マロンの専属メイド長
先程から、メイド長と一緒に長い長い廊下を歩いております。その時間は後に調べたところ約30分間以上歩いていたらしい…。
このメイド長は、この魔界で頼られているのだろう。すれ違うたびに、様々な人に声を掛けられている。なので、全然部屋に行けない!!!ねぇ、分かる?俺、全裸なのよ………。
「マロン様、この部屋にお入り下さい」
「はぃ………(やっと着いた)」
「じゃあ、このウェディングドレスに着替えてください」
「ッ、ウェディングドレスゥ?!」
「ご主人様が、おっしゃってましたよ…。今日結婚式をすると……聞いてないのですか?」
「………キイテナイデス」
「それは、聞いてないマロン様が悪いんです。さぁ、着替えますよ」
いや、聞くもなにも、一言も言われておりません。俺は、全く悪くありません………。いくらなんでも酷いです。
「ステラさ…」
さっき、呼び捨てでいいと言われたのに、さん付しようとしたからか凄い勢いで睨まれる。
急いで言い直して、
「……ステラって、一体何者なんですか?」
呼び捨てで呼んだのに対し、よろしいというように、こほんと咳を立ててメイド長は言った。
「今日から、マロン様専属のメイド長 ステラです。よろしくお願いいたします。ちなみに、こう見えても私、遠慮なく主人でもシバいていくタイプなので理解しといてくださいね」
よろしくお願い致せません!!
ちなみにもクソもないです……この数分で分かってます…。
しかし、凄くスラッとしてて美人である。
髪の毛は、淡い紫色のボブ。目の色は綺麗な引き込まれそうな夜空の色。ロングのメイド服から、ちらりと見える手足が真っ白で雪みたいだ。
しかし、性格は難ありといった所だろうか…。
俺個人の偏見だが、美男美女は毒舌な人はかなりいる…と思っているからまぁ、そこまで驚きはない。俺はこれから、このメイドに面倒を見てもらうのかと思うと、自然と溜め息が溢れた。
魔界で出会った2人目の住人は、俺専属の高身長美人メイド長(しかし、かなりのスパルタ)でした。