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白雪姫の膝枕で癒やされる

「疲れたよー」


 姫乃の綺麗な髪を切るという重大な仕事を終えた隆史は、その場で床に倒れ込んだ。


 体力は使っていないものの、精神的に疲れた。


「お疲れ様です」


 切ってもらえて嬉しいのか、姫乃は「えへへ」と笑みを浮かべる。


 この笑顔を見れるだけでやったかいはあったが、出来ることなら今後はしたくない。


 今回は上手くいったから良かったものの、次はミスをする可能性があるからだ。


「次もお願いしますね」

「わ、分かった」


 笑みを浮かべて言われては断ることなど出来はしない。


 なるべくしたくはないが、好きな人の笑顔を見れるならしてあげたくなる。


 惚れてしまった弱みというやつだろう。


「お疲れのようですね。なら私が癒やして差し上げます」


 ゴミ袋を脱いだ姫乃は、床に座ってからワンピースの袖を捲って自分の太ももを軽くポンポン、と叩いた。


 いわゆる膝枕をしてあげるということだろう。


「髪を洗ったり後片付けはしなくて平気なの?」

「後でしますから大丈夫です。今はタカくんを癒やしてあげるのが優先なので」

「じゃあ遠慮なく」


 何度も味わっている膝枕を堪能する。


「至福の時間だ」


 細いのに柔らかな太ももを何時間でも堪能していたい。


「あ……」


 太ももにキスをすると、姫乃の口から甘い声が漏れた。


 太ももは独占したい部位であるため、キスマークを付けたくなる。


 本当は姫乃の全てを独占したいが。


「キスマークを付けられると独占させてるって思えていいですね」


 独占するために付けているのだから間違いないではない。


「裸になれば全身付けてくれますか?」

「いや、姫乃の肌は綺麗だから全身には付けたくない」


 付けたら痣だらけになりそうなため、付ける所は厳選しなければならないだろう。


 シミ一つない綺麗な肌に全身キスマークを付けたくはない。


 それに裸の姫乃を見たらキスマークを付けるのではなくて別のことが始まってしまいそうだ。


 好きな人の裸を見て性欲を抑えられるわけがない。


「抱いてくれてもいいのに……」


 ボソっと呟いたが姫乃は少し残念そうなのは、裸を見て興奮してほしいということだろう。


 だけど精神的に疲れたから抱くのは後ほどだ。


「今は膝枕で癒やされる時間だから」

「はい」


 ギュっと手を握ってイチャイチャする。


 正直姫乃の甘い匂いだけで興奮しそうだが、今はする時ではない。


 だって膝枕してもらえるだけでも幸せを感じられるのだから。


「それにずっと一緒なんだからいっぱい出来るよ」

「そうですね」


 欲求を満たしてあげられるのが一番の幸せみたいだし、本当に抱かれたい気持ちでいっぱいなのだろう。


 今も抱きたい気持ちがないわけではないが、欲求を満たしてもらう方法など他にもある。


 膝枕だって欲求を満たされるし、キスなんて幸せを感じられて凄く好きだ。


「ずっと、ずうぅっと一緒です」

「うん」


 そう約束した後、眠気に襲われた隆史は瞼を閉じた。

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