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積極的過ぎる白雪姫

「タカくん、あーん」


 誕生日ケーキを皆で食べる事になったら、姫乃が隆史の口元にフォークで刺したケーキを持ってきた。


 先程美希が妹になると宣言してきたため、見せつけたいからしてきたのだろう。


「あーん」


 最愛の彼女が望んでいるので、あーんってされてケーキを食べる。


 生クリームたっぷりのケーキは甘いが、フルーツの程良い酸味で美味しい。


「やーん、お兄ちゃんたちは甘い空気出しちゃってますね」


 憧れの先輩の誕生日だけあってか、美希のテンションが高い。


 屈辱だと言っていたならお兄ちゃんと呼ばないでほしいが、もう何を言っても無駄だろう。


「タカくん、ケーキの後は私を食べてください、ね?」


 耳元で小声で言ってきたものの、恥ずかしいのか姫乃の顔は赤い。


 人前だというのにそう言ってきたのは、誰にも渡したくないからだろう。


「いいよ」


 ギュっと肩を抱きてから引き寄せて安心させる。


 えへへ、と笑みを浮かべた姫乃は、再びケーキを隆史の口元へと持ってきた。


 姫乃自身の香りとケーキの香りが脳を刺激してきて興奮しそうになるが、流石に人前で押し倒すわけにないかない。


 今はケーキを楽しむことしした。


☆ ☆ ☆


「タカくんの欲求を満たせました」


 麻里佳の誕生日会が終わった日の夜、隆史は本人の希望もあり姫乃を抱いた。


 隆史と共にベッドで横になっている姫乃は抱かれて嬉しいらしく、「えへへ」と笑みを浮かべている。


 今日の美希は泊まるようで、二人して麻里佳の家に行ったらしい。


 既に何回か行っているみたいだし、麻里佳の両親とも知り合いなのだろう。


 一緒に寝れるかは分からないが。


「大分遅いし今日は泊まる?」


 もうすぐ二十二時になるため、可愛すぎる姫乃を外に出したくない。


「はい。ずっと一緒にいたいです」


 グリグリ、と胸板におでこを擦りつけてくる姫乃は本当に天使だ。


「明日もお休みですし、満足するまでしてもいい、ですよ」


 甘い誘惑をしてきた姫乃は、「あむ……」と耳を甘噛みしてきた。


 自分の匂いを全身に付けたいかのようだ。


「もう姫乃を抱く喜びを知ったから、誘惑されると止まらなくなる」

「止まらなくなっても、いいんですよ」


 完全に誘惑しているようで、甘噛みを止めようとしない。


 付き合う前までは一緒にいても抱かなかったが、今となっては抱く喜びを知ったから興奮したら止められないだろう。


「私はタカくんの欲求を満たすことで幸せを感じますから。だから私でいっぱい興奮して、私で欲求を満たしてください」


 姫乃自身も好きな人に抱かれる喜びを知ってしまったらしい。


 そうじゃないとあの恥ずかしがり屋の姫乃がこんなに積極的になるわけがないのだから。


 本当にヤンデレ気質な白雪姫だ、と思ったが、そんなことは口にしないで頭を撫でる。


「ありがとう。でも、ちょっと疲れたから少し休んだらするよ」


 インドアの隆史は、何回もする体力を持ち合わせていない。


 だから少し休んだ後にまたするつもりだ。


 明日も休みだから疲れ果てても問題はない。


「はい」


 嬉しそうに笑みを浮かべた姫乃は、再び胸板に顔を埋めてきた。


 ずっと感触を味わっていたいみたいで本当に可愛い。


 天使過ぎて叫びたい気分だが、今の状況に水を差すことになりそうだから止めておく。


「私たちは永遠に一緒、です」


 もちろんだよ、と言ってから姫乃の頭を撫でた。

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