足大丈夫? ずっと膝枕してたでしょ?」
膝枕を長時間するとなるとしんどいだろう。
人の頭はかなり重いため、足が痺れているかもしれない。
「問題ないです。むしろタカくんの欲求を満たしての痺れですから幸せしかありません」
本当に欲求を満たしてあげることに一番の幸せを感じるのだろう。
そうでなければ足が痺れて動けなくなってまでする理由がない。
ただ、隆史も姫乃が膝枕や腕枕を求めてきたとしたら、痺れても長時間出来る自信がある。
何故なら姫乃に負けないくらい愛しているからだ。
でも、長時間するとなると相当しんどいだろう。
「ひゃあ……」
ツン、と足を触ってみると、姫乃が可愛らしい声を出した。
やはり相当足が痺れているようだ。
もし、足から頭を退かしたら痺れが酷くてしばらくは動けないだろう。
もしかしたら元から敏感だから声が出ただけかもしれないが。
「退くね」
いつまでも膝枕をしているのは悪いため、隆史は姫乃の太ももから頭を退かして隣に座る。
寝起きだから背中を伸ばした後、イチャイチャしたいから姫乃にくっつく。
「ひゃん……」
いきなり抱きつかれて足が少し動いてしまったらしく、再び可愛い声を出した。
しばらくは足に軽く触っただけでも可愛い声を聞けるだろう。
聞けたとしても数分だろうが。
「姫乃の声可愛い」
前々からそう思っており、もっと聞きたいという欲求が生まれる。
「じゃあ、もっとしていい、ですよ。またタカくんの欲求を満たせますから」
ドM体質の姫乃にとっては、そこまで苦ではないらしい。
普通ならしんどくて断るはずだが、してもいいのだから。
他の人からお願いされたらだったら絶対に断るだろう。
「ひゃん」
数分間だけだが、足を触って姫乃の可愛い声を楽しむことにした。




